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62/108

62・王女少女は浸りたい!

身体も洗い終わり、乳白色の…『エンジェル温泉』に入ってみる

温かい湯は心地よくて、身体中に染み渡るようだった

奥には湯船に湯を注いでいる、石造りの小さな滝がある

ちろちろちろ…という小さな音が、心地よく耳に入ってくる


「ふーっ…温まりますねぇ」

「そうねぇ、肩に染みるわぁ」

ミソラさんも同感のようだ


「ほえー…」

カグヤちゃんは、湯につかりながら空を見上げて、なんともいえないつぶやきを漏らす

空には綺麗な星空が広がっている

空気が冷たい方が星空が綺麗に見える…なんて聞きかじったことを思い出す

暗い空に星たちがきらめくのを見ていると、自分が透き通っていくような感覚がする


「……」

「どうしたんです?」

私の隣でミソラさんが、急にもじもじしだした


「さっきはああ言ったけど…本当は、あたしもセッカちゃんにベタベタしたい!」

「えーっ?!」

突然の告白

…ミソラさんは頑張って理性と戦っていたようだ


「でも、さっきああ言ってしまったから、それもねー…!」

自分もはしゃぎたいけど、子供を怒ってしまった手前

はしゃげなくなった親のようなこと言ってる


「い、いいですよ、ちょっとくらい…」

ミソラさんに近い左腕を差し出す


「じゃ、じゃあ、お言葉に甘えて…」

彼女はおずおずと、私の腕にしがみついてきた

柔らかい肌の感触が広がる

気のせいか、ミソラさんの顔がいつもより赤い気がする


「えへへっ」

にっこり微笑むミソラさん

…かわいい

いつもの黒水着を着てないせいか、ミソラさんが普段よりかわいく見える

素の彼女を見ている感じがして、私的にはいいと思う


「わたしもー、はさみうちのかたちをとる!」

カグヤちゃんが私の右腕に抱きついた

子供は元気だなー


「むー…」

…ちょっと離れたところで、湯に漬かっているメイドさん三人

私にひっついてるミソラさんたちを、ふくれっつらで見ている

そっちだけずるいですよー!と、ぷんすかしてる感じに思える

こんなことで仲が悪くなるのは避けたいところだけど…

………

……


「わ、わかりましたよもーっ

 …さっきみたいに襲わなければいいですよ!」

「わー、さすがセッカさん、話がわかります!」

しょうがないので、さっきの事は水に流してしまおう


「こら、あたしごと抱きつくなっ」

「でも、五人ともなるとこうするしか…」

「誰か遠慮しなさいよ?!」

ヒルヅキさんが、ミソラさんごと私に抱きつこうとして、渋滞を起こしている

肌の圧迫感がすごいことになっている


「ほなうちも~♪」

右腕の方では、ホシヅキさんが私に抱きつこうとしていた

カグヤちゃんは、そんなホシヅキさんの裏に回り


「え?カグヤちゃん、なんでうちの後ろに?!」

ヒルヅキさんと同じように、ホシヅキさんごと私を抱きしめようとする


「ふへへ~…あれ?」

しかし、腕の長さが足りなくて、ホシヅキさんの胸をわしづかみにしてしまう


「?!???

 す、すごい…おっきい……」

「ど、どこ触ってるんや~?!」

驚きすぎて、宇宙の真理でも見たかのような顔になってるカグヤちゃん

子供の容赦ない揉み方に、真っ赤になってるホシヅキさん

これはまた、交通事故が発生してるなぁ…


「じゃあ、ワタシは足の裏でも…」

渋滞に巻き込まれるのは嫌だったのか、アカツキさんは私の足を手に持って…


「や、そ、それは一番ダメですよ?!くすぐったいじゃないですか?!」

「あ、足の裏弱いんだー」

アカツキさんは、大変いやらしい顔で私を見つめる


「へー……」

…その顔やめてくれないかな?!

嫌な弱点を知られてしまった気がする

とはいえ、さっき怒られてしまった手前、くすぐりは避けてくれた



…いや、というか何で私、みんなに狙われてるのかな?!

田舎娘はいじりやすいとか、そういうのあるのかなー…

今さらな疑問だけれど、それに答えてくれる人はおらず


「はふぅ…」

湯船のせいなのか、大勢に裸で抱きつかれたせいなのか

茹でられたタコのように、顔を赤くする私なのだった

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