大和神国編 決戦酒呑童子 後編
大和神国編フィナーレ
私は祐奈,ハルモニアに住む元引きこもりゲーマー投資家,私もゲームから異世界ライフ出来るとは,だけど色々文句を言いたい,最強防具は沢山在るけど恥ずかしい服装しかない,まあ一つしか無いよりはマシでだけど。しかも始めて遭遇したモンスターにビビって,投擲されたナイフに助けられる始末……しかも年下の,小学生位の少女に。これが私祐奈とフィーネとの情けない出会いだけど,その後フィーネのモンスター解体を見て私は失神した。
今では解体師見習いから職人に成ったフィーネに,魔物解体を丸投げしている………まあ最初から丸投げしてるけど,「ユウナお姉ちゃんの為にバリバリ解体しますね」と笑顔で,魔物達を毎日解体している。
あとフィーネには妹が居るのだけど,美少女過ぎて女子力も高くて眩しい……,ルイーズにはたまに料理教えてるけど,スペック高い妹が出来た気分と私を癒しをくれる存在。
私が居ない時には母親のネフィルさんと共に,私のプリンカフェを手伝ってくれて居る。
私はセフィール家に世話に成り過ぎて居る,それにネフィルさんの病気を治す薬草は,未だに見付からない……私のイメージ回復魔法では,3ヶ月に一回魔法を使わないと体調が悪くなり,セフィール家の家計がまたひっ迫する,延命治療薬が高い為だけど。
最初は伝説の図書館と薬草探しの旅だったけど,今は懐かしい食に感動して寄り道をしている。京都に似た聖条京の冒険者ギルドとかに,薬草を聞いたが他国に出せない幻の薬草だから,在るとしても出せないらしい。大和富士に薬草在るか探そうとしたけど,今は国の姫や他国の姫が滞在してるので,初級や駆け出し冒険者ダンジョン以外は,立ち入り禁止と言われ仕方なくもう一つの,伝説の図書館入り口と聞いた地に向かう。
「大きな橋よね。」
「ワン………」
尻尾を振りながらゴン太が答える,相棒の白いプリティーベアのアーノルドは,ネフィルさんの容態を見に行ってる。まあ先月回復魔法使ったから大丈夫だと思うけど,今年に入って回復効果が薄く成って来てる気がする………,他の人の病気や怪我は回復出来たのに何故,ネフィルさんと同じ病気の人は完治しない,しかも魔法医でも病名は分からないらしい。
祐奈は知らない,地球でも厄介な病気は例え異世界でも,厄介な病気で在る事を。一人の冒険者の知識と魔法以外,完治は難しい事を。
「行くわよゴン太。」
「ワオォ~ン」
バスみたいな物や魔道列車を追い………,今魔道列車から此方を見てた美少女に,何か見覚えある金髪と銀髪の美少女が居たような………気のせいね。
祐奈はゴン太を走らせ,倒れた兵を飛び越え枯れた森に突入する,所々に戦闘の跡があり三毛猫の着ぐるみ装備に着替え,奥に向かう。奥に向かった祐奈は異常な光景を目にする。
「何この地形,それにあの赤い戦闘宇宙民族みたいなモンスターと,………あれてもしかして海鮮丼の…………」
変形した大地で雅史は祐奈と出会ってしまったのである,食い気美少女祐奈に。
「トム無事か?」
「剣が折れなくて良かったですよ。」
「……………まさか剣が折れそうだったから,変な動きしたのか?」
「………だって折れたら怒るでしょう。」
「………折れそうなら,他のシルフクレイモアとか,使えば良くないか?」
「………忘れてましたよ。」
「俺様を無視するんじゃあねえ。」
酒呑童子が襲い掛かるも,金剛の盾が立ち塞がるが破壊される。
「チィ……最後の金剛の盾も粉砕されたか,やはり通常の金剛の盾ではダメか。」
「チィ仕留め損なったが,これで厄介な盾は消えた。お前の命もこれまでだな。」
「待ちなさい,何だか知らないけど助っ人するわよ。」
何故か枯れた木の太い枝から,三毛猫の着ぐるみパジャマ姿の少女が立って居る。
「よっと。」
枝から飛び降り着地した中学生位の少女は,シリアスな戦闘中にふざけた格好で乱入して来た。
「………何か頭痛いなトム。」
