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27:王子少女は語りたい!

「無事だった?!」

街の兵士たちは片付いたようだ

私の元に、ミソラさんが駆け寄ってくる


…あ、やばい


「待ってください!そこから先、全部落とし穴です!

 私から行きます!」

「どんだけ掘ったの?!」

執事さんとずっと掘り続けた自信作ですよ


「ともかく、上手くいきました」

ぐるっと回りこんで、ミソラさんの元に行く

その傍には、ドラ息子を誘い落した穴が、ぽっかりと開いている


「こんな無茶なんて、する必要なかったのに…」

彼の性格的に、正面から殴りかかって来るか、もしくは逃げ出すかどっちかだと予想した

魔法や飛び道具は使わないだろう

だからミソラさんが思うより、分は悪くない賭けだったと思っている


「みなさんを焚きつけるだけ焚きつけて、自分だけ安全に…

 ってのが許せなかったんです」

「…損な性格ね」

本物の王子なら、自分でも戦い、充分に皆をサポートできただろう

私は、時間をかけて穴を掘るくらいしかできない


「生きてるかしら?」

「すごく深く掘りましたからね、十倍だろうとかなりの深手を…」

確認しようと穴を覗いたら、なぜか底に水が貯まっていて

少しづつ地上に向かってくる


「え…水?!」

「しまった!川よ!」

…どういう事だろう?

確かに近くに川はあるけれども


「十倍パワーで川まで穴を掘って、そこから泳いで逃げたんだわ!」

「そ、そんな…?!」

滅茶苦茶だ…と思ったが、穴から水と一緒に川魚が浮かんできたので

これはもうミソラさんの予想は確定だろう


「す、すみません…

 ここまで追いつめて、逃がしてしまうなんて…!」

愕然とする私


「いいのよ、そりゃ捕まえられた方が良かったけど…目的は果たせたんだし」

そんな私を慰めるように、ミソラさんは私の肩を叩き

その後、街の方へと振り向く


「ほら、ね」

向いた方には、『花』の領主と彼の奥さん

そして、父親に肩車されたカグヤちゃんがやってきていて

こちらに向かって手を振った


「おーい、おうじさまー!」

『はははっ』

私も彼女に手を振り返す

無事に彼女が救い出せたなら…よかった


一番上手くいってほしいところが上手くいって、ほっとする私だった



………

……



事件は一段落し、それから二日の時間が経つ


ざわざわ…


『花』の領主、その屋敷の庭に人だかりができている


「??」

その人だかりの中、何もわからず、とりあえずうろうろしてる男

彼は、近くにいた女性に質問をした


「なあ、これ何の集まりだ?」

「えっとね、王子様がやってきてて…今から演説をするそうよ」

「え、あの隕石王子が?!なんで?!」

「領主様が『雪』のドラ息子にぶちギレて、娘との結婚破棄して追い出したでしょ?」

「ああ、俺は西に住んでたから大したことなかったけど、東は大騒ぎだったよな」

「『雪』が怒って攻めてこないように

 戦争反対派の王子と仲良くしてますよー、来るなよー

 って、アピールしときたいんじゃないかしら」

「はー…なるほどなー」

うん、まあ、大体あってる

…なかなかの事情通だね、この女の人


二階の窓から、集まった人たちのそんな様子を見ていたが、そろそろ出番だ

執事さんに呼ばれた私は、二階のバルコニーへ

そこでは『花』の領主が待っていた


『みな、よく集まってくれた

 ボクはカナタ…巷では隕石王子、なんて呼ばれている』

私は彼の隣で、両手をバルコニーの手すりに置き

庭に集まってくれた人たちに向けて、話しはじめる


…き、緊張する……!

でもここは、今後のためにもしっかりと決めなきゃ…!

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