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死霊術士は生き還る  作者: ク抹茶
小さな人形編
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七話 爆発するスケルトン

 私達は遺跡通路を骨軍団と一緒に進んだ。

 だが、すぐに分かれ道に辿り着きどちらへ行くか考えていた。


「右か左………どっちに行くの?」

「右に行くとアンデッドが現れる部屋があり、そこで行き止まりです」

「そうなの!」

「左へ行くとまた分かれ道があります。私はその先をまだ探索していないので、案内できるのはそこまでです」


 普通に進むなら左か、でも右も見てみたい……いや、この遺跡を攻略したら十分に探索できるよね。


「左、このまま進もう!」

「わかりました」


 私達は左の通路へ進んだ。

 しばらく進むとノアちゃんの言ったとおり分かれ道があったが、今度は前と右に通路が分かれていた。


「どちらに進みますか?」

「うゥん、ちょっと待って……どちらにしようかな神ッ、じゃなくてカーラ様の言う通り……右で」

「右ですか……ユウカは信心深いのですね」

「ふふんッ! まあね」


 いやまあ、全然信仰心はないんだけどね……あれ、もしかして私が魔法を使えない理由って信仰心ないから?


 私達は右の通路へ進もうとしたが、突然後ろから物音が聞こえた。

 私は自分達が通った道を振り返り、微かに聞こえてくる音に耳を澄ませた。


「ユウカ……? どうかしたのですか」

「いや、なんか音が聞こえるような……」

「音、ですか?」


 なんだろうこの音、さっきも似たような……そうだ! 遺跡から出てきたゾンビの足音だ!


「て、そうだ後ろにスケルトン配置してなかった!」


 私は慌ててスケルトンを召喚して後ろに並べた。

 すると間も無く二体のアンデッドが現れ、こちらに向かって歩いてきた。

 だが大量に出したスケルトンには当然敵わず、二体とも身体にたくさん穴を開けられた。


「そういえば、アンデッドの出現する場所あるんだった」

「忘れていたのですか」

「……忘れてた。エヘ」


 あれ、心なしかノアちゃんに幻滅されてる?


「……行きましょうか」

「そ、そうだね、前も後ろもちゃんと守ってるから安全だし」

「はい」



 その後も私達は遺跡の探索を続け、何度か行き止まりや分かれ道、アンデッドに遭遇したりしたが、苦戦することなく順調に進んでいた。


「順調順調! 意外とあっさり攻略出来るかも」

「そうですね、そうだといいですね」


 おっといけない、ここまで苦戦することなく来たから少し気を抜いていた、あまり油断せずに行かないといけないな。


「ユウカ、見てください」

「ん、なに?」


 ノアが指差す先を見ると、下へ続く階段があった。


 階段だな、地下があるのかな……?

 もしかして、次の階層に行って探索を進めるとまた階段があって、その次も階段があって、最終的に百階層まであるとか、そんな気が遠くなる事に……いや、次の階で終わると信じておこう。