「ふざけた格好ですね,僕への冒涜ですかね。」
「ふざけた格好して,人間の小娘は死にに来たのか?」
ブチ
「私の格好をふざけたですて,乙女の怒りの鉄拳を食らいなさい!」
祐奈は酒呑童子に向かって,渾身のパンチを放つも酒呑童子の足元の大地が沈んだ程度。
「何だその攻撃は,そいつら以下だな。」
「何ですって!?」
大型モンスターすら沈めたパンチを,始めて効かない相手に直面した祐奈。
「今度は此方の番だ。」
「早く逃げろ,死ぬぞ中学生」
「私は中学生じゃあ無い。」
だが次の瞬間祐奈は激痛と共に吹き飛ばされ,枯れた大木に激突する。
「ぐっグハっ………そんな無敵の防御力の防具なのに,何故ダメージが……グハっ……ゲホッゲホッ痛い……痛いよ。」
祐奈は初めて死ぬ恐怖を覚えた,どんな敵の攻撃すら防いだ防具を無視した攻撃に,そして口から血を吐き恐怖する………。
「トム,少女にポーション使って回復させて。」
「了解。」
「普通なら今ので肉片に成ってるはずだが,防具殺しが防がれたが身体はぼろぼろだろう,どんなヤツでも防具の中身は無防備だからな,どんな勇者だろうと身体は強化できまい。」
生身を狙った攻撃か,防具と防具無効攻撃のダブル物理攻撃なら,どんな防具でも防げないな,体術に防具無効が在るが使ってみるか?
「さて行くぞ《闘気拳》」
「気でも狂ったか,ワザワザ死にに来るとはな。」
❪闘気拳❫
闘気を拳か手に纏わせ防具関係無く,相手に闘気を叩き込む技。
神速で懐に入り固い胸に拳を叩き込み,その反動を使いバックステップと共に後ろに下がる,攻撃は上手く発揮し酒呑童子が後方に飛んで行くも無傷。土煙の中を猛スピードで此方に接近する。
「小癪な人間ガァー許さねぇー」
「リミッター解除版❮金剛の盾❯×3」
「また盾か,鬱陶し破壊してやる。」
「合体回転防御。」
金剛の盾を回転させ,酒呑童子の攻撃威力を逃がす。
「チィ,さっきのより頑丈とは,人間の癖に小癪な。」
距離を取りオリジナル魔法を発動させる。
「次はこれを受けとれ❮ワームスマッシャー❯発射」
雅史は光魔法のレーザーを,魔力制御の虫食い穴に複数放ち,マルチポイントロックを使いワームホールを指定座標に固定し,複数の光線を全方位から酒呑童子に叩き込む。
「グオォォォ!!何故だどうしてダメージが。」
〘光魔法が弱点なら,まさか……〙
キャナルが分析を終えた様だ。
『マスター,六芒星から出てきたこの酒呑童子は,異形の魔族です。』
〘本体が異形の魔族かよ。〙
『しかも魔力はマスターレベルですが,白兵戦特化型の異形の魔族上位体です。』
〘魔神とか魔王並て事か?〙
『データー不足で判断不能ですマスター。』
その時酒呑童子と六芒星に異変が。
「グオォォォ!?身体が…………,このままでは………」
六芒星に青白い稲妻が走ると共に,六芒星に吸い込まれて行く酒呑童子。
「逃がしはしない,❮太陽レーザー❯」
❪太陽レーザーとは❫
戦略級・光秘術魔法
魔法で収束された太陽光を対象に,巨大質量のエネルギーを放つ魔法。
術ポイントが300も消費し上空に魔法陣が展開され,紫と黒と点滅してる六芒星と穴だらけの身体の酒呑童子に,上空から魔法陣に収束された太陽光線が直撃する。
「ギャァー」
今までに聞いたこと無い断末魔が木霊すると共に,六芒星が崩壊して行く……。
「ヤバ。」
太陽レーザーのエネルギー波の余剰エネルギーが,爆風の様に広がり枯れた木や岩を吹き飛ばす。神速を使いトムに合流する。
「私はこの子を,トムはカシムを頼む。」
「了解。」
雅史は着ぐるみ少女を抱き上げ,神速で安全な場所まで退避する。
「師匠ご無事ですか?」
「無事だ,だがこの子は重傷より重篤だな。」
その時風の流れが変わり,六芒星の有った場所に風か吸い込まれる様に向かい,次の瞬間ダークパープル色の光の柱が出現し砕け散り光の柱に成り消える。
