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【27】皆さん遊びに来ました。〜お菓子パーティー会議


「ほら、彩音ちゃん、ここだよー。」


私は公爵邸の庭にある家に彩音ちゃんと公爵家の皆さんを案内する。


「ほ、本当に立花さんちだ!凄い、庭もそのまま…。」

彩音ちゃんが放心している。


「私達も準備などでバタバタしてまだ見れていなかったのですが…。なんだか不思議な家ですわね。」

ニーナちゃんが興味深そうに外壁を見ている。


「ケネスさんにも前話したんですけど、樹脂サイディングと言って雪や雨に強い材質なんですよー。そういえばカーネル王国では見た事ないですもんね。」

と、外壁について私は軽く説明した。


私はスマホで家のロックを解除する。


「そ、それは何ですか?」

あ、なんだか研究好きのシリウス君がウズウズしている…。


「あー、これはスマートフォンと言ってですね、まあこの世界でいう魔道具みたいな感じですね。」


ガチャリ。


「祥志ー!こうちゃーん!ただいまー!」


玄関ドアを開けると『ままー!』と叫びながら、タタタ…とこうちゃんが走ってきて抱きついてくる、


「おー遅かったじゃん。って、え?!公爵家の皆さんもいらっしゃったんですか?」


「すまん、色々あってな。お邪魔する。」

ケネスさんがそう言って靴を脱いで上がってくれたので皆さんそれに続いて靴を脱いでくれた。


「立花さん、お久しぶりです。」

一番後ろにいた彩音ちゃんが祥志に挨拶する。


「…え、ええええええええ!?!宮野さんのとこの、彩音ちゃん?!!!」


まあ、そりゃ驚くよね。


◇◇


「なんと、そうですかー。しかし、驚いたな。聖女様って彩音ちゃんだったんすか。」

祥志がむしゃむしゃポテチを食べながら相槌を売っている。


 今、我が家のダイニングには公爵家、立花家、彩音ちゃんの計8人が揃っている。


 ダイニングテーブルには座りきれないので物置からちゃぶ台を出してきた。


 公爵家の皆さんは興味深そうにキョロキョロしている。


 丁度3時だったのでおやつの時間にした。ちなみにこうちゃんはお昼寝している。


市販のスナック菓子と手作りの生チョコと、この前作っておいたレモネードと普通のコーラとゼロコーラを出してみた。


「…すごい!日本のお菓子、久しぶり…!」

そう言って嬉しそうに彩音ちゃんはゼロコーラと酢昆布を食べている。


 ケネスさんとシリウス君は、生チョコが気に入ったようだ。

「なんだ!このとろけるような食感と、苦味と甘さが調和した極上の逸品は…!?」

とケネスさんがまたグルメリポーターのようになってしまった。シリウス君は嬉しそうに黙々と食べている。


 ニーナちゃんとダイアナさんはポップコーンに夢中だ。

「なんですの?!これは!止まらないですわああ!」と言いながらずっと食べている。異世界には爆裂種のコーンはないらしい。

 


 …これではただのお菓子パーティーになってしまう!



「すみません、皆さん。お菓子を食べていていいので、これからどうするか意見を出し合ってもいいですか?」


慌てて言うと、ケネスさんが正気にもどる。


「む。そうだな。えー、聖女殿はすぐに元の世界の家に戻して差し上げたいのだが…。魔王がいる中、しかもうちで聖女様を預かったまま元の世界に返すと、めちゃくちゃ揉めそうだな、王族と。」


「むー、そうですよね。でもちょっとでもいいので無事を知らせるためにご家族と彩音ちゃんを会わせたいんですよね。」


実際、あのままじゃ一樹君もご両親も体調どんどん崩しちゃうよ…。


「それなら、少し公爵家で体調を崩した事にして、学園を休めばいいのでは?3日ぐらいだったら全然問題ないと思いますけど。」


シリウス君が提案してくれる。


すると、祥志が言った。

「確かにそれがいいかもしれないっすね。でも、彩音ちゃんを家族に会わせた時にまさか行方不明だった3ヶ月間、異世界にいましたなんて言っても誰も信じなさそうだし、下手したら俺らが疑われちゃうじゃ…。」

 

うわ、確かにそうだ!誘拐犯になっちゃうのは非常にまずい。


 すると、ニーナちゃんがこう言ってくれた。


「…それなら公爵家にアヤネのご家族を連れてくるのはいかがですか?目の前で魔法の一つや二つ、披露してあげますわよ。そしたらさすがに信じるしかないですわよね。そちらの世界に魔法はないんですわよね。」


なるほど!それはいい考えかも。


「問題はその後だわ。アヤネ様、あなたはご家族とお会いしたあと、どうされたいの?」


ダイアナさんが彩音ちゃんに尋ねる。


「…本当はすぐにでも元の世界での生活に戻りたいけれど。でもこっちの世界で魔王の被害が拡大してて、私しか倒せないんですよね?


 さすがにその状態で放置して帰っちゃうのは人としてどうかと思うんですよね。だから、無事を知らせられたら一旦こっちに戻ってくるのも吝かではないです。」


あ、そうだった。大事な事伝えるの忘れてた。


「彩音ちゃん、それなんだけどね。魔王を倒しちゃったら、その時に放出された魔力でこっちの世界に深刻な環境問題を引き起こしちゃうらしい。だから、排除じゃなくて共存して欲しいらしい。」


そう言って、神様からのメールを印刷したもの(ケネスさんに見せたやつ)を彩音ちゃんに渡した。


 すると、彩音ちゃんが少し考えてから言った。

「これ、思ったんですけど、共存して欲しいって言われても…。じゃあ私達は具体的に何をすればいいんですかね。放っておいたら魔王の影響で被害がどんどん大きくなってしまいますし…。」


…確かに!家がなくなるかもって言われたもんだからそっちに気を取られてて、全然考えてなかった。


 慌てて神様にテレビからメールしたら、またシリウス君が『なんですか?!この魔道具は?!』と興奮していた。


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