「どうしますか?」

「う、うん、行こうか」


 階段を降りると、一本道の奥に鉄製の分厚そうな扉があった。


「扉だね」

「扉ですね」

「……もしかしてボスがいるとか!」


 いや、もしかすると罠という可能性もある。

 んんん、安全に探索したいよね、こんな何も無い直線の道なんて怪しさの塊だし……お! そうだ、私なら簡単なことじゃないか! スケルトンに扉を開けさせればいい。


「行きましょう」

「あ、待ってノアちゃん」

「どうかしましたか?」

「何があるかわからないし、スケルトンを先に行かせよう。そうすれば安全だし」

「そうですね」


 私は一体のスケルトンを扉のもとへ行かせた。

 だが、スケルトンが道の中間あたりまで進んだ瞬間、ガコンッ、という音と共にスケルトンがいた場所に赤黒い光と轟音が鳴り響いた。


「「「ドォン!!」」」


「うわ!!」


「……大丈夫ですかユウカ」

「う、うん大丈夫」


 びっくりした……絶対に罠が仕掛けられていると思っていたけど、まさか爆発するとは。

 で、でもやっぱりスケルトンを先に行かせといてよかった、あそこに私やノアちゃんがいたと思うと……爆散したスケルトンよ、私はお前に敬意を表するよ。


「もしかするとまだ罠があるかもしれないから、もう一度スケルトンを行かせよう」

「はい、そうしたほうが良さそうです」


 私は再びスケルトンを進ませた、だがこのスケルトンも中間あたりまで行くと、先程と同じように爆発した。


「「「ドォン!!」」」


「ぬお……!! びっくりした」


 もう爆弾はないと思って気を抜いていたから余計驚いたな。

 まさかまだあったとは……爆散したスケルトンに敬意を表する。


「ふゥ、まだ爆弾があるかもね」

「………いえ、ユウカ見てください、爆発した所の地面を」

「地面……? 何かおかしいの?」

「地面に傷一つ入ってません」


 傷……? 確かに何処も壊れていないな、地面がかたいのか?


「確かに傷とかはないけど、それがどうかしたの?」

「あれ程の爆発で一切の損傷がないのはおかしいです。ですからあの罠は魔術によるものかと」

「魔術? 魔法陣とかが仕掛けられているってこと……? でも、それと地面が壊れないことになんの関係があるの?」

「術者が魔術によって出した火は、自分の魔力なので自分に燃え移る事はありません。そしてこのような罠は全てこの遺跡の主が生み出す魔力です」


 ふむふむ、魔術とかについてはわかった。

 それと、この爆発は魔力によるものだって事も。


「でも遺跡は……まさか遺跡自体が主だった!」

「少し違います。この遺跡自体も主の魔力でできているのです」

「……え、この遺跡全体がって事? それってすごくない?」

「はい、英雄が造った遺跡ですから」


 それが本当だとしたら、この世界の英雄はとんでもないものを造ったな。

 遺跡から溢れ出たアンデッドは森の中を自由に歩き回るし、くらったら即死であろう罠を仕掛けるしで、本当に英雄だったの?


 いやいや、今はそんな事考えるより、どうやってこの先を進むかだよね。

 さっき見た限りだと、通路の真ん中の地面を踏んだら作動する仕掛けがあるみたいだけど……飛び越えていけるかな? いや、何処までが罠の範囲がわからないし。


「どうする? ノアちゃん」

「……罠の手前を掘って、側面から仕掛けを破壊するのはどうでしょうか」

「………それってなんか、反則じゃない?」

「遺跡の攻略に規則はありません。まあ、遺跡を掘ってもすぐ元に戻るでしょうが、ユウカのスケルトンの破壊力なら難しくはないでしょう」


 ここを造った側の気持ちを考えると、ちゃんと攻略してあげたいと思うけど……うん、まあいいか!


 私は四体のスケルトンを一列に並べて前進させた。

 真ん中に近づくと先頭にいたスケルトンが罠を作動させ爆発した。


「ここら辺掘ればいい?」

「はい、遺跡の再生力がわからないので、急いで掘って罠を壊してください」

「よし!」


 私はスケルトンに地面を掘るよう命令した。

 掘ると言っても、三体のスケルトンがひたすら地面を殴るだけだったが、その破壊力は思いの外大きいものだった。


「おお! 意外と掘れる! あんなパンチで」

「はい、罠はすぐ壊せそうですね」


 ノアちゃんの言った通りスケルトン達はかなり早く地面を掘り終わった。

 そして掘った穴の側面をよく見てみると、地面の中に少しだけ空いた空間が光っているのが見えた。


「あれ?」

「はい、刻印式の魔術です。破壊してください」


 私はスケルトンに命令をして、光っている場所を破壊させた。

 地面に掘った穴で待機していたスケルトンは、急に再生した遺跡に潰された。


「す、スケルトン……お前達に敬意を表する」


 私はスケルトンに軽く敬礼をした。


「……ん! 遺跡が元に戻ったのならあの罠も!」

「それは大丈夫だと思います」


 そ、そうなの?

 大丈夫ならいいけど。


 私はスケルトン一体を扉の元へ向かわせたが、その途中で爆発はしなかった。

 スケルトンはなんの問題も無く扉の元へ到着した。


「よし、私達も行こう」

「はい」

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