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元おっさん,猫と異世界ライフと旅に出る。  作者: 猫を愛でる会
第2章世界冒険編
32/260

ご注文は魔法ですか?いいえ治療魔法で治療して下さい。

今回から新章突入です。

  祐奈の転移扉の向こうは屋敷の様なホール、そして沢山のテーブルに飾りに、そして奥に見える部屋にはデカイ調理場、そして私は一歩踏み出し前へ進む。


  「何処に向かう気よ」


  祐奈に調理場に向かうのを止められた、色々物色したかったのだが。


  「で? ここ何処?」

  「間違えて、王都にある2号店に転移しちゃった………テヘ」


  白い目で祐奈を見る一同。


  「………今王都て」


  ルーシエがまさかと、窓に近付くに向かうと、昔行った王都アクシズの城が見えた。


  「ルーシエ………アレて」

  「ええ、幼い頃以来ですわね」


  顔が引きつる二人、良くも悪くも色々思い出す二人だった。


  「こっちの扉だったわ」


  何か頑丈な扉を出したが、その細い腕の何処にそんなパワーが?


  「何か重厚な黒い扉だな」

  「向こうに住んでた時の、億ションの扉ね」

  「………金持ち自慢ですかそうですか……」

  「…………え? 自慢してないけど、それより治療よ」


  祐奈が重厚な扉を開くと、茶色いセミロングヘアの美少女の澄んだ青い瞳と目が合う、そして作業員みたいな服装の美少女は、祐奈に向かって猛突進する…………まるで、飼い主に向かうイキり立った犬の様に、普通は感動的なシーンだが祐奈は完全完治してない、言わば不完全に回復した負傷者だ。


  「あれ? アーノルドが居ない?」

  「ユウナお姉ちゃぁ~ん」

  「グフゥ!?…………フ……フィーネ………痛い」


  祐奈の胸に抱き付き、身体を締め上げる………ミシミシと。


  「ちょっとフィーネ止めて、身体が痛いから…………ぐぇ!」


  痛みを堪える祐奈だが、痛みは増して行く………フィーネの抱き締めつけにより。


  ギシギシギシ……ミシミシ………パキパキ


  「次は治さないぞ」

  「治療してお願い」

  「ご注文は魔法ですか?」

  「私の身体の治療をして、本気でお願い……」


  祐奈は雅史に、涙目で訴えるが。


  「ユウナお姉ちゃんの看病なら、私が」

  「フィーネのタックルと締め付けで、私がさらに負傷したんだけど」

  「フル完治してないのにアレではな、まあ鉄砲玉やった代償だな」


 雅史は祐奈に、呆れた顔で言うと、祐奈が反論する。


  「私はイノシシでは無いわよ」

  「オオイノシシの肉、残ってたな」


 雅史はイノシシで、オオイノシシを思い出したが、何故かフィーネと呼ばれる少女から、雅史は殺意に似た視線で睨まれるが、フィーネからしたら『お姉ちゃんに付いた、悪い虫』の認識だが、のちにフィーネの家族にとってはお得意様に成る。


