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60・王子少女は抜け出したい!

「…だ、大丈夫ですよ、自分で洗えますからっ」

背中を流すとは言われたけれど…

不用意に彼女たちを近づけすぎると、どんないじられ方されるかわからない

ここは慎重に…


「まあまあ、落ち着いて

 別にそんなやましい事をするつもりでは…」

「ふしゃーっ」

今さらそう言われても信用が


「そもそも、お偉い方たちは、自分で身体洗わないんですよ?」

「え…そ、そうなんですか?!」

…確かになんか『ひかやみ』でそういうシーンあった気がする

偉い人が、お手伝いさんに身体を洗われながら、部下と会話するとか


「セッカさんも疑われないように、お偉いさんの暮らしに慣れないと」

「そ、それは確かにそうですね」

今までは一人でこっそり入ってたから、問題にならなかったけど

そうもいかなくなったら…その時の作法も知っておかないと


「じゃあ…お願いします」

「はーい♪」

…ヒルヅキさんの笑顔が、かえって不安になる…

大丈夫かな…


彼女は、タオルに石鹸をこすりつけ、そのタオルを私の身体にこすりつけていく

やわらかく、優しく撫でるように


「う、なんかくすぐったいです…」

自分で洗っている時とは違い、意識していないところを撫でられる

それが、なんだか妙な感覚を引き起こす


「普段、洗われ慣れてないお嬢様とか、お相手するとそういう反応ですね」

「こういうのって、生まれた時からずっと洗われてる、って感じじゃないんですか?」

急にお嬢様になるとか、滅多に無いと思うし…ちょっと疑問


「身分のあまり高くない方は、私たちメイドを雇えるのが週一回とか、あったりします」

「へぇぇ…メイドさんってずっと専属かと思ってましたけど、そうでもないんですね」

「私たち普段は王子専属で、お休みの日とかに頼まれて、お小遣い稼ぎに出たりしますね」

なるほど、そういう休みの使い方もあるのかあ…


「たまに呼ぶ人の方が、高い日給出してくれるんで、専属にはつかず稼いでる方もいるんですよ」

「メイドさんも色々なんですね」

「お呼ばれするときは、姉さんが頼まれる事多いよね」

アカツキさんが、ヒルヅキさんの話に入ってくる


「んっ」

あ…今ちょっと、背中こすられた時にぞくっってした


「まあ、わたしは二人よりも外に慣れてるからね」

ヒルヅキさんは、雰囲気からして手練れメイドな感じがする

一回で一人だけ呼ぶなら、確かに彼女かなー、と思う


「…アカツキとホシヅキは、誰かを洗うのはじめてだっけ?」

「そうだね」

「あ、せ…せやねん」

今までほとんど黙って見ていた妹二人の方に、話が振られる


「ちょっと二人の練習に付き合ってもらえるかな?」

「え?あ、それはいいですけど…」

みんな初めてはある

練習台になることで、普段の良くしてもらってるお返しができるなら、それはいい事だ


タオルを渡してもらったホシヅキちゃんが、私の身体をタオル越しに、そっと触れる


「…ひゃんっ?!」

「あ、ご、ごめんやで、セッカちゃん!」

あまりにそっと触れるので、思わずぞくぞくっとなってしまい、思わず声を上げる

こういうのって、勢いの良さも大切なんだなぁ

ヒルヅキさんと比べると、違いがよくわかる


「だ、大丈夫ですよ」

でも、あまり慣れてない自分が言っても説得力が無いかな…?

とりあえず、もうちょっと様子を…


「はふうっ…」

「ど、どうかな?」

「だいじょうぶ…です」

がまんがまん……

…と思ったけど、本人は気づいてないのか

私の背中に、やわらかい二つの大きなふくらみが…

さすがにこれは言った方がいいよね


「あ、あの…当たってます、けど…」

「ほわっ?!ご、ごめんやで」

「だめよホシヅキ、そういうのはマナー違反よ」

「…うん」

もじもじするホシヅキちゃんに、こっちまで赤くなってしまう

なんとも言えない静寂の中


「じゃ、じゃあ、ワタシもやるね」

「はい、どうぞ」

アカツキさんも、私の身体にタオルで触れる

手つきはちょっとぎこちないが、ホシヅキちゃんよりは大分いい感じだ

くすぐったいけど耐えられなくはない


「んっ…ふぅ……」

…ちょっと変な声が出てしまうのは勘弁いただきたい


「……」

「………」

「……」

なぜか無口になるみなさん

…ど、どうしたのかな?

なんだか急に目が座って来たような…?


「あー、もう我慢でけへん!」

「え?」

「セッカちゃんかわいい!いたずらしたい!」

「ちょ、ちょっとお?!」

ホシヅキちゃんが持ってるタオルを放り出して抱きついてきた


「ワタシも限界!ちょっといじらせて!」

「な、やめ……んみゃんっ?!」

アカツキさんが反対から抱きついて、耳を甘噛みしてくる


「ヒルヅキさん!二人を止めて…」

「セッカさんが悪いんですよ!そんなかわいい反応するから……!」

「わー?!」

ヒルヅキさんは正面から、私に顔を近づけてくる

…結局、いつものように迫られてるー?!

い、いや、全員裸な時点で、いつもより状況は悪い


なんとかして抜け出さないと…私、めちゃくちゃにされちゃう…!

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