表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

死ぬ瞬間、何を考える?

作者: 神和

この間、自分が死ぬ夢を見たわ。

夢やけど、超リアルに感じた。

それは、本当に死ぬ瞬間と変わらんと思う。

死ぬ瞬間、わしは何を考えたか?


わしは、どこかわからないが、白い大きな建物の中にいる。

その建物の大きな窓際に立って、外の芝生を見ていた。


すると、突然、大きな白いものが芝生の上に落ちた。

直径10mぐらいの大きさだ。

その白いもはバウンスして、こちらに飛んでくる。

そして、建物を壊す。

壊れたのは、わしのすぐ横だった。

建物の半分が崩れた。

わしは、崩れた反対側にいたから助かった。


もちろん、崩れたところに人はいた。

建物が崩れて空が見えている。

つまり、そこにいた人は、建物のがれきに押しつぶされて死んだ。

それをみて、「運がないのー」と思った。

悲しくもなく、完全に他人事だった。


そして、また、芝生の方を見た。

すると、今度は火の玉が見える。

さっき見た白いものは、飛行機のエンジンだったようだ。

今度は、飛行機が火の玉になって突っ込んでくる。

逃げる暇なんてない。

完全に、死を覚悟した。

その時、わしは何を思ったか?


わしは、最後に、「後悔」が頭に浮かんだ。


アニメで人が死ぬ時に、走馬灯のように、自分の人生が頭に浮かぶシーンがよくある。

だが、わしは、自分の人生より、後悔が最後に頭に浮かんだ。


わしの後悔とは?


わしは、「金なんて、ためるんじゃなかった」と後悔した。

意味が分からんと思う。翻訳すると、人は将来に備えて貯金する。

もし、貯金せずに使えば、美味しいものをたべたり、楽しい思いができるかもしれない。

だが、将来にそなえてお金を貯める。

つまり、金をパーっと使えばよかったと後悔した。


そして、わしの後悔は、たったその一つだけだった。

人間、自分の本当の考えに気づかないこともある。

わしが本当に考える最後は、後悔のようや。

これは、夢やけど、目覚めてからも考えさせるものがあったわ。


一応、後悔しないようにいきているつもりやけど。

とはいえ、あの夢を見た後でも、パーと金を使う気にはなれんな。

今の日本では、金がなくなったら、外国人は助けられるが、日本人は餓死せなあかんからな。

まったく理不尽や。


さて、この夢には続きがある。


わしは、後悔の後にさらに、「この後どうなるのだ?」と思った。

「意識は消えるのだろうか?」

意識の消滅、イコール自分の存在が消えることと同じと考えた。

「消える」と考えると身震いがした。恐怖だ。


だが、「どうなるか?」と、次に起こることに興味津々だった。

わしは、この世にあまり未練がないようや。実際そうやけど。


目の前が暗くなり、意識が消えるかと思ったが、わしの頭の中の考えが消えることはなかった。

次の瞬間、わしは、大きな暗いトンネルの中にいる。

そのトンネルの壁には、ひだみたいなのがあった。

まるで、体の中の腸の中みたいなところにいた。

ふと、自分の手や下半身を見た。

だが、何も見えなかった。でも、感覚的には手や下半身を見ている感じ。

見えないのに、見えているような不思議な感覚。そして、それに違和感はない。


わしは、振り返り声を掛ける。

「おい、行くぞ」

わしは、少し怒り気味に声を掛けた。

行先は、当然のように知っている。だが、どこかはわからない。

それなのに、当然のように前進しようしていた。


さて、わしは、誰に声を掛けたか?

それは、ひだのある壁を見ている、お前だ。

お前は、トンネルの壁を、じっと見つめている。無表情で、何を考えているかわからない。


どうやら、事故現場にお前もいたようで、お前も巻き込まれて死んだようだ。

壁を見ているお前に声を掛けたが、そこには何も見えない。

だが、わしの意識のなかでは、壁を見ているお前を想像している。

でも、見えているわけではない。これは説明が難しい。

たとえるなら、生まれつき目の見えない人に、見るとは何か説明するような感じや。


お前に声を掛け、進もうとした瞬間、トイレに行きたくなって目が覚めた。

いったい、わしらは、どこに行こうとしとったんやろな。気になるわ。


ところで、お前は、死ぬ瞬間に何を考える?

愛する奥さんことか? それとも子供か? あるいは・・・。

それは、なんじゃ?


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