  何か小さな、美少女に睨まれてるのだが。


  「マサ様の家より、小さいそうですわね」

  「………ちょっとエリー、お話が有りますわ………」

  「私も同席致します…………」


 ルーシエと雪から、圧を受けるエリー………口は災いの元だ。


  「あっ………」


  しまったと、エリーは後悔する。


  ルーシエ達は祐奈に客室を借り、エリーを強制連行して行った。


  「マサ様助けてぇ~」


  バタン


「イヤァ~!!」


 扉の向こうに連れて行かれたエリーに、雅史は見なかった事にした、首を突っ込みたくなからだ。


  「で? この太った人は誰? ユウナお姉ちゃん」


  美少女………フィーネから、雅史に向け殺意とどす黒いオーラを放つフィーネを雅史は見る、そして雅史はフィーネに『この子ヤバいな』と、普通に思った。


  「そうだフィーネ、ネフィルさんの容態は? あとアーノルドは?」

  「───それが分からないの、今朝私が作った……」

  「・・・・・言わなくて良いわ、フィーネまたやったのね」

  「アーノルドちゃんは、今ユウナお姉ちゃんの店で働いてるよ」

  「………あとでアーノルドに、報酬出さないと」

  「むぅ~」


  顔を膨らませる、美少女フィーネ。


  「それよりまたて何よ、私だって料理位」

  「黒い炭化は、料理では無いわよ」


  料理残念系の、美少女らしい。


  「ルイーズと同じ事、ユウナお姉ちゃんも言わないで!」

  「またルイーズに怒られたんだ、姉なのに」

  「ユウナお姉ちゃんも、この頃お腹の…ムグムグ……」

  「余計な事を言わないで、フィーネ」

  (胸より腹に脂肪が………フッ…………)


  思わず鼻で笑ってしまう雅史。


  「何笑ってるのよ、怒りの乙女ぱ……イタタタ」

  「魔法で治療しても、フル完治してないて言ったけどな」


  痛みを堪える祐奈。


  「それよりフィーネの影響で、余り時間が無いかも」

  「ちょっとユウナお姉ちゃん、お母さんの病気悪化を私の料理の影響にしないで」


涙目で祐奈に訴えるフィーネ。


  「解毒や呪い解除も任せろ」


何故かノリノリな雅史。


  「私の料理は普通だから、毒や呪いの類いも無いですよー!!(怒)」

  「祐奈案内頼む」

  「任せて」


フィーネのクレームに、二人は無視をした………時に炭化した物は、人にダメージを与えるからだ。


  「ちょっと2人共私の話を………」


  祐奈の後を追い私とフィーネ、あと雪まみれのロリ3人とカシム君が付いて来る、騎士ヘクターはいつの間にか居なかったし、まあ何か企んでたらトムが阻止するだろう。


  回復魔法で鎮痛剤の様に使い、ゆっくり走り数分後にヨーロッパ的な町並みの、町の中心にたどり着く。下着以外の洗濯物がベランダに掛かって居る、ザーマス的なおばはんや腕ぷしの強そうなおばはんが、祐奈とフィーネに挨拶している。


  「お帰りユウナ、また旅の話を聞かせておくれよ」

  「また後でね」

  「お帰りユウナちゃん、良ければ家の孫と……」

  「それはダメです、ルーおばちゃん」

  「………………何でフィーネが断わってるの?」

  「ユウナお姉ちゃんは,()()()()()()()()()()()()()()()()()()|」

  「色々重いわよ、フィーネ」


  祐奈の春は遠そうである、一部の変態紳士からは人気は高いが、ユウナ親衛隊とファンクラブが許さない、それは貴族令嬢や祐奈が助けた人が集まりし、親衛隊ともファンクラブとは言えない、祐奈信仰する過激な集まりだ。


  綺麗に掃除が行き届いた家に!祐奈とフィーネが入って行きそれに続く。レンガの階段を上がり二階に向かうと奥の部屋に、祐奈達が入って行った。そして祐奈に抱き付き、震えながら深刻に泣く幼い少女が……。


