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11:モテモテ!王子少女

本格的に王子としてやってくことになった私

かなり忙しくなりそう…と思っていたが

ミソラさんのお膳立てがあり、めちゃくちゃ厳しいってわけではない

なんだかんだ周りには適当に理由をつけて

忙しくなりすぎないよう、調整してくれている


そんな中、中止できないイベントの一つ

王子の父上…王様との面会をする日がやってくる


「流石に実の親にはバレると思うし、こっそり事情を話して協力をお願いしたいわね」

「ですよね…上手くその時間を作れるかどうか…」


…などと話していたのだけれど、王様と会うことは叶わなかった


『父上には会えませんか』

「…残念ながら、今日も目をお覚ましにはなっておりません」

王様の部屋の前、彼の治療にあたっている神官がそう答える


『わかった…引き続き、容体を見ていてくれ』

治療魔法で引き伸ばしてはいるが、もう崩御は近いのではないか

…と治療班では言われているそうだ


(私が王子を探しに出る前は、まだ起きていられる時間もあったのだけれど…)

(…かなり容体はよろしくないんですね)

(今はこれしかありません……国王様…勝手な振舞い、どうかお許しを)


ミソラさんは、王の扉の前で祈りをささげた


………

……


重要問題は宙に浮いてしまったが、それは置いておくしかないので置いておいて

現在、別の…しょうもないけれど、非常に厄介な問題が発生している


「王子っ、ワタシをもっと見てください!」

「王子、わたしのほうがかわいいですよ?」

「王子…うちもかまってほしいんやけど」


『こ、こら、みんな顔が近いよ』

そう、厄介な問題とはこれの事

メイドさんたちがやたらベタベタしてくるのだ

こればっかりは慣れない

特に、その…お肌をすりすりするのやめてくれないかな?!

いけない気持ちになってしまいそう

かわいい女の子に囲まれる経験などしたことのない私にとって、大変な毒なのである


「あら、王子ったら…照れてらっしゃいます?」

耳元にふー、と息を吹きかけられる

ぞくぞくした感覚に、つい反応してしまう


「ふふ、かーわいいっ」

…この子たち、メイドさんを別の何かの職業と勘違いしていませんかね?!


『は、はっはっはっはー…さらばっ!』

ここは逃げの一手!


「あっ」

どこまでもいいように弄ばれそうになった私は

自分の部屋(いや、王子の部屋だけど)に逃げ込む

メイドさんたちも、独自のルールがあるのか、部屋の中までは追ってこない


「ふぅ…」

どうにか一息つけた

ドキドキする心臓を、落ち着くまで手で押さえる


さ、流石王子様、おモテになっていらっしゃる

私そんなモテなかったのになぁ

顔は同じはずだし…

やっぱり地位?!地位なのかな?!


執事さんがいる時は、ここまでやってこないから…

なんとか執事さんとセットにできないかなぁ

でも、廊下で偶然会うとかは避けられないし…


ドアの前でもんもんとしている私

そこに、大広間で話している彼女たちの声が聞こえてくる


「王子、帰ってきてからちょっと変わってへん?」

「ワタシたちがアタックしても、前は全然、平然としてたのにね」

…まずい…こんなところからバレかかってる…?!


「もしかして……」

「ようやくわたしたちの魅力に気づいたって事かしら?!」

違いますよ?!

確かに、メイドとは思えないほどの魅力ですけれども!


「特にホシヅキは、胸がまた大きくなったもんね!」

「鈍感王子も、流石に気になってきたって事だよ!」

声大きいですよー…聞こえてますよー…

しかし、王子にとっては、平然としていられる事なのか…アレ

困ったなぁ…私じゃそんな鋼の意思は持てない……


(セッカちゃん…ちょっと、執務室まで来てもらえる?)

(ほあ?!)

突然、頭の中にミソラさんの声が聞こえてきてびっくりする


(あ、このユニークスキルって、近くにいなくても使えるんですね)

(そそ、便利でしょ?)

便利すぎる…

世間では戦いに役立つユニークスキルが持て囃される傾向にあるけど

こういうのこそ本当のつよつよスキルだと思う


(わかりました、今向かうので待っててください)

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