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【71】公爵一家、日本来訪。


 今日は水曜日。公爵家の皆さんがいらっしゃる日だ。朝ごはんを食べて軽く掃除をして、洗濯物を終わらせるとインターホンが鳴った。


「はーい!」

ドアを開けると笑顔で公爵一家が立っていた。


「エーコさん!来たわよ!」

ダイアナさんが一番テンションが高い。

 

 なお、彩音ちゃんは今日はお留守番だそうだ。見られたら大騒ぎになっちゃうし仕方ないね…。


 すかさず漬物石を挟んで、着替えの入った紙袋を渡して祥志に着替えの対応を任せる。


「皆さん、日本の服に着替え終わったら出発します。私は皆さんがお着替えされている間に少しだけ出掛けて来ますね。」


そう言って急いで外に出てルーナ村に転移し、走って冒険者ギルドに行った。


 良かった!空いてる。前と同じ緑の髪のお姉さんがいたので冒険者証を出す。


「すみません、モンスターを解体して欲しいんですけど。」


「あ、お久しぶりです。はい。わかりました。解体室にご案内しますね。」

そう言われて解体室でキングクラブ13体と、ブラウンボア一体を出す。


「…は?これ全部貴女が倒したんですか?」


お姉さんがポカーンとした顔をする。

「まあ、そんな感じですね。えーっと、これから用事があるので明日取りに来ていいですか?肉とか身とか蟹味噌とか内子は下さい。それ以外は売ります!容器代は素材代から差し引いて構わないので。」

私というか車だけどね。


「あ、はい…わかりました。」

お姉さんが困惑した顔をしている。解体のおじさんが『こいつぁスゲェな。』と呟いているが、ケネスさん達がもう着替え終わってたらまずいので、ペコリとお辞儀して退散する。


「それじゃあ人を待たせちゃってるので!!宜しくお願いしますねーーー!!!!」

そう言って私はさっさと退散した。


「…タチバナさんって一体何者なんでしょう…。」


受付のお姉さんが、呆然としながら呟いてたのは知る由もない。



◇◇


「お待たせしましたー!」


私が戻ると丁度皆さん着替え終わったところだった。良かった良かった。上司を待たせるのは忍びないもんね。



「ど、どうだろうか?」

 ケネスさんが戸惑いの表情で聞いてくる。


 おおおおお!皆さん可愛い&カッコいい!!!


 とてつもなく決まっている…!!!領収書を提出すれば公爵家で出してくれるというので気合を入れて買って来て良かった!


 ケネスさんはジーンズと普通のTシャツだが、本当にハリウッドの俳優さんのようだ。羽織れる様に黒のジャケットも用意しましたよ。スニーカーはジャケットに合わせて黒にしてみました。


 ダイアナさんは赤髪なのでシフォン生地の緑のワンピースに緑のローヒールのお花があしらわれた靴に、赤いバッグとストッキング。


 ニーナちゃんは銀髪なので、黒と白の縦ボーダーの袖がフリルになっているトップスに黒いデニムスカートにシュシュと黒い靴とシルバーのバッグ。


 シリウス君はこの前のよれたパーカーだと可哀想なので、新品のもうちょっと綺麗なスウェット上下と白のスニーカーを用意しましたよ。

 

 ああっ!眩しい!!!!


「皆さんとってもお似合いですー!!!!ささ、車にどうぞ!」


今日は昨日私が実家から借りて来たデリカでみんなで一台で回る。


「はーい、じゃあ行きますよー!」


昨日の夜、ケネスさんから連絡が来て、結局次のようなスケジュールになった。


午前中は銀行口座開設してスマホ契約、ランチは高級ホテルでブッフェ、ビニールハウス見学兼いちご狩り、温泉宿にチェックインして屋形船でもんじゃ焼きを食べたあと、飲屋街へ。


 明日は水族館にいったあと皆で鰻を食べて解散する予定である。


 ちなみにこの前レオナさんが印鑑を作った店で既に月谷の判子をゲットしておいた。


 そして料金は全てケネスさん持ちだ。ひゃっほう。


 さあ、おいでませ日本!!


 皆さん楽しんでくださいよーーーー!


◇◇


 順調に銀行口座とスマホをゲットしてブッフェのレストランに来た。


 ここのブッフェは和洋中イタリアンにスイーツ、どれも美味しいと評判である。


 レオナさんも合流して、皆で席に座る。


「皆さーん、ここのレストランは定額を払えば食べ放題なので好きなものをたくさん食べてくださいね!」


そう言うと歓声が上がった。


 ダイアナさんとニーナちゃんは目の前で焼いてくれるフワフワのパンケーキに釘付けだ。


 ケネスさんはフランベされるステーキをみて、『これはもはや芸術だ!!!』と言ってスマホのカメラで写真を撮りまくっている。


 シリウス君はパスタやあんかけ焼きそばやお蕎麦など色んな麺料理を試している。


 私達家族はフカヒレスープや小籠包、ラーメン、エビチリなど中華を中心に食べている。


 ああ、杏仁豆腐が美味しい…。


 レオナさんは具を自分で選べるタイプの海鮮丼をてんこ盛りに盛り付けて戻って来た。おおお、ワイルドですな。前までは上品に食べていたがすっかり日本での生活が板についてきた。


 皆さん好きなものを爆食いである。

 ケネスさんはなんと全種類食べたそうだ。この人10人前くらい食べたんじゃないかな…。


 出禁にどうかされませんように…。


 まさかあそこでお肉をフランベしてるお兄さんもこの大食い外国人が春から王様だとは思わないだろう。


 皆さん大満足だったようで何よりである。


 

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