  「ユウナお姉ちゃん………このままだと、フィーネお姉ちゃんが親殺しの罪に成っちゃうよ……………うぇ~ん」

  「ルイーズ、人聞き悪いこと言わないで」

  「お姉ちゃんが奇跡的に、一品マトモな料理出来たとお母さん食べた途端、お母さんが苦しみながら倒れたの…………」


それを聞いた雅史と祐奈は、本音を同時に漏らす。


  「…………それ殺人料理だな」

  「………それ殺人てきな料理ね」

  「二人して私を見ながら、物騒な事言わないで!!」


  奥の部屋に男性を見ると、この世の終わりみたいな顔をしている、愛妻家なのだろう。


  「イタタタ……」

  「まさか!? ユウナお姉ちゃん怪我をして」


祐奈は優しく、ルイーズに言う。


  「大丈夫だよルイーズ、助っ人連れて来たから」

  「どうも大和神国から来た、助っ人冒険者です」


  この世の終わりみたいに絶望してた男性が、電光石火の様に飛んで来る。


  「薬草では無く、男を連れて来たのか嬢ちゃん!?」

  「何か変な言い方された気が………」


事実気に入った男を連れて来たと、思ってたりする。


  「それより治療を開始するから、準備する」

  「「マサ様の治療魔法、久し振りに見れますわ」」

  「…………」

  (彼からは何故か、尋常では無い何かを感じます)


  雪姫は雅史を見つめる、雅史は集中しスキルや魔法をフル活用しメディカルチェック等していくと…………


  「祐奈………そこの家族以外、全員部屋から出して」


  何かを察して、祐奈はルーシエ達を部屋から追い出す。


  「で? 防音無いし、あと私も聴いても大丈夫なの? 部外者には聞かせられない病状でしょ」

  「祐奈が扉を閉めた時に、防音魔法使ったから聞こえないよ、それに祐奈だったらこの事実を、三人に話せるだろう………あまり知識無くても、有名な病気だから」

  「妻はそんなに悪いのか?」

  「末期ではあるよ、一部臓器細胞が末期過ぎる……解析したら何時旅立っても、おかしくないレベルだと診断解析結果が出てるよ」

  「「「……え?」」」

  「まさかそれって」

  「細胞異常を感知した、確実に末期ガンて判定だが」

  「何か方法が在るのね」


  細胞再生や、修復出来るなら………異世界のチート魔法なら。


  「祐奈を治療した魔法は、蘇生や肉体等の細胞再生や病気も回復出来るが、試した事すら………ましてや回復した文献は、現在見付からないが試す価値はある」

  「ユウナ嬢ちゃん、ガン?てなんだ」

  「人を死に至らしめる病気よ、しかも身体の中だから発見が難しいしか知らないのよ」

  「妻は……ネフィルは………」

  「今生きてる事が奇跡だ、多分祐奈の魔法で延命してただけだ」

  「そんな………」


  フィーネが膝から崩れ、この世の終わりの様に泣き始める。


  「そんな…………お母さんが………」


  崩れ倒れそうなルイーズちゃんを支える雅史、そしてフィーネが泣き崩れながら叫ぶ。


  「お母さんが死ぬ何てイヤイヤ、私まだお母さんに親孝行してない、嫌だよぉ~」

  「あとおめでたも、確認してます」


祐奈は死んだ魚の様な目で、ゲルダをジト目で睨む……祐奈からしたら、色々台無し感をゲルダに向けた感情だ。


  「・・・・・・・・ゲルダーさん…………」

  「この前の、ユウナ嬢ちゃんのお土産のウナギでな、夫婦で盛り上がって………それより頼む…………」

  「うわぁ~ん、お母さん~」

  「うわぁ~……お母さん~ 」


  ルイーズとフィーネは、祐奈に抱き付きながら泣き叫ぶ。


  (さてやってみるか)


  雅史は、できる限りの力で治そうと動き出す。


  「さて完治するか分からないが、手を尽くそう」

  「頼む………妻を……そして、出来れば新しい命も」

  「私からもお願いよ、本当に何でもするから」

(私の命を賭けても良いから、ネフィルさんには沢山私は恩を返したいから)

