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【48】みんな大好きバターチキンカレーと『強制ログアウト』の真実


 家に帰ると、午後4時半を過ぎてたので、急いで夕飯を作る。


 今日はバターチキンカレーライスだ。


 我が家のカレーは元々私の趣味でスパイスカレー作りを行っていた事もあり、じゃがいも等は入っていない。

 調理中、祥志がこうちゃんをお風呂に入れてくれるというのでゆっくりと作る。


 まずはバターを引いて、ニンニクと玉ねぎを飴色になるまで炒め、すりおろしたニンジン、セロリ、マッシュルームを加えてシナモン、ハチミツを加えて茶色っぽくなるまで炒める。いわゆる『チャツネ』というものだ。


 ここに少量のガラムマサラやオールスパイス、ターメリック、クミンシード等を加える。


 前はもっと本格的に調合していたがこうちゃんがまだ食べられないので少し加える程度にする。


 そこに白ワイン、塩、コンソメスープ、ローリエ、合わせ出汁、ホールトマト、グリルしたチキンにバター、を加え、グツグツするまで煮込む。


 最後は火を止めて市販のルーを加えて15分ほど煮込めば完成だ。


 ちょっとした手間でかなり本格的な味になる。


 なお、辛いのが好きな祥志には好みでカイエンペッパーを振ってもらっている。


 ご飯はバターにターメリックを入れて炊き込んだ、ターメリックライスだ。お皿に盛り付けてバジルを少しトッピングする


挿絵(By みてみん)


「「「頂きまーす!」」」

3人で仲良く食べ始める。

 口に入れると色んな旨みが合わさって幸せな気分になる。あー、疲れた体にスパイスが沁みる…。


「うまぁーい!!!」

祥志が物凄い速さでおかわりする。

「おいちー!こうちゃん、かれーだいすき!」

こうちゃんも食べてくれている。ちょっとこうちゃんにはミルクを加えてまろやかにした。


 やっぱりみんな大好きカレーだね!


◇◇

 

 食後にテレビを点けると神様からお返事が来ていた。

『Re: お問い合わせにつきまして』

『立花様

 いつもお世話になっております。

 お問い合わせ頂いた件についてご回答申し上げます。

 『強制ログアウト』は所謂『憑依者』と呼ばれる人達を強制的に元の身体に返すスキルです。


 このスキルは私が今回の聖女召喚が行われた際、慌てて該当の聖女に付与いたしました。


 今迄は悪質な乗っ取り行為が行われており、それが日本にいるスキルを持った者の仕業だった為です。


 このスキルがなければ今頃彼女は乗っ取られて別人となっていたことでしょう。


 何せ彼女はスキルを持った者に選ばれた()()()()()()()()ですから。


 なお、このスキルは自分以外にも使用可能なので、憑依者を発見した際はぜひご利用頂くようにご本人にも是非お伝え下さい。


 追伸

 今日は沢山レベルを上げて頂き光栄です。この調子で頑張ってください。


管理者より』


 …え!?何それ!こわっ!乗っ取り?


 というか、日本にもスキルを持った人なんていたんだね。もしや、ユリコ・ゲラーやギーボ・アイコもその類なのだろうか…。


 あと、千里眼を持つというサダオ・ヤマノも。彼はどこかの山奥の井戸の底に家を建てたそうだが、食料調達にたまに近所のスーパーに出没するらしい…。


 私達には『強制ログアウト』のスキルがないけれど、きっと『ひろいん』じゃないから関係ないんだろうな。


 神様にレベル上げを褒められたので鑑定してみたら、私がLv.108、祥志がLv.78、こうちゃんがLv.79まで上がっていた。


 やっぱりレベルが高くなればなる程上がりにくいんだな。レベルが上がった事で、祥志のモチベーションが上がり、頑張って雷の魔導書も読み始めたみたいだ。


 あーあ、魔導書を読むのが面倒臭いよ。


「こうちゃんの時間の魔導書はどうしようかね…」

そう呟くとこうちゃんが魔導書を持ってきた。

「これ?」

「そうそう、これー。」そう答えると黙ってジッと本を見つめたあと、本に触れた。


パアアア。


その瞬間本が光って消えた。え?え?何したの?


「ママのも!」

と言われたので本を渡すと、白の魔導書も光り輝いて消えた。


 その瞬間、本の内容が頭にブワッと入ってきた。

「!!?」

こうちゃんを見ると、にっこり笑ってこう言った。

「こうちゃんの、すきるー!!!」


まさか、『最適化』って、こんなことも出来るの?!

 恐らく、本を「知識」として捉えたのだろうか。


「…こうちゃん!!!凄い!凄いよー!パパにもやってあげてーーー!」

「あーい。」


 5分後、祥志の部屋から『ウオオオオオ!すげー!』という雄叫びが聞こえた。


 こうして面倒だった『勉強しなくちゃ問題』が呆気なく片付いたのだった。


 早速嬉しくて部屋の中を彩音ちゃんの真似をしてスイスイ浮いていたら、カレー皿を浸けていた洗剤入りのお湯が震え出した。


「エーコ殿!夜分すまない!聞こえるか?!」

焦った顔のケネスさんだった。


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