第1話
私の名前は坂宮結実中学2年生。福秀中学校に通っている。
いつもと同じ時間。いつもと同じクラス。いつもと同じ教室。平和な日々を過ごしている…って言いたいんだけど、そうも言えないんだよね。
私のクラスは2年…何組だろう。皆からはD組って言われてる。他のクラスは数字なのに。なんでかっていうとね?このクラスは闇で包まれてるからなんだ。
今は6月だから…世の中の闇が可視化されてから2ヶ月経ったのかな。ちょうど私たちが2年生に上がった時。4月から見えるようになったんだったっけ。
闇はどこにでもあるよ。家にも、スーパーにも、カラオケにも。そして、学校にもね。
闇には濃さがあって、濃ければ濃いほどまずいってやつなんだけど…私のクラスはどこの場所よりも濃いみたい。世界で1番ってやつ?嬉しくない。
で、ダークみたいじゃんって他のクラスから笑われたり避けられたりして。darkの頭文字をとってD組なわけ。ほんと最悪。
今もわからないの。なんで私たちのクラスだけ闇が濃いのかって。だってこのクラスで過ごす毎日はとても楽しいんだもん。でも、他のクラスの様子を遠くから見てるとわかる。何かが違うって。その理由を知りたいだけなんだけど。
のんびりしていた先生たちも焦りだして。毎日朝の時間とお昼休みと部活の時間をつかって職員会議。大変そうだな、なんて笑っていられるほど他人事ではいられない。
先生達は考えた。学級委員に探偵の真似事をさせて、クラスの闇を解決させよう!って。
何考えてるんだろうね。結局先生達は責任を放棄したみたい。
あ、言い忘れてた。私実は学級委員なんだよね。このクラス唯一の
普通のクラスは男女1人ずつなのにね。私しかいないのも闇なのかも。なんちゃって。
正直、私がこのクラスの闇を解決できるとは思えない。なんで学級委員になったんだろうって心底思ってる。
でも、私がやるしかない。怖いけど。
これは、私が学級委員兼探偵に任命されてからクラスの闇を滅し、様々な謎を解決するまでの物語。