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【42】初めて焼肉と、謎の魔道具。


「二人とも、おはようー!」

 レオナさんが笑顔で走ってくる。


祥志を送り出して、こうちゃんと無事10時までにレオナさんの宿泊してるホテルに着くことが出来た。


「おはようございます!よく眠れましたか?」


よく見ると、元気そうなのに隈が出来ている。なんだかんだで異世界に来て気が張ってたのかな…。


「…え?!あ、いえ。眠れたわ!全然元気よー!!」

ん?何でちょっと今焦ったんだろう。まあ元気なら良かった。


「それなら良かったです。今日はまず、『東京ハンズ』に行って印鑑を買いましょう。それから、銀行に行って口座を開設して、お昼ご飯を食べに行きます。その後携帯ショップに行ってスマホを買って、余裕があれば家探し、ですかね。」


すると、レオナさんが少し申し訳なさそうな顔でこう言ってくれた。


「エーコさん何から何まで本当にありがとう。私と一緒に食べた物はケネスから貰ったお金から出してね。」


うおおおおお、マジですか。ちょっとテンションが上がってしまう。ご馳走になります!


◇◇


 無事印鑑も手に入ったし、銀行の口座開設も出来た。


 昨日は気づかなかったけれど、マイナンバー証を見たら


月谷つきたにレオナ』


と漢字で記されていた。…なんだかハーフのモデルみたいな名前になっているな。


 そして、隣に色んな意味でいつ撮ったのかわからない顔写真が載っていた。


 なので、印鑑は『月谷』というものを買った。


 手元に昨日こうちゃんが『最適化』してくれたお金があったので、あとの290万は全部口座に入れてしまった。


 宿代だけはこちらで立て替えたのでスマホを作り次第web送金してもらうことになった。


「レオナさん、そろそろお昼ご飯にしようと思うのですが、何か食べたい物あります?」


時計を見たらもう12時近くだった。


「そうねぇ。美味しいお肉が食べたいわ。」


よーし…それなら。

「わかりました。いいお店を知っているので行きましょう!」


◇◇

 

 やって来ました、『焼肉ぱらだいす』!


 ランチはオーダーバイキングで食べ放題、ドリンクバー付きで1人3580円。幼児は無料!


ここは牛を一頭買いしているので焼肉も美味しいし、一品料理やスイーツも充実している。


「お待たせしましたー。」


ジューーーー!!!!!


 焼肉の焼ける音と芳しい香りが食欲をそそる。


「「「頂きまーす。」」」


まずは、脂のたっぷり乗ったカルビとサガリから。うーん、美味しい!!口の中で蕩けるー。次はネギ塩牛タンを食べよう。

 レオナさんを見ると、無中でお肉を口の中に次から次へと放り込んでいる!!早い!! ちゃっかり自分で追加オーダーもしている。


「そこの貴方!牛タンとカルビとテールスープを追加で頂きたいわ!あと、赤ワインも下さいな。エーコさん、貴女も飲まない?」

「頂きます!」

「じゃあボトルで。お願いね。」


なんと別料金のワインをしれっとボトルでオーダーした。太っ腹お嬢様!でもわかる!わかるよ!牛肉にはやっぱり赤ワインだよね。


 レオナさんは焼肉をそのあと3回追加オーダーし、さらにデザートを頼みまくった。中でもクリームチーズの蜂蜜がけを気に入ったようで4個も食べていた。


 こうちゃんも、何枚かラーメンの他にやわらかいお肉を美味しそうに食べていた。


 あー、幸せ!!ご馳走様です!


◇◇

 

 その後、2時間近くかかったけれど、無事スマホも手に入れることが出来た。


 家に関しては、うちと同じ町内の築5年の家具付き高級マンションに空きが出ていた。


 エントランスにコンシェルジュもいて日当たりもよく、セキュリティも万全だったので即決してしまった。


 一月の家賃は1LDKで18万である。郊外でこの値段はなかなかだが、家具付きなので家電のお金はかなり浮きそうだ。


 クレジットカードも引っ越し先に届くように申し込みしたので、明日は一日フリーになった。


(やったー。最近忙しかったからのんびりしようっと。魔導書でも読んでみよっかな。)


 明後日はレオナさんが引っ越しだが、私は土曜日なので公爵家のシェフ業だ。


 引越しの立ち会いは祥志にお願いしようっと。


◇◇


 土曜日になった。


 今頃祥志とこうちゃんはレオナさんの引っ越しに立ち会っている頃かな?


 公爵家の厨房でランチを用意するべく朝早くからジョゼフさんとうどんを踏んでいたら、スマホが鳴った。


「はい。もしもし。」

『◯◯ホテルですが、お客様のご予約したお部屋にお忘れ物がありまして。』


え!てことはレオナさんの?


「どうした?タチバナさん。」

ジョゼフさんが声をかけてくれた。


「レオナ様が宿泊していた宿のお部屋に、忘れ物があったみたいで。」


「あ、じゃあ、取りに行ってこいよ。どうせうどん生地を熟成させなきゃならんしな。スープは見といてやる。ついでに具材の下拵えもやっとくわ。」


おお、有難い!私はお礼を言って抜けさせてもらい、ホテルに急いで向かった。


 ロビーの受付に行くと、すぐに忘れ物を渡してくれた。


 キラキラした可愛いロケットペンダントだ。後ろに小さな切替スイッチがある。


 ロケットを開けてみても写真は入っていない代わりに、中に丸い水晶のようなものが付いている。


 あれ?もしかして、これ、魔道具…?



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