  「ユウナお姉ちゃん、ここは私がこの人の嫁に成りますからお母さんを」

  「フィーネお姉ちゃんより私が」

  「イヤ、ロリコンではないから、ロリ嫁は断る」


  ガァ~ン


  「何か娘とユウナ嬢ちゃんが、膝を着いてダメージ受けてるが」

  「それより治療を始めるから、奥さんの手を取って側に居て下さいよ、旦那さん」

  「感謝する」


  雅史はカバンから薬用エナジーを取り出し、妖精のハーブ蜜等をスタンバイ……祐奈とルイーズとフィーネは、何故か灰に成って居た、雅史は見なかった事にした。


  「さて腹ごしらえと、玄米茶にみたらし団子のコンボサイコ~」


  ゴクリ


  「トム、それで様子はどうだった?」


  ベッドの影からトムが現れた。


  「……………いつの間に」


  ゲルダの驚きの声を無視して、雅史はトムから報告を聞く。


  「ハルモニアのギルマスに会って、国に連絡してましたよ……何か黒騎士は駄目ですとか、国王は来ないで下さいとか言ってましたが」

  「引き続き監視頼む」

  「………ギルマスと一杯やるそうですよ」

  「………そのデカイ猫は一体?」

  「私の旅の友です」

  「あとでご飯が楽しみです」

  「仕事が終わったら、色々奮ってやるさ………刺身とか」

  「ヨッシャ、では行ってきます」


  トムはまた影に潜り監視に向かった。


  「私にも、みたらし団子くれない」


指を咥え、祐奈は上目使いし雅史におねだりする、流石食いしん坊美少女だ。


  「病み上がりは帰って寝ろ、あと治療出来るなら自分でやれるよな」

  「痛いから集中出来ないのよ、フィーネのタックルで」

  「確かにアレは痛そうを越えて、せっかく魔法で治療した骨とか内臓がダメージ受けてそうだな、後で診断してやるから大人しく寝てろよ」

  「ルイーズちゃん何か祐奈が休める場所を」

  「ならそこのソファーを使え」

  「ありがとうゲルダーさん」

  「私、毛布持って………」


  ルイーズがノブを回した瞬間、いきなり扉が開き。


  「マサ様、何か分かりませんが、私が何か手伝いますよ」


エリーが雅史にアピールをするが、まったく通用しない。


  「使えないお嬢様達は要らないよ、あと呼んでもないから来るなよ」


  ガァ~ン


  「師匠、俺はさっきの家の庭で、素振りしてきます」

  「まあ夕方に成るかもだから、飯は外食して来いよ……」

  「分かりました、師匠食べ歩きして腹ごしらえもしてきます」

  「うう痛い」


  ルーシエと雪姫が扉を開けた時に、顔を打ったルイーズちゃん許せんなあの二人。ルーシエと雪姫は後に説教をされ、エリーは前の説教を思い出しカタカタ震えて居たのは、この日の夜である。


  「ライトヒール」


温かな光の魔法で、ルイーズの顔の痛みは癒された。


  「痛みが…………」

  「では頼んだよ、ルイーズちゃん」

  「ハイお兄さん」

  「ぐふっ」


  明るい茶色のミディアムヘアに後ろで髪を纏めた、良く見ればフィーネ以上の美少女だった、しかも笑顔が眩しい可愛い妹系美少女。


  「大丈夫ですか?お兄さん」

  「大丈夫だ大丈夫………」

  「何で泣いてるですか? お兄さん」


  家の妹も、こんな可愛い妹だったらな………


雅史は心の底から、本気で思ったが実妹に知られたら、半殺しにされてるだろう………たぶん。


  「大丈夫だ、さて治療を始めようか………」

  「マサ様が、あの時とは違う雰囲気ですわ」

  「金色の綺麗な光……」

  「凄いです………光の密度が均一して、暖かい気配と神秘の力を感じます」


  何か外野がうるさいが、集中だ。


  「リミッター全解除、キュアレーション!」


  光の粒子が雅史を中心に広がり、ネフィルに収縮し光の粒子が身体に浸透して行く、光の粒子は異常な細胞を癒し始め異常化した細胞を、ゆっくり浄化するかの様に変異した細胞は、普通なら起きない奇跡を魔法が起こす、細胞をむしばむ異常が優しく元の細胞に回復させる、地球では先ず無理な現象だ。


