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〜私はあなたと出会うために生きている〜
僕には、小さな頃の記憶がある。
そう、あれは…
「僕も、この花が好きなんだ。だって君みたいだから。」
小さい黄色の花をみて話をした記憶。
だけど、誰と話をしたのか思い出せない。
僕の始めで最後の記憶。
その答えを僕は探している。
記憶から10年後が経った。
「もう遅刻しますよ。早く起きなさい。」
母さんの声が朝から聞こえるのは、心地が良い。
「わかっていますよ?母さん。」
「あら。もう準備できているのね。」
「もちろん。」
「いよいよ、今日ですね。頑張って行ってらっしゃい。」
「はい!行ってきます!」
僕は、張り切って家を飛び出した。
今日は、反転世界の高校(向こう側の世界)の入学式なんだ。
どんな高校生活になるのだろう。
とてもワクワクする。
これからお話しするのは、少し不思議なおはなし。