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79・王子少女は戦いたくない!

「よっ!『星』の領主、二日ばかり早く参上したぜ!」

手を上げて笑顔で話す美青年…ではなく、『星』の領主

結局、領主はアワユキさんと共に、夕方ごろに城に到着した

入口で出迎えるのは、私とミソラさん、そしてホシヅキさん


「ふ、ふぅ…何ですのこの人、疲れましたわ」

「つきあってくれてたのね…助かるわ」

アワユキさんはかなりぐったりしている

詳しい事情はわからないけれど、わからないなりに

彼女は私たちに気を配ってくれたようだ


「ふーっ!」

ホシヅキさんが猫のように威嚇している

…まあ、聞いた限りだと警戒するのも仕方ない


「まったく…こっちにも準備ってものがあってね」

「大丈夫!適当な出迎えでも俺は気にしない!」

…心が広いと言うべきか、周りを気にしないと言うべきか


「よお!お前メイドのフリして、あんな特技持ってやがったんだな!

 俺といっちょバトルしようぜ!」

「いーやーやー!」


…『星』の領主

手に持った薄刃の長剣は、『星』で採れる希少な鉱石をふんだんに使った、業物中の業物

その刃を存分に振り回して戦いたい、バトルマニアな危険人物

生活態度はガサツの一言

王子に何かとつきまとい『自分が真の王になる、それが嫌ならバトルしようぜ!』と呼びかける


(ぜったい、挑発に乗ったらダメよ!

 王子ならあしらえる相手なんだけれども!)

(わ、私じゃ即死しますよね…)


ミソラさんに『グループチャット』で念押しされる

一対一の決闘なんて、どう考えても誤魔化せる代物じゃない

無詠唱魔法(落とし穴)も使えないし…!


「戦いがお好きなんですの…?

 にしては、この長髪、邪魔じゃありませんこと?」

「いや、オヤジが女らしくしろ!ってうっさいからな、髪伸ばしてんだよ」

「??!」

アワユキさんが驚愕の表情を浮かべる

そう、この領主さん、実は性別は女性らしいのだ……


「髪伸ばしただけで、女性らしくはならないわよ」

「そ、そうなのか?!髪は女の命って聞いたんだが?!」

こんな少年のような性格してるのに

の、脳がおかしくなりそう…!

いやまあ、私も王子の影武者で女の子なんですけどね…!


「それはともかく…ちょっと王子と話したい大事な事があんだよ

 悪いけど、席外してくれないか?」

アワユキさんに視線を向ける『星』の領主さん


「わかりましたわ…ではみなさま、後ほど」

『ああ、終わったら皆で夕食にしよう』

一旦、彼女は城に与えられた宿泊場所に向かう

そして、私たちはいつもの王子の部屋に行って、『大事な話』を聞くことにした




もうすっかり慣れた、広々とした王子のお部屋

それぞれが向かい合いながら、ソファーに座る


「話って何だい?」

私は領主さんに問いかける

人払いをして話す事とはいったい……



「王子、お前……実は『偽物』なんだろう?」



「…ッ?!」

い、いきなり…?!


(くっ…やっぱりやっかいだわ、彼女…!)

(野生のカンが鋭いんや…苦手なタイプやで)

ミソラさん、ホシヅキさんは、平静を装いながら

『グループチャット』では動揺を見せる


(どうするんや…?『星』にも事情を説明する?)

(でも彼女、ついぽろっと秘密を漏らしそうな怖さがあるのよね…)

 

『何でそう思ったんだい?』


(…野生のカンってだけなら、しらばっくれてみせます…!)

(だ、大丈夫なん?もし下手な事して怒らせたら…)

(もし追い詰められたら、土下座して謝ります!)

(セッカちゃん…!カッコいいのかそうじゃないのかわからないわ!)


全裸土下座も経験済みだし…!

もう下がるプライドなんて無いですからね!


「わかるだろう?お前お得意の、隕石魔法についてだ

 あれは本物じゃあない」

(…フェイクの隕石を見抜いてる…?!)

(そこまで知ってたんですか…!)

すごいプレッシャーを感じながら、どう対応するべきかと、頭の中をフル回転させる


一手間違えれば、この実力者が敵に回ってしまう…!

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