  「綺麗…………」

  「私の治療の時も、こんな感じだったのかな?」

  「「あの時の回復魔法とは、違う光…………」」

  「どうかお母さんを…………」

  「どうか妻を………」

  「どうかお母さんを…………」

  「どうかネフィルさんを………」


  ネフィルさんの手取り、真剣に神に祈る様に四人はハモる。


  (いやいや光に祈られてもな………まあ、期待に答える為にも更に魔力を………)


  (マスター、補助致します)

  (頼むぞキャナル)

  (………イエスマイマスター)


  何か今キャナルの声が、何か嬉しそうだった気が。


  キャナルの補助のおかげで予定より数時間速く、1回目の治療は終わったが………。


  「容態はどうなの?」


  祐奈が心配そうに聞く。


  「………少し待って………」


  (キャナル分析補助頼む)

  (了解マスター)

  (…………おや?)

  (マスター…………予想外ですねこれは)

  (そうだな…………リミッター全解除したからかな?)

  『

(色んな角度からスキャンしましたが,反応は在りません………,3D立体スキャンも四次元も反応ありません)

  (ご苦労様キャナル)

  (…………勿体ない言葉ありがとう御座いますマスター)


  さてと…………


  立とうとしたらふらつく雅史、影からトムが飛び出し支える。


  「ありがとうよトム」

  「疲れ過ぎですよマサさん」

  「「「「「ふぅ~」」」」」

  「……………さて結果だが」

  「「「「…………」」」」


  ドクンドクン………ゴクリ


  「完治したかも知れないが………」

  「再発のリスクも在るのよね」


  祐奈が、楽観無く言う。


  「え?」

  「「そんな………」」

  「一応全ての細胞は正常化したが、私は医者ではないロスト光魔法を使っただけの、只の冒険者だよ」


  雅史は思う。


  (期待されても困る、それに祖父は末期ガンの末、在る意味死なされたからな………異世界で、この魔法が使えたなら人生の師匠である祖父を…………)


  叶わぬ思いを胸に仕舞い、頭を切り替える雅史。


  「6ヶ月位様子を見て、完治したか観ていきましょう」

  「妻を助けてくれてありがとう」

  「「お母さんを助けてくれてありがとう」」


  ヤバい泣きそう………


  「役に立てたかは分からないが」


  さて帰るかな。


  「待て、妻を治した料金を」

  「? 料金」

  「私が依頼したから私が」

  「……………では情報とか無いかな、祐奈以外で有名なカフェとか」


  ゲルダーが昔の心当たりを、雅史に言う。


  「なら冒険者時代に、ドラルーラに勇者のレシピの伝承カフェや喫茶店等が在る、国境に近い街を寄った事がある」

  「え? お父さん,冒険者だったの?」

  「今も破天荒冒険者してるルドルフと、俺にネフィルに今の王様と領主のハウゼンに、ギルマスのパウエルと見習いのヘクターと、解散するまでな旅をしてたのさ」

  「「ヘクターが見習い??」」

  「そう言えば、ヘクターは聖騎士王国の騎士に成ったてな、あの泣き虫小僧が成長したもんだ、旅の途中で前国王が倒れなければ、フィーネ達の誕生は遅かったな」


  物思いに更けるゲルダー。


  「私は知らなかった………お父さん達が、冒険者だったて」

  「俺は斥候と解体専門で、ネフィルは昔から解体苦手のマジックキャスター……まあ料理は、ネフィルとヘクター任せだったが」

  「確か国で伝説の、赤い傷知らずの彗星て」


  フィーネが昔聞いた、伝説を思い出す。


  「キャスビル………いや今はキャスビル王だな、アイツの瞬動は赤い光を帯ながら、モンスターや魔物や野盗すら瞬殺だったからな」


  (……最後悪党だよね?)


