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90・王子少女は逃げ出さない!

よし、じゃあ逆転の一手を考えなきゃ…!

起こってる事を整理して、方法を考えて…できる人にお願いする!

やる事はいつもどおり!


王の間に皆が集まって、話し合いをしているようなので、私も合流する


『みんな!待たせてすまない!』

「王子!」

「よし!無事だったなコノヤロー!」

その間には、領主たち全員、アワユキさん、アジサイちゃん

ヒルヅキさん、アカツキさん、執事さんにカグヤちゃんがいた


「ホシヅキは偵察に行っています!」

『了解した!』

アカツキさんが報告してくれる

今は流石に、彼女のサボり癖も発揮されていない


『ミソラくんは?』

「眠っているのです

 王子が起きるまで、ずっと寝ずに見守っていたのですよ」

『そうか…』

彼女が一晩中泣いていたであろう事を考えると、胸が痛くなる


「決めたのですね」

『ああ、ボクの心が逃げるなと言っている』

みんなを守るために、全力でやる!


『彼女は心配性だからな…

 起きてくるまでに、打開策の一つでも考えなきゃね』

「そうですよ、心配させるのはよくないのですよ」

アジサイちゃんが微妙な表情で笑いかける

…彼女もきっと、心配してくれていたのだろう


『状況を頼む!』

領主たちの方を向き、今、置かれてる戦況を聞く


「白フードの波状攻撃、第三波をしのいだ!」

「だが、一般兵たちの体力、精神の消耗が激しいですな」

元気よく答える『星』の領主、消耗を心配する『花』の領主


「犠牲者はまだ低く抑えられておりますけれど…

 このまま数日、同じことを繰り返されたら持ちませんわ」

戦況を見極めるのは新しい『雪』の領主、アワユキさん


「彼らの領地にそれぞれ、兵士の応援を要請しておりますが

 到着までに時間がかかっております」

連絡係をやっている『風』の領主さん


「また、やつらがどこから来るのか、まだわかっておりません

 …潜伏し、少数を精鋭に変え、ゲリラ戦法を繰り返す

 もっとも厄介なやり口です

 場所さえわかれば、こちらからフレーダを倒しに行くこともできるのですが…」

執事さんが相手の戦法を分析し、戦のポイントを解説してくれる

つまり、スキルを使ってくる相手を見つけ、なんとかしなければ…勝機は無い


『潜伏先に心当たりは無いかい?』

「正直、候補が多すぎますわ」

『片っ端でいい、人の流れを追えれば…』

「賭けになりますが、すぐ見つけられれば逆転の策も考えうるかも…」

アワユキさんの言う場所を片端から探っていく

それまで耐えるのが一番マシな作戦だろうか

いや、もうちょっと場所を絞り込める何かがあれば…


考えを巡らせている中、王の間に彼女がやってくる


「ちょっと待ちいや!」

『ホシヅキくん!支えているのは…コガラシくんかい?!』

刑務所にいたはずのコガラシくんが、ホシヅキさんに支えられ私たちの目の前に

傷だらけなのは、何かあったのだろうか


「すまない…どうしても王子に伝えたいことがあるんだ

 この場に来たことを許してくれ」

『キミが後悔し、日々を真面目に勤めていることは、皆が知っている

 誰が咎めるだろうか』

「…ありがとう、王子」

『風』の領主も静かに頭を下げ、感謝を表している


『それで…言いたい事、とは?』

「今のフレーダのスキルが、なぜ強力になってるのか…その仕組みだ」

「な、なんだって?!」

『星』の領主が大声を上げる

それがわかるのならば、彼を攻略するための大きなヒントになる!


「…順に説明していく

 まず、王子たちが演説を始めた直後、中央刑務所が襲撃を受けた

 襲ったのは、フレーダの強化を受けた者たち…白フードだ」

そうか…だからあの時、ウインドフォールが演説に割り込めたんだ


「俺とウインドフォールは、刑務所から救い出された

 …フレーダにとっては、俺はまだ悪友で

 助けなきゃいけない存在だったようだ」

刑務所の彼は模範生だった、なんてことは流石に『雪』まで届いてなかったか


「ウインドフォールは、そのまま城を襲撃する一派に加わり

 俺はフレーダの元に送られる…そんな手はずだったようだ」

「…ウインドフォールは、コガラシ殿を連れていく事、反対しなかったのですかな?」

「あの時は、全員がフレーダに強化された兵だった

 怪しい動きをしても何もできないと思ったんだろう」

コガラシくんを数人が、フレーダのいる本拠へ送る手はずだったとして…

最初に城を襲った人数、二十五人は最大じゃなく、もっといたってこと…?!


「(…フレーダの強化……こんなに多人数に付与できたのか…?!)

 (このままだとまずい…王子と領主たちが、全員やられてしまう…!)」

「たしかに、王子は一度、瀕死の重傷を負いました」

『アジサイくんがいなければ、危なかったよ…』

コガラシくんは小さく頷き、話を続ける


「俺はそう思い、やつらに探りを入れることにしたんだ

 仲間だと、まだ思われているうちに…」

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