〘この子の内臓まずいな……心臓や肺は無傷だが,下の肋骨や胃付近の臓器が骨の破片や背骨もやられて居る,ポーションで止血してるが………〙
メディカルチェックをすると,魔法で細胞を再生回復しないと,この中学生に見えた異世界冒険者少女は死ぬ。集中力を上げる為に妖精シリーズの回復薬で回復し,この祐奈て少女に回復魔法を使う。
「肋骨と臓器と骨盤等の重要ヵ所の再生回復,上手く行ってくれよ❮キュアレーション❯」
❪キュアレーションとは❫
身体の欠損の再生や死者を蘇生,病気の回復や細胞再生魔法。
高い魔力と生体知識無ければ使えない,ロスト魔法。
少女……祐奈の身体に光が纏い身体に浸透し,骨や臓器が時間を巻き戻す様に元の位置に繋がって行く,メディカルではそんな感じだが実際は見えないので,何とも言えない。
いつの間にか隣にデカイわんこ?が,心配そうに祐奈を見つめている。
数分経ち容態は安定域に入った,容態を観ていたので体が凝って痛い。
「温泉に浸かりたい疲れだ。」
気を抜き疲れたカシム君は座って居て,此方を見ているが不思議そうに言う。
「その無謀な幼女も助けるなんて,師匠は凄いですね。」
「………この子のは,カシム君の一つ下だよ。」
金髪と銀髪少女を思い出すカシム君。
「師匠に出会ってから,合った一つ年下は年齢に合わない幼い少女だらけですね,あの3人以外は。」
「君と同い年だから。」
「………それよりトム師匠は,いつの間にか居ないのですが?」
今の間は何かなカシム君。
「………さっきの場所に偵察に行ったよ。」
「呼びましたか?」
また影から帰還するトム,お仕置きしたいな。
「ギブギブ!!マサさんすみません,次は普通に帰って来るので,顔から手を放して。」
「やはりわざとかよ。」
顔面をアイヤンクローされ痛い目に遇うトムだった。
「報告ですが………」
顔を擦り話す。
「六芒星は消えてましたよ,あの黒い宝石らしき物も消えてました。」
〘酒呑童子は何がしたかったのだろうか?それにしても異形の魔族上位体は強い,新しい素材や武器が必要だな……まあまだ魔物にも脅威が居るし………。〙
唸りながら考え込む雅史に,ぐったりなトムとカシムとご主人が心配なデカわんこ,何時までも此処に居ても仕方ないので小鬼の集落に向かう。
土地で逃げていた小鬼?には見えない鬼達と合流,まだ治療中なのでお姫様抱っこして空中飛行しながら運搬する。
鬼達が不思議そうに此方を見て言う。
「勇者さんあ………」
「勇者じゃあ無いから,勇者て言わないで。」
「………そうですか?では冒険者殿,助けて頂きありがとう御座います。」
「たまたまですよたまたま。」
「人間に救われたのは,初代勇者様以来ですよ。」
「……?茶髪の初代勇者ですか?」
「………?初代勇者様は黒髪で優しい方と伝わってます,確かサツマイモやもろこし等の農業指導を先祖にしたのも,初代勇者様ですから。」
どうやら彼の功績は,ちゃんと勇者として残ってるらしい。
「茶髪て言えば大和神国の汚点の歴史に残る,厄災淫乱魔王ではないか?」
………どうなってるの初代勇者の物語り。
「自称勇者と名乗って,我々や獣人をいたぶったカスが昔居た様ですよ。」
何か今で言うDQNの気がするな茶髪の勇者?は,色々仕出かして嫌われたのだろうな。
「初代勇者様を奴隷扱いしたクズらしいです,まあ厄災魔神を倒した後自分一人の手柄にして,世界中の美女に淫乱三昧して各国から依頼され,初代勇者様に討伐されましたが。」
何か色々繋がった話しが在るな,だが茶髪が勇者なのと彼が勇者なのと色々違うみたいだな。
「ハイエルフ様を連れた,ハーレム勇者様一行も数十年前に来たみたいですよ,何か神樹で仕出かして追われてたらしいですが。」
?………ミリスタ言ってたいけすか無いヤツかな?,………何か違和感が。
「もうすぐ我々の集落の一つに着きます,休んで行って下さい,サツマイモを使った芋焼酎等振る舞いますよ。」
⦅小鬼の里⦆
❪小鬼の里とは❫