  「今や傷知らずは、嬢ちゃんだったが………」


祐奈を見てから、雅史を見て何か言いたげなゲルダ。


  「まあ相手が悪いよ、異形の魔族の上位体に防御不可の攻撃受ければな」

  「…………え? 初耳何ですけど、私聞いてない」


  何故か祐奈に詰め寄られる。


  「いきなり現れて、木から降りたと思ったら、正面から敵を殴るヤツは祐奈位だな………アレを見て、私は軽く頭痛して注意出来なかったからな」

  「ユウナお姉ちゃん…………」


  流石のフィーネも呆れる、そしてフィーネが何かを思い出したかの様に、フィーネは言う。


  「後で王都に、手紙出さないと」

  「フィーネ」


祐奈は顔をひきつらせながら、優しくフィーネに聞く。


  「何? ユウナお姉ちゃん?」

  「誰に出すつもり?」

  「王都のローゼン家宛てに………」

  「…………やめて………本気でやめて」

  「でも…………」

  「やったら私が非公認の、フィーネ達の親衛隊とファンクラブ潰すから」

  「・・・・・・・・ユウナお姉ちゃんに、殺されたく無いので諦めます…………て、知ってたのユウナお姉ちゃん!?」

  「あんだけ派手に活動してればね、あと私は人殺しはしないよ、人殺しはね………………」

  (何か祐奈が物騒な事言ってるな……それにしても、祐奈にファンクラブて……)


