59・カグヤちゃんは確認したい!
「な、何するんです妹さん!」
「ふむ…みんなおんなのひとだね!はえてない!」
「どういうこと?!」
あ、これアレだ…!
思い出すのも恥ずかしい、男でないことを証明するために、下を全部脱いで中まで見せた時の
アレが生えてるかどうか確認する、カグヤちゃんの儀式…!
「王子おねえちゃんのおくさんは、わたしのおねえちゃん!わたしはおめかけさん!」
「ちょ、ちょっと待ってください?!」
カグヤちゃんのお母さんに、二人とも嫁に…みたいな冗談言われた気がするけど
それ真に受けてる?!
「しょうがいになりそうな、らいばるのせいべつは、きちんとはあくしないと!」
「男装してた私はともかく、それ以外の人は見て分からないと問題だと思いますよ?!」
ホシヅキさんは、顔が真っ赤で泣きそうになってる
まさかその大きな胸で、性別を確認されるとは思わなかっただろう…
背が低いながらも胸は大きい、あぶなっかしい魅力を備えている
ヒルヅキさんは意外と余裕ありそうで、赤くなりつつもしなを作って床に座り込んでおり
細いながらも出るところは出ている、スタイルのいい身体を最大限アピールしている
アカツキさんは、大口を開けて驚きの顔のまま赤くなっている
彼女はすらっとしていて肉つきはスマート、健康的な色気のある身体つきをしている
「こら!許可も得ずにそういう確認の仕方しちゃダメだけどよくやったわ!」
「本音出てますよ?!」
「妹が変な事してごめんなさいだけどたまには恥ずかしがる立場になってもいいわよね!」
「隠して!本音隠して!」
まあ、私も海水浴の時は仕返ししよう、とか思ってた訳だけども!
「い、いやや~、うちらは常に攻め攻めでいたいんや~」
「でも、王子につれない態度をとられた時、内心悪くない感じに思ってたんじゃない?」
「そっ……それはぁ…」
急にもじもじしだすホシヅキさん
攻めパワーが強いのはヒルヅキさんで、実は妹に行くほど、攻めっ気は少なくなってると思う
さすが軍師、こんなところでも冷静な観察眼を発揮している
「こら!うちの妹を闇の道にそそのかさないでくれます?!」
ヒルヅキさんが床から起き上がり、論破されそうな妹のホシヅキさんを抱きしめる
「いや、別に受けに回ることは闇ではないですよ?!」
「む、ホシヅキちゃんなら堕とせそうかもと思ったのに…」
「ミソラさんも何言ってるのかな?!」
そういや『みーさん』も、作中でなんかちょっとえっちな勧誘してたなぁ…それの真似かな?
「むむむ」
「むむむむー…」
ミソラさんとカグヤちゃんの姉妹と、メイド三姉妹がにらみ合う構図になる
…なんだかだんだん、『花』の姉妹VSメイド三姉妹という感じになってきた
「あ、あの…そろそろ温泉入りません?脱衣所ですしここ…」
私は、なんとかこの場を収めようと画策する
貸し切りとはいえ、あんまり長々いるのもどうかと思うし
「そうですね…入りましょうか」
「仕方ないわね」
とりあえず同意をとれて、ほっと安心
「でも、最終的にセッカちゃんを射止めるのは私たちですよ!」
「ちがうもん!わたしのおねえちゃんだもん!」
「やめて!私を巻き込まないで?!」
「何言ってるの…はじめから中心よ?」
「う、ううう……」
わかってはいたけど、わかりたくなかった
また恥ずかしいアプローチをされてドキドキしちゃうのか…
思わず頭の中に、さっきタオルを剥ぎ取られた三人の裸体が思い浮かぶ
私はあの、えっちぃスタイルのメイドさん三人と、ミソラさんに迫られて
理性が持つのだろうか…
不安を抱えながらも、私たちは脱衣所の扉を開け、露天風呂へ繰り出す
外はすっかり日が暮れ、夜になっていた
星々がきらめき、空を彩っている
寒さが身に染みる中、敷居に囲まれた石畳の小道を奥へ
「わぁ…」
細い道を抜けた後、広い空間に抜け出す
手前に洗い場、奥に温泉、そしてさらに奥には、別の場所へつながる小道がある
手前の洗い場は、シャワーと椅子と桶が備えつけられており
いちいちお湯を組みに行かなくてもいいようだ
奥の温泉は乳白色をしていて、温泉の傍の看板に
『エンジェル温泉 効能:皮膚病、関節痛』と書かれている
小道の傍にも看板が立っており、『ここから先、デビル温泉』と書かれている
「わー!なんかデビルすごそうー!」
「あ、こらカグヤ待ちなさい!先にここで身体を洗ってからよー!」
カグヤちゃんは謎のデビル看板を見るやいなや、飛び出して行ってしまった
慌てて追いかけるミソラさん
「あー…」
…先に身体洗っておこうかな?
私は洗い場の椅子に座り、身体を洗おうとシャワーに手を伸ばす
そこに…
「じゃあ、お背中流しますねー♪」
「き、きたぁ…」
早速メイドさん三人に取り囲まれてしまう私
…湯煙に包まれる彼女たちは、みんな驚くほど綺麗で……
私の理性に、早くも崩壊の足音が聞こえてきていた
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