妖精属の穏やかなゴブリンや戦いを好まない鬼や,傭兵や畑等力仕事等に秀でた鬼人が住まう集落の一つである。
そして数分後何か童話に出て来る鬼とは違う,ファンシー的な小さい鬼やゴブリンぽく無い抜けた者達が暮らして居た。
何か平和な集落では在るが,異様な倉が数件建っている。
「この子を休ませたいのだが。」
「それなら長老の家が良いベェ~」
「…………ではそこを案内して。」
集落の建物は倉以外日本昔話的な,茅屋根か木の屋根に石が置かれてたりしていた。奥に大きな家があり,何処の地主だよと言いたくなる。
「此処が長老の家だべ」
縁側でウトウトうたた寝している,仙人の様な爺さん鬼がそこに居た。
「長老………長老……」
「もう昼飯の時間か?」
危うく怪我人抱っこしたまま,ズッコケる所だった。
「長老違うだよ」
「ではワシはもう少し寝るから,昼飯の時に起こして…………何か猫精霊様にそっくりな………」
「僕は旅の猫精霊族だけど?」
「「「「え!?」」」」
フリーズし固まる鬼達。
「トム師匠は何処でも有名種族ですね。」
「?………そうかな?」
「ははぁ猫精霊様,貴方様が一族の救世主ですね。」
何か時代劇で水戸黄門に頭を下げてる,者達の場面が頭を過る。
「ではこの者達は,猫精霊様の家臣で。」
「違うけど。」
「まさか異世界勇者……」
「違うよ,私は勇者とかでは無い〘異世界人だけどこの少女も。〙」
混乱する鬼達一同。
「まさか勇者様でなくともご一緒してるとは。」
「我々もさっき彼に救われた所だ。」
「鬼丸,息災であったか。」
赤い大将的な鬼の名は,鬼丸らしい………鬼なのに名前まで鬼尽くしかよ。
「何か老けて無いか長老?」
「お前が出兵してから2年経てば,ワシも老けるわい。」
「٠٠٠٠またまた数日ぶりだからて,ボケるなよ長老。」
「「「……………」」」
「皆どおした?て見馴れない子供も居るな………まさか。」
「去年お前の嫁は病気で無くなってな,ワシが預かってるのじゃよ。」
「そんな…………瑠璃…………。」
巨体が膝から崩れ涙する鬼丸。
「墓参りしてやれ,息子と娘と一緒に。」
「…………はぁ?娘?」
長老の言葉に狼狽し混乱する鬼丸。
「お前が旅立った半年後に産まれたんじゃよ。」
「…………心当たり在り過ぎるな………」
「兄ちゃんの娘は,私が育ててるよ。」
鬼人黒髪ショートの女性と,優しげな男性が現れた。
「すまんな,新婚なのに娘と息子の面倒を見て貰って。」
頭を二人に下げる鬼丸。
「義兄様は俺達の分まで戦ったのですから,頭を上げて下さい。」
「兄さん………ぐすん………」
「涙脆い奴らじゃな。」
鬼人3人が思い思いに泣いて居た。
「………………」
〘参ったな,感度してるが手がふさがって涙が拭けん。〙
トムは野良猫と何か話してるし,カシム君は建物や畑に興味津々に見ていた。
「……………身体が痛い……」
寝言で痛みを訴える。
「悪い忘れてた。」
こうして鬼丸は子供と妹夫婦と,愛妻が眠る集落の墓参りに旅立った,雅史は長老が貸してくれた部屋で,ダメージ治療をエリクサーでし,長老に集落の空きスペースを借り旅ハウスを出す。
「何とも面妖な建物じゃな。」
酷い言われようである。
「これはワシらからの気持ちじゃ。」
宴を断わるとサツマイモ等の野菜を分けて貰い,漬物も渡されたが断わった。
「漬物を受け取らないとは珍しいな。」
「……………」
〘堪えろ私,吐くなよ吐くなよ。〙
臭いにダメージを受ける雅史だった,人間誰しも駄目な物は有るのである。
「野菜のお礼にこれを。」
「こ………これは………一財産稼げる物だぞ。」
「こんなデカイ物は調理に時間掛かるので。」
「………こんな高級魔物肉宜しいので?」
「構いませんよ。」
茶色いカニか蜘蛛か分からない足を見て,超デカ鍋クラスでないと調理不可能食材を提供した。
「皆なの集今日はカニ祭りじゃ~」
「「「「うおぉぉぉ~!!」」」」
