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15:迫られる王子少女

王室入りして二週間ぐらいの朝を迎える


予定帳を見て、今日やる事を確認

えっと…まずは、執事さんに王室のマナーを教わる…と

いつまでも包帯フェイクに頼る訳にもいかない

王室マナーや王家の基礎知識、急に振られると困ることを予習しておく

一生学ぶことは無いと思ってた知識が、急に必要になると…焦る


この国では、学校に子供を通わせ

文字の読み書き、計算なんかを教えさせるために、様々な補助が受けられる

私もそれで学校に行けた口だ


中には、こんな勉強、将来役に立つのかな?というのもあった

今思うと、あれは内容よりも

苦手なものでも、必要になった時に勉強をして乗り越える訓練…

『勉強の勉強』だったのではと思う


…だってこんなのわかんないよ!

何、テーブルマナーって!?

ご飯は美味しく食べれたらいいじゃん!


美味しそうな夕飯だったので、ついいきなりかぶりついてしまい

怒られた人間の愚痴です、はい


支度をして部屋を出て、ダイニングルームへと入る


大きく長いテーブル、白いテーブルクロスの上に

きらびやかな食器や、豪華な花瓶にお花が飾られ、並べられている

初めは面白かったけど、毎日見てると「これいる?」って気分になってくる

食卓の周りには数人の人影


『はーっはっはっ…』

いつも恒例の高笑いをする


「きゃー、王子ー!」

「…あ、今はメイドさんたちだけですね」

途中で高笑いを中止

バレてる人しかいないなら、いいよね?!

高笑いは結構、喉に来るからできる限り中止したい!

最強王子は喉も最強なんだなぁ…


執事さんはまだ来てないようで

この場にはメイドさんの三人のうち二人だけがいる


三人のうち二人…ややこしいな

…そろそろ、執事さんとメイドさんの名前を、頭の中できちんと整理しよう



まず…執事さんの名前は、クロカゼさん

髪は白髪、瞳は黒に近い青、黒の燕尾服が似合うナイスガイ

目つきは鋭く、真面目を絵にかいたような人

昔は名うての諜報員だったとかなんとか


そして、メイドの長女ヒルツキさん

髪と瞳はライトグリーン、白と青のフリフリメイド服

明るく元気で、丁寧にしゃべるが押しが強い


次は、メイドの次女アカツキさん

髪と瞳はオレンジで、いつもじと目、服は長女と同じ

からかい上手で、丁寧にしゃべるが押しが強い


最後に、メイドの三女ホシヅキさん

髪と瞳はライトブルー、こちらも服は長女と同じ

おっとりとしていて、独特の喋り方をし、押しが強い


みんな押し強いなぁ?!

補足として、長女と次女は、喋り方も声も似てるので

どっちが喋ったか解らなくなる時がある



…で、長々と整理したわけだけど

今いるのはつまり、メイドの長女と次女…ヒルツキさんとアカツキさんだ


「セッカさんっ♪」

「セッカさん」

私を見つけるやいなや、高速で接近してきて、身体をすりすりしはじめた


「あ、あの…私、王子じゃないんですし

 今は人目もないですし、ここでベタベタしなくても…」

「かわいいからに決まってるじゃないですかぁ」

「あの王子の顔で照れるそのギャップが萌えるんです!」

「そ、そんなぁ…」

どうやら王子とか関係なしに、いたずらしたくなる性質らしい

…どうしよう

赤くなって困っていると、突然ダイニングのドアが開いて、人が入ってくる

ま、まずっ…カギかけ忘れた?!

この状況を一般人に見られたら……


「だめーっ!」

と、思ったらミソラさんだった

扉をばーんと開けてダイニングに入ってくる


「セッカちゃんは、あたしの王子様になってくれるって言ったの!あたしのなの!」

ミソラさんは、メイド姉妹に負けじと、ぎゅーっとひっついてくる

……あの、彼女いつも黒水着のような恰好してるじゃないですか?

開いた胸が直接、私の腕を挟み込んでくるんですよ

直肌による暴力がすごいんですよ、ええ


「…い、言いましたっけ?」

「言ってたわ!…たぶん!」

「たぶん?!」

彼女の中では言ったことになってるらしい

私はドギマギしてまともな返答ができない


「そんな無理やり言質を取ったようなの、納得できませーん」

ヒルヅキさんがぶー、と文句を言う

いやまあ、それについては同感…


「それだけじゃないわ…おととい、セッカちゃんを抱いたわ!」

ぶほおっ?!

な…なにを言い出すの、ミソラさん?!

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