  内心鼻で笑う雅史だった。

そして回復させた筈の祐奈は、また骨にヒビが入っていてたので、雅史はめんどくさそうにエリクサーで再び祐奈を回復して、ネフィルには恵みの水を使った。


  「さて治療も終えたし、自分褒美のカスタードプリンを」


  カバンから甘い香りの、生クリーム付きカスタードプリンを出す。


  「何で貴方が、プリン持ってるのよ!!」


  あざとくプリンを見つける祐奈。


  「それは、私のプリンかしら」


  聞き覚えのある声がする……が、振り向かずにミリスタに言う。


  「ミリスタ………刑期は済んだのか?」

  「私は犯罪なんてしてないのよ」


  何処から現れたか不明な、どや顔のミリスタが居た。


  「どうせ祐奈の店のプリンを、また食ってたのだろう」

  「………え? アレてこの小さい子が食べてたの?」

  「知られたからには消えて貰う、妖精キイィィーク」


  だが高さを間違え、ミリスタはトムに激突する。


  「また僕かよ!」


呆れながら、トムはミリスタに言う。


  「また毛玉………此処で在ったが久し振り、また勝負よ」

  「何か間違ってる気がするぞ、ミリスタ」

  「それより、貴方もプリン作ってるの?」


  祐奈が詰め寄る。


  「私の満足の為に」

  「何か被ってるからやめて」

  「私はプリン以外も(スキルで)作って居る」

  「甘いわね、私はピザとポテトとケーキと、パンケーキやアイスを作ってるんだから」


何故か余り無い胸を張り、祐奈は高らかに自慢げに言う。


  「残念、私はから揚げやホットケーキやシチューにカレー、トムにマグロやフグにタイを出してるぜよ(スキルで)」


  祐奈が悔しそうにする。


  「マグロですって許せない、私はまだ食べて無いのに……和の国も大和神国でも……ぐすん……私食べれなかったのに」

  「マグロで泣くのか?」

  「数年間食べて無いのよ、分かるでしょう」

  「私には分からん」


トムは祐奈に同情する。


  「僕は分かるよ……うんうん」


  だがトムは表情を変える。


  「だけどマサさんが僕に取って来たマグロは、誰にも渡さない、例え弟子でも」

  「普通にこの前、カシム君食ってたぞ」

  「…………それはさて置き」

  「それより私のプリンを、よこしなさいなのよ」


ミリスタが五月蝿いので、手段を選ばずに使う。


  がさごそ………Pi


  「………ミリスタ見つけたのぉ~」

  「ヒィ~!!」


  声はしたが姿は見えず、だがミリスタは注意深く探すが見当たらない、ミリスタの天敵ピンクの悪魔を。


  「……………」

  「…………今のは幻聴なのかしら?」

  「……………フッ」


  雅史は悪い顔をする。


  「ミリスタ見つけたのぉ~」

  「ヒィ~!!………てアレ?」


  再び周りを見渡すミリスタ、だが天敵は見えない。


  「………何かは分からないけど、余り良くないわよ」


  呆れた顔をしながら祐奈は、雅史に注意する。


  「まあミリスタの、天敵の声だからな」


  スマホを再び仕舞う。


  「………天敵て?」

  「ミリスタを一撃の拳で倒す、ピンクの悪魔妖精」

  「……………」


  何か祐奈が複雑な顔をしている、さて今度こそ帰ろう売ってから。


  「さて疲れたし休むか………その前に」

  「………?」

  「ギルドに寄るか、アレ売ってみたいし」

  「ダメですよアレは、僕の爪研ぎに」

  「1本やっただろ、一角マグロ皇帝の角」

  「イヤダイヤダ、誰にもやりたくない」

  「じゃあ身は没収だな」

  「それだけは、それだけはご勘弁をマサさん」


  土下座するトムを見て、全員が引く。


  「じゃあ私がそのマグロ食べるわ」

  「シャー!!………」


  毛が逆立ち祐奈を睨むトム。


  「本気でキレたなアレは」

  「………えマグロで、そんなに美味しの一角マグロ皇帝」

  「とろけると言ってたな皆」

  「皆?」


  カシムに優姫にトムと、猫集落の者達である。


  「余計に食べたい」

  「シャー!!!!」


  更に毛が逆立ち、シッポが太く見える。


  「祐奈を敵と認めたらしいぞ」

  「………えぇ~!?」


  祐奈が一角マグロ皇帝を食べれるのは、もう少し先である………しかも兜焼きのみ。


  雅史は強行で、ハルモニア冒険者ギルドに突撃する。


  「いらっしゃいませ、ハルモニア冒険者ギルドにようこそ………あらユウナちゃん、今日はウルフとか要らないわよ」

  「私の用事でわないよ」

  「マサさん考え直してぇ~!」

  「・・・・・・えぇ~と…………」


結構美人な、困惑する冒険者ギルド受付嬢、祐奈と違い落ち着きのある大人の美しい女性だ。


  「お願いしますマサさん、僕の爪研ぎ角予備を売らないで」

  「…………もう1本在るだろう」

  「これ全部僕の為の角ぉぉぉ~!」


  何か冷たい目で、ギルド職員と他の冒険者がトムを見る。


  「駄々こねると、鯛とマグロの身を祐奈にやるぞ」

  「嫌だ嫌だ嫌だ、僕の魚が無くなっちゃうよ」