「かに?………海鮮丼?………」
何か聞こえた気がするが気のせいだな。
集落総出で鍋を運び櫓等をてきぱき準備する,恐るべしカニ鍋祭りの異常なテンション。
「白菜やネギもありったけ出せ,調味料もじゃ。」
「祭りだ祭りだ蟹祭りだ,皆働いて倒れるまで食うぞ。」
「「「オォー」」」
異様な熱気が漂う。
「アレてそんなテンション食材なのか?」
「何を言うか,アレは普通尾張の上様か,聖条京の帝に献上される高級食材ですぞ,普通は誰しもホイホイ食せない高級食ですぞ。」
「………そうなの?」
「あとフグも処理出来る職人居ないから,中々食べれないのですよ。」
「では差し上げますよ。」
「………………何で持ってるんじゃぁ~」
「明石で釣ったので。」
「…………皆の」
「後で刺し身にして出すから,落ち着け長老。」
〘確か頭は唐揚げに出来たよな,トム用にフグの唐揚げ作るかね。〙
その夜,鍋に刺し身に唐揚げにドンチャン騒ぎの鬼達,目を醒まし出て来た無謀冒険者祐奈も混ざり,鍋祭りは真夜中まで終わらなかった。
「助けてくれてありがとう,………名前は?」
「雅史だ祐奈。」
「…………?何で私の名前知って………,まさか私とおなムグムグ」
「しぃーその先言うと,面倒に成るぞ。」
口を手で抑えられながら,頷く祐奈。
「一応君の内臓の治療は終わったが,鉄砲玉みたいに突っ込むなよ………て聞いてる?」
「今内臓の治療て聞こえたのだけど?」
「まあ心臓と肺以外の臓器とかだな。」
「…………………」
青ざめる祐奈。
「まあ細胞や病気は魔法で治療で………」
「今何て言ってた!?」
祐奈が真剣に聞いてくる。
「魔法で細胞や病気は治療出来る,勿論死にたてほやほやでも蘇生出来るぞ。」
「…………何その魔法は,なら私と一緒に来て欲しい場所が有るの,私のイメージ魔法では治せないのお願いします,命の恩人の母親を救って………お礼なら何でもするから。」
こんな美少女だ………まあちょっとアレだが,彼氏だかの命の恩人の親を救いたいみたいだし,たまには人助けしないとな。
イメージ画面登場し久々の大台レベルアップみたいだ。
【レベル15アップ!】
【ステータス限界値を底上げしました。】
【刀・小太刀レベル5アップ!】
【剣・大剣レベル30アップ!】
【弓・銃レベル50アップ!】
【体術レベル35アップ!】
【火魔法レベル3アップ!】
【水魔法レベル10アップ!】
【土魔法レベル10アップ!】
【風魔法レベル2アップ!】
【光魔法レベル40アップ!】
【オリジナル魔法レベル60アップ!】
【魔法消費ポイントに補正発生,魔法レベルが99を越えました,属性魔法のコストが下がった魔法があります。】
【カルテ:神楽坂 祐奈の生体情報を保存しました。】
「……………」
〘そんな情報保存してどないせえと?〙
「?……どうかしたの?」
「何でも無いぞ…………」
微妙な間に祐奈が怪しむ。
「………何か怪しいまさか,私が寝てる間にイヤらしい事を。」
「それは無いそれは無い。」
ムカ
「何かムカムカする。」
「病み上がりに食べ過ぎただけだろう。」
祐奈の顔が引き吊り,つり目が余計につり上がる。
「あの量をこの身体の何処に,栄養が向かうのだろうか?」
「死にたいのかしら?」
何か踏んでしまったらしい。
「命の恩人だから,今回は見逃してあげるわ。」
「?………何かは分からぬが,多分私は君には殺されないな,まあレベル差で。」
「??」
さて次のは病気の女性の治療ミッションか,休んで回復するか。
だが雅史は色々忘れて居るのだった。
その頃ルーシエ達は,遅れに遅れて元呪われた地近くの町で宿を取る。
「魔道列車が遅れたからマサ様に会えないですわ。」
「それより何故雪姫まで来てますの?」
「帝様からマサシ成る冒険者の,エスコート役として………」
「…………怪しいですわ。」
騒ぐロリ3人に雷が落ちる。
「五月蝿いぞガキ共。」
「「「スイマセン」」」
