表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
20/135

【17】チートなスキルと牧場ミルクアイス

 

 こうちゃんを寝かしつけたので、珈琲と昨日の残りの生チョコをつまみながら、スキルと魔法の勉強計画を立てる。


 思ったよりも魔導書に厚みがないのでホッとした。

辞典みたいな分厚い本が来たらどうしようかと思ってたからね。


 『スキルは理解して念じればすぐ使える』とのことだったので説明書から読むことにした。

 

 まずは週末までに私と祥志だけでもスキルを使えるようにして、森を安全に抜けられるようにしよう。


◇◇

 

 まずは、私のスキル、【送信】である。

 

 どうやらこのスキルは、行ったことのある場所にモノ•ヒトを送れるというスキルのようだ。

 

 例えば、買い物したものを家に【送信】したら、手ぶらで帰れるのだ。


 というより、私自身も行ったことのある場所であれば【送信】出来るらしい。


 要はワープが出来る、させられるということだ。ただし行ったことがない所にはいけないという制約がある。


 続いて、【受信】についてである。

 これは、会って言葉を交わしたことのある相手が何をしているかを念じると見れる、というスキルだ。


 ただ、タイミング良く見たい瞬間が見れるかはわからない。


 まあでも、万が一こうちゃんが誘拐されたりしたら、こうちゃんがどうしてるか確認出来るから場所の検討はつきやすいかも。あと、相手が何を考えているか探ったりね。


 最後に【転送】は自分が攻撃されたら、そのままその攻撃をどこかに送れるというスキルのようだ。相手にそのまま返すことも出来るし、テキトーにどこかに受け流すことも可能ということだ。


…え。なんか、スキルだけで私最強じゃない?


 こうちゃんの様子を見に行ったらグッスリ寝ていた。


(試しに一回使ってみようかな。)


 玄関で靴を履いて、この前旅行で行った、新千歳空港のトイレの奥の人気のない道を思い浮かべて念じてみる。


ブウウウウン!


(!!!!)


 顔を上げると。


 飛行機の出発時間の変更を告げるアナウンスが響き、向こう側の大きな通路には大きなトランクを引いた旅行者。沢山の国の言葉が行き交っている。

 

 とりあえず、誰にも見られてはいないらしく、ホッとする。


 急いで窓の方を確認して景色を見たら、沢山の飛行機が見えた。


(やばいやばいやばい!!!本当に一瞬で北海道に来た!)


 とりあえずスマホのケースにクレジットカードを入れていたので、売店に行く。

 

 前回飛行機の時間の関係で泣く泣く買いそびれた小樽の有名店の北海道の牧場ミルクアイスと濃厚チーズケーキをダッシュで買いに行った。


 チーズケーキを包装してもらっている間に、ミルクアイスを夢中で頬張る。


 あー!幸せ…。幸せの味がする!!!濃厚なのに、なぜかさっぱりしていて、いくらでも食べられそうだ。

 

 これで、北海道物産展に行かなくてもいつでもチーズケーキもじゃがぽっくりもあの店の海鮮弁当も買える!…あ、千歳空港限定のコーンパンも食べたい。


 まさか、神様もこんなアホな使い方をされるとは思ってもみないだろうが、私には大事な事だ。


 そして、こうちゃんが心配なので、アイスを食べたらすぐに帰った。滞在時間は10分程度かな。


家に着いたら、こうちゃんがまだ寝ていてくれたのでホッとした。


 ついでに、【受信】を使って、祥志が何をしているか見てみた。


 目の前にタブレット大の画面が映し出されて、働いている祥志が見える。


 (おー、おー、頑張ってますなぁ。)

 

 お?あれが、最近祥志に仕事を押し付けてくるという噂のおばさんか。何でも、都合の悪い時にだけ体調不良になるらしい。


「悪いけど、これやっといて!」


とおばさんが言うと、祥志が困った顔で、


「すみません。この案件は僕関わったことがないので、引き継ぎ資料がないと厳しいんですけど。」

と言った。


すると、おばさんは悪びれもせずこう言い放ったのだ。

「はぁー。面倒臭いなぁ。じゃあもういいよ!使えないっ。」


(ええええええ!何このおばさん!それが人にものを頼む態度なの?!)

 

周りを見渡すと、何人かの同僚が気の毒そうな目を向けていた。


(…なんだか実際聞くのと見るのとじゃ全然違うな。今日は祥志に優しくしてあげよっと。)



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
おはようございます。 あ~…昔の職場に似たり寄ったりのBBA居たなぁ、自分も被害を被った。過去を思い出して久しぶりに殺意が噴き出しそうになりました(笑)
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