  「・・・・・・・・確かに、ユウナちゃん凄い食べるから」


食べても胸が成長しない祐奈、身長は来た時より少し成長はしたが、お腹の一部は成長はしたり胸が減量で減ったりしてるが。


  「ちょっと、ルリーナさん酷いよ!」


  ルリーナと祐奈に言われた女性は、赤髪のセミロングヘアの右目下に、泣きほくろがある大人な美人さんである。


  「………これぞ大人の美女」


  祐奈が雅史の言葉に反応し、雅史の足を踏むが効果は無い。


  「くっ! 何か腹立つ」

  「あらあらユウナちゃんたら」


  泣き叫ぶトムと苛つく祐奈……そして。


  「なんの騒ぎだ」

  「ギルマスお久し振り」

  「なんだユウナか? また問題起こしたか?」

  「私を問題児扱いしないで!」

  「用事は終わったのかい?」

  「ヘクターさん、貴方の旧友は助かりましたよ、多分だけど」

  「? 旧友」

  「ゲルダーの妻のネフィルの事だな」

  「え?疾風のゲルダーさんと、爆裂のネフィルさんですか?」

  「ハウゼンは領主だぞ」

  「閃光の薔薇の貴公子だった、あの巨乳好き残念のハウゼンさんが………」

  「ヘぇ~通り名有るんだ」

  「通り名酷い人も居ますが」


  ヘクターさんが、パウエルギルマスを見る。


  「泣き虫ヘクターが、大きく成ったよな……昨日来れば、ハウゼンに会えたな」


  ロリ集団が到着し、ヘクターをギルド片隅に連れて行く。


  「ヘクター、国に報告は終わったのかしら?」

  「王様以外すんなりと」


  溜め息を付くルーシエ、ルーシエ達は他に聞かれない様にこそこそと会議をしていた。


  「………()()()平常だったのね」

  「近衛騎士が取り押さえ、城の執務室に閉じ込めて仕事させてるらしいです。 あとアルですが……何やら病気で、寝込んだらしいです」

  「…………ルーシーが原因でょう」


  そんな事より、さて角を。


  「僕の僕の角を売らないでぇ~!」

  「一角マグロ皇帝の角だろ」

  「レア素材アイテムだなそれは、アイツが喜ぶな」


  ガハハとデカイ声で笑うギルマス、銀髪オールバックで背が高くてうるさいオッサンである。


  「高く買い取るぞ俺が」

  「テルミナギルマス長にも、高く売れますよ多分」

  「………お前さんだな、永久B級冒険者は」

  「…………さて何の事やら」

 

  ニヤニヤしながら此方をみるギルマス。


  「ユウナ嬢ちゃんと結婚して、永住してくれると助かるな、色々とな…………ユウナ嬢ちゃんも少しは落ち着くだろうし」

  「私はロリコンではないから、無理だな」

  「フラれたな、ユウナ嬢ちゃん」

  「………………」

  「イタタタ!! やめろユウナ嬢ちゃん痛い痛い」


  思い切り足を踏み、更にカカトを立て捻りを入れる祐奈、殺意の目でギルマスを見るフィーネちゃん………怖いな。

 ナンヤカンヤで角を売り、小鬼の集落経由で拠点に帰る。


  「何で君達居るの」

  「「「魔法の弟子入りに」」」

  「「お嬢様を宜しくお願いします」」

  「ついでに私も」

  「私はプリンが………」

  「ほいっと」


  またしてもミリスタは、強制退場される。


  こうしてルーシエとエリーに雪の、厳しい魔法鍛練が始まった。

 

  「普通優しく指導では?」

  「無駄話禁止だ、座学とスパルタ座学とスパルタ特別実戦の選択で、何故かスパルタ特別実戦を選んだのは君達だ」

  「「「こんなはずではぁ~!」」」

  「ねえねえ、この魔法て連射出来るの?」

  「そうだ祐奈、それにしても飲み込み早いな祐奈、よしよし」

  「恥ずかしいから、頭余り撫でないで………子供扱いしないで………」

  「「「羨ましい」」」

  「コラ休むな,、まとに連続十回当てるまで休み無し」

  「私は回復魔法覚えたいのに!」


  エリーが泣き言を言う。


  「「…………もう限界です」」


  倒れる三人に恵みの水で強制回復。


  「なら次は祐奈より座学勝てたら、今日の鍛練休み」


  目の色を変える三人だったが…………。


  勝ち誇る祐奈に屍と化すロリ三人………そして、喫茶店でせっせと働くクマのアーノルドと、再びミリスタ登場もプリン食べるの見付かり、遂に捕まるミリスタ………ミリスタの運命は如何に。



  次回に続く。


  ルイーズ「お姉ちゃん,私も魔法覚えたい」

  フィーネ「…………ユウナお姉ちゃんが綺麗に成って行く,これは幻覚よね」

  ルイーズ「フィーネお姉ちゃんも,この頃マサお兄ちゃん来るとそわそわしてるね」

  フィーネ「気のせいよルイーズ……………」

  ルイーズ「またマサお兄ちゃんに、空中散歩デートして貰お」

  フィーネ「!? え?」

  ルイーズ「この前美人で綺麗な女性の喫茶店に,連れて行って貰ったし」

  フィーネ「そんな………ルイーズばかりズルい」


  次回に続く。













次回は未定です。

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