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【66】農業改革計画!


 ケネスさんにシュガービーツの種のことを話したところ、


「おお!そうだ!!それもあるが褒賞と不在の間渡せなかった給料も渡す!」


と言われてなんと給料と褒賞合わせて白金貨を50枚貰ってしまった。


「え、え、貰えませんよ、流石にこんなに!!」

と焦って言うと、

「何を言う!あのままだったら何人も死んでいたのかもしれないのだぞ!本当はもっと渡したいくらいだ!」

と言われたので、有り難く貰っておいた。


 ちなみに派遣した討伐隊はスタンピードを私達が解決したので丁度近くでモンスターの被害に遭っていた村に行ってもらえたらしい。


 それにしても凄い額を貰ってしまった。


 海外旅行もネズミーランドもヨンリオピューロランドも行けてしまう…!


 祥志に目配せするとめちゃくちゃ嬉しそうな顔をしていた。


 シュガービーツの種の件は結局私が立て替えて、あとから払ってもらうことにした。


 ネットで農家さん向けに種を売っている所を調べたら、そこまで高くなさそうだったのと、正確な値段がわかってからお金を貰った方が効率が良さそうだったからだ。


 米やトマトも植えたいと言っていたので明日見に行って購入するつもりである。


 最近シリウス君が農業系の魔道具も研究しているようなので平日一度一緒にトラクターや田植え機など農業用機械を見に行く予定だ。購入して分解してみるのも吝かではないそうだ。


 構造を知って動力源の部分に魔石を組み込んで試作品を作りたいらしい。


 機械を導入したらかなり作付け面積なども変わるんだろうなぁ。


 まさに農業改革である。日本生まれ、異世界育ちの砂糖でお菓子を作るのが楽しみだ。


 ちなみに次の週末あたりにサダオさんとレオナさんは例の墓地からミュラー伯爵家が近いので一緒に行って話を聞いてくれるそうだ。


 とりあえず今日はこれからサダオさんの家が繋がっているというあの墓地まで『送信』してあげることにした。

 

 何故かレオナさんも一緒に戻ると言ったが、サダオさんの家の最寄りの駅に送ってもらってJRで家に帰ると深夜になってしまう。


 どう考えてもうちから帰った方がレオナさんの家に近いので残ってもらうことにしたら、何故かめちゃくちゃ残念そうな顔をされてしまった。


 一応墓地に送った際、サダオさんと私で強めの結界を張っておこうということになった。


 また同じ事をされたら困るしね。


 週末はいよいよ魔王と話し合いだけど、なんだかバタバタしているなぁ。菓子折りも買っておかねば。


 ちなみにケネスさんに私達家族と彩音ちゃんの他にあと1人魔王の元へ行けることを伝えると、バルガン辺境伯家から一番戦い慣れている人を派遣してくれることになった。



「よし!それじゃあサダオさん、送っていきますね。」


私が言うと、サダオさんが頷いた。


「ああ、よろしく頼む。」


「すぐ帰ってきますねー!」

そう言うと、皆さん頷いてくれた。


今日行った二つ並んだお墓を思い浮かべて念じてみる。


ブウウウウン!


…良かった。きちんとお墓の目の前に着いた。


「あんがとさん。無事着いたみてぇだな。」

そう言ってサダオさんが嬉しそうに骨をお墓に戻し始めた。


「よし、じゃあ早いとこ結界張っておこうや。」

そう言われたので、一緒に手をかざして洞窟そのものに悪意がある人が入れないように結界を張る。


 これは神様が立花家に張った結界の劣化版のようなものだ。


 さすがにモンスターや人間をバチバチ弾いてはくれないけれど、阻んでくれるくらいはしてくれるはず。


「ミュラー伯爵家に行ったら結果を教えてくださいね。あとで、祥志とレオナさん、私でlimeのグループ作っておきます。」


「おう。わかった。」


「ちなみにミュラー家に行く時さすがに歩きは厳しいですよね…?グングルマップで見たら10キロ以上ありましたけど。

 この穴をさすがに車通れないですし、どうやって行くんですか?」


私がそう聞くと『あ。』と言う顔をした。


「あー、俺、折りたたみの自転車持ってんだわ。だからそれで行こうかと思ってたんだが。よく考えたらあの姉ちゃんの分がねぇな。」


「姉ちゃんじゃなくて、レオナさんですよ。偉い人なんですからせめて名前で呼んであげて下さい。自転車の件は、私、レオナさんに買っておくように言っておきますね。」


私がそう言うと、ちょっと気まずそうに頬を掻いていた。


「おお、済まんな。ちゃんと名前で呼ぶようにするわ。俺もずっと女っ気が無かったもんだからよ。名前で呼んだりすんのは照れるんだわ。」


おおお、彼なりに照れがあったのね。


(ラミダスさん、キヌさん、また一緒にお墓に入れて良かったですね。)


心の中でそう呟くと、お墓がきらりと光った気がした。


「それじゃあ、私は行きますんで。何かあったらグループにlimeして下さいねー!」


◇◇


 その後公爵家に戻って自転車の事をレオナさんに話すと、


「ど、どうしましょう。二輪車を自分で漕ぐの?私、きっと乗れないわ…!」


と言われてしまった。


 明日からの平日、シリウス君が来ない日と種を買いに行く日以外は近所の公園でレオナさんの自転車の特訓になってしまった…。


 まさか一国の側妃だった人に平凡な主婦の私が自転車を教える事になる日が来るとは人生とはわからないものだ…。

 

 そして、よく考えたらピカッと光るまで自力で日本には帰れない。


 ウーボーイーツでクレープを注文して漬物石を挟んでおいて、私達家族とレオナさんの4人で食べてから帰って頂いた。


 私とレオナさんが苺、祥志とこうちゃんがチョコバナナだ。


 美味しかったけど夜のクレープは背徳感がなかなかだった。


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