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1.2 この世界は

この世界は第二次世界対戦を終えて疲弊しきった国々を導くためにアグ二カ合衆国、ルーシャ連邦、グランナド連合王国、エクレール共和国の戦勝国4つとメイロン、レガリアを合わせて6つの大国が常任理事国として世界を先導していく事となる。

そんな状況を面白く思わない勢力も当然存在する、その中の1つの勢力の名はリベオール、中東に位置する国の中に国際テロ組織として名を轟かせる一派である。


主に麻薬と兵器密造を資金源としその勢力を大きく成長させていった。大国に向けて薬物を売りさばき、紛争の絶えない国には兵器を密輸し、組織の形を変幻自在に変えながら世界を相手に生き残り続けてきた。


そんな今、リベオールと大国アグニカを相手どる無謀な馬鹿者共の集団が現れた。


この物語は世界の大国と国際犯罪組織の2つに復讐を誓った、理想と信念の為に戦った馬鹿者達のデブリーフィングである。


_____________________

「今日の目標は…。『スラッガー・ラナー』…ねぇ?」

ペラリと紙に目を通し、盗撮されたであろう写真を確認する。


紛争地に治安など存在せずただ無法者(アウトロー)達がのさばるのみ、戦闘の出来ない女、子供や病気を患っている者の地位は低く、残酷な世界が広がっている。殴る蹴るなどは当たり前で慰みものとされる女性や気分次第で撃ち殺される病人、切り落とした腕を本人の目の前で野犬に食わせるなど、反吐の出るような光景がここには広がっている。

今回の目標もその1人だ、気分で数人の民間人を呼び出し、壁を目の前に立たせると、賽を振って出た目の数だけ後ろから頭を…。それで


「付いた通り名が『スラッガー・ラナー』ってね…」


つい口から出てしまう、隠しきれないイライラが反射的に音となり、その憤りが周囲に伝播する。


「どうしたんだよD、ここじゃあ、いつもの事だろ?あんま考えるなって、いつだって救える数には限りがあるだろ?」

目の前に銃の手入れをしていたガタイのいいベージュの迷彩服を着た男が振り返って即座にフォローをしてくれる。


このボロボロなモーテル(セーフハウス)に居るのは俺ことDとこの恵まれた体躯をしている、トピだけ。そして先に所定の位置で待機しているはずのテレス、この2人が俺のチームメンバーだ。


「さあ、準備を始めよう」

トピと俺は作戦の時刻が迫っていることを確認し機材のチェックを始めた。


ここアフガスタンという国を土台としてリベオールは成長してきた、現在は外部に拠点を複数に持っていたとしても、自分達の古巣には重要な情報が眠っているだろうとボスは踏んでいる。今回の目標は個人の依頼だが、スラッガー・ラナーの捕縛とボスの探して居る人物の情報収集、他国から来た金で動く傭兵(PMC)として活動する一方で、現在進行形で手がかりを探している最中だ。


リベオールと言う組織も今や強大な存在感と影響力を持つ、当たり前だがそんな大きな組織の上層に居る奴らはそうそうお目にかかれる事などない。事実としてラナー以外にもここ2ヶ月程だが数人排除、捕縛してきた。だがそれは全員が分隊長や小隊長クラス止まりであり、枝の先の先、末端のみでリベオールにとってはすぐに代わりのきくような奴らのみだった。

今回のラナーは何か重要な情報を持っていてくれ…!!と言った感じだ。


Dが腕時計を見ると13:30だった、ボロボロな窓の外を除くとサンサンと辺りが太陽で照り返し目が痛い程だ。作戦開始時刻は14:00、もうすぐだ。

作戦開始の時刻まで隠れ家の痕跡を消し始める。




「よし、いつでもここを捨てられるぞ」


「はいよ、こっちもちょうど終わった」


時間が近づくにつれ辺りが騒がしくなる。


Dとトピが痕跡の処分を済ませ、アーマーを身に着け、弾倉に弾を詰め始める。


待ちに待った作戦の時刻が迫るとそろそろだなとトピがDに手招きをする、リビングのような広間の中央に2人は銃を構え背中を合わせ密着するように待機する。


「そっちは大丈夫か?」


通信機に話しかけるとツーツーツーと電子音が鳴る。


「よし、大丈夫そうだ、じゃあ時間だな、行くぞD!」

「おu…」


ボンッ!


Dの受け答えが終わる前に床が爆発し、くり抜かれる様に床が抜けた。

けたたましく響く爆音がモーテル全域に広がる。ここは2階、当然床が抜ける、1階までの片道エレベーターだ、床が1階まで落ちるその刹那、トピとDの目には下の階でちょうど会合をしていたラナー達を捉えた。落下すると同時に射撃音がモーテルを包む。


くり抜かれるように爆破された床が1階の地面に到達する頃には、1階の部屋で動ける者は居なくなっていた、約1名を除いて。


「Yeeeeaaaah!素晴らしい!完璧だな!」

「合わせろバカ!まだ喋ってる途中だったろ!」


やや興奮気味のトピに半ギレのDが頭を引っぱたくとごめんごめんとかるく謝った。


腕や足、銃などがはみ出した、赤く染まった瓦礫の山からどしりと降りる、先程とは打って変わって表情に真剣さが増した雰囲気を感じる。

ハンドガンを取り出しスライドを引きながら倒れ込んだ男の元へと進む。


「さて、ラナーだな?」


トピがラナーの首根っこを拾い上げる、無気力にだらりと垂れた足は爆発の衝撃とトピの放った弾丸が命中したことを意味していた。


「うぅ…誰だお前ら…」

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