【6】3人で晩酌。時々ポテトサラダ
こうちゃんが寝たので3人で晩酌タイムだ。
まあ私はまだ授乳してるから、ノンアルコールビールだけどね。そろそろ断乳しなくては。
おつまみは、昨日作り置きしておいたポテトサラダと、クリームチーズとアボカドのディップとクラッカー、チーズとたこわさである。
ちなみにポテトサラダはビールによく合うように輪切りにしたウインナーと粗挽き胡椒とタマネギと粒マスタードが入っている。
ケネスさんはポテトサラダをめちゃくちゃ気に入って、大きなタッパーの半分以上を既に1人で食べてしまった。
「いやぁ、しかし、立花夫人。本当に何を食べても美味かった。良かったら我が公爵邸でシェフにならないか?」
立花夫人って初めて言われたよ。なんか、トイプードルと日傘を抱えて真っ白なフリルを着たミセスが頭の中に浮かんだ。私、ウニクロ愛用者なんだけどね。
「そんなぁ。褒めすぎですよ、ケネス様。是非お受けしたいのですが、何分子供が小さいもので。」
「ではせめて週末に一回だけでも!1日白金貨1枚でどうだ?さらにレシピを教えて貰えるなら他にも手当を出そう!」
うーん、それって日本円でどれくらいなんだろ?
「すみません、ケネス様。僕達最近この国に来たばっかりで。貨幣の価値がまだよくわからなくて。1ヶ月で平民が家族3人で暮らしていくとしたら、大体白金貨何枚くらい必要ですかね。」
おお、祥志!いいこと言うじゃないの。
「そうだな。白金貨3枚もあればそこそこ裕福に暮らせるんじゃないか?」
てことは白金貨1枚で10万くらいってことでは。
「え、そんなに頂いていいんですか?」
いっぱいお金は欲しいけど、多すぎると逆に心配なチキンな私です。
「ああ、もちろんだ。レシピというのはその家の秘伝のものだったり門外不出のものも多かったりするからな。むしろ妥当な金額だ。」
なんと、そうなんだ。日本ならレシピサイトとか沢山あるのにな。
「それなら俺がこうちゃん見ててあげるしやったら?」
「え?いいの?!うーん、、それなら…是非!」
やっと産後の私にも仕事が!月4回行ったら40万。。じゅるり。
あぁ、これだけあればマキータの電動ヤスリも買えるしルンバンも買えるし、沖縄も行けるしこうちゃんの絵本も買い放題…。祥志にもブロックちょっといいの買ってあげられるしジィジとバァバを温泉にも連れてってあげられる。。あ、高圧洗浄機も欲しい!
欲望は膨らむばかりなり。
◇◇◇
ケネスさんはここから近い村に馬車を待機させているけれど、公爵邸までは一日はかかるとのことだった。こんなに夜遅くに森に追い出すのもどうかと思い、泊まってもらうことにした。
ケネスさん、ビールを10缶も飲んで、作り置きしていたつまみを全部食べきってしまった。
まあこれから週一で白金貨一枚(約10万円)くれるっていうし大目に見ましょう。。
なんでも3日前から熊を追いかけ回してたらしいし、お腹も空いてたみたいだしね。
あれから、飲みながら色んな話を聞けた。
玄関前の銀色の熊は、本当は領主自らが魔法(カッコイイ!)で討伐対象しないといけないほど強い害獣らしい。
ちなみに魔法の属性は、火、水、土、風が基本属性で、稀に特殊な条件を満たすとそれ以外の属性が出ることがあるらしい。ケネスさんの得意な魔法は水魔法を発展させた氷らしい。属性って魔法のことだったのね。
熊の討伐料と素材を売ったお金は、週一シェフで公爵邸を訪ねた際に貰えるらしい。ワクワク。
また、ケネスさんには奥さんがいて、なんと娘が16歳らしい。今34歳だから、18歳でもうパパか。なんでも7歳で既に奥さんと婚約していたらしい。
日本だと小学校一年生よね?まだ、クラスに授業中に座ってられないで騒いでる子とかいる年齢なのに。異世界ってすごい。
あと、ここから一番近くの小さな村までは半刻らしい。(日本と時間や日付の単位は変わらないみたいだったので1キロくらいかな?)
ちなみに、森を探索したいが害獣が怖い、という話をすると、シルバーベアを倒したのに?と訝しげにしながらも、明日の朝、ケネスさんの魔力を込めた球?みたいなアイテムをくれると言ってくれた。
あと、この家。
熊は弾いたけどケネスさんが家に入れたということは多分害のある人間や害獣にだけセキュリティが作動するってことだよね?マジでチートだわ。
とりあえず深く考えてもしょうがないから寝よう。