隣の客に壁越しに怒られた3人,ルーシーが何やら向かったが,そのままルーシーは帰って来なかった。
翌朝ヘクターが血相を変えて部屋に飛び込んで来た。
「ルーシエ様大変です。」
「何かしら?」
「ルーシーが失踪しました。」
「「!?」」
「また男漁りに…………」
「それが祟ったかも知れません,尾張に着いた後から様子がおかしかったので。」
「確か体調悪いから,尾張の小石川診療所から出た後から。」
「ルーシエ,此処に手紙が。」
手紙はルーシーからで,媚薬の反動でアルの子供出来たから寿引退しますねエヘ………あと退職金に盗賊の賞金貰って行きますね。
「「…………」」
「いつか仕出かすと思ったが,遂にやったか。」
ルーシエとエリーは頭を抱え,ヘクターは補充要員どうするか悩んで居た。
「………大丈夫かしらね?」
「雪ひ………雪様,帝と上様から至急伝をお持ちしました。」
「ご苦労様です。」
手紙を受け取り雪姫は驚愕する,父上である吉宗からは至急戻れと,戻らぬ場合は説教が待って居ると。そして帝からは至急全員国へ帰る事を推奨と,しかも隣国の2か国滅亡は世界バランスが崩壊し,遂に唯一神を信仰する国が侵略宣戦布告を出したと書いてある。
「ルーシエさん大変ですわよ。」
手紙を持つ手を震わせて雪姫が,ルーシエに帝の手紙内容を話す。
「まさかアメリア神国が,でもあの教王ならやりかねません。」
数年前に突如アメリア神国が誕生し,獣人や肌色が違う者や宗教異端者を,大量虐殺したとの噂が流れた。その指導をした人物が,初代現教王トランフル王。
雪姫が深刻に話す。
「今西の隣国は滅びナージュ王国と我が国大和神国に,友好国のドラルーラと姉妹国の和の国,それとレーティシア国に竜王国と,貴女の国の聖ルーン騎士国よ。」
「あからさまに初代聖騎士王の遺産,聖杯と聖剣狙いですわね。」
「ドラルーラは,多分英雄や勇者の遺産ですわね。」
ロリ3人が真面目に分析している。
「まあ大丈夫でしょう。」
「そうですわね,竜王国に喧嘩売った時点で馬鹿確定ですわ。」
「駆り出された民衆が不憫ですわ。」
だが竜王国は動かないかった,何故なら先にアメリア神国はトランフルの知恵により,格下と思った和の国と大和神国に海戦を挑むと情報が有った為である。だが和の国にアメリア神国の帆船軍艦は,聖獣や聖鳥に攻撃を受け,全滅してしまうのはこの1ヶ月後に世界に知れ渡る。
そして新型鋼鉄魔砲搭載軍艦が完成したアメリア神国は,トランフル個人的目の上のたんこぶの,大和神国に向け唯一神に捧げる聖戦と嘯き軍を動かし,大和神国は異世界転生軍人の秘匿の防衛機動艦隊に,侵略者に対し迎撃指令を下すのは,これより2ヶ月後の事である。
そしてルーシエ達は雪姫の寄り道先で,雅史と合流するのだった。
「ゲェ何故此処に。」
「「「マサ様捕まえました~………え?」」」
「何で雪様も入ってますの。」
「貴女は誰ですの?」
「彼に命を救われた冒険者だよ。」
「「「じぃ~」」」
雅史の隣に居た祐奈を睨む三人。
「面倒な感じだな,私はロリコンで無いから四人もロリは要らない。」
「へぇ~誰がロリよ」
「ロリとは何ですか?」
「「だから私達は16歳よ。」」
「え?…………その見た目で同い年。」
祐奈がルーシエ達を見て言う。
「それより祐奈,治療しに向かうぞ。」
ムカ
「私をロリ扱いしてそれよりて………」
何か気に入らないらしい。
「でわ私も同行しますね,マサ様が勉強しろと言いましたし。」
余り無い胸を張りエリーが名乗り出る。
「では私もエリーの監視に。」
「私も後学のために。」
〘何か負けられませんわ〙
〘何かは分かりませんが,負けません。〙
祐奈が裾を引っ張りアピールする。
「私にも少し魔法教えてよ。」
〘そして私に海鮮丼を食べさせなさいよ。〙
赤い顔をする祐奈を見て。
「おでこに手を当てるな………。」
何かドキドキする祐奈。
「依頼の女性の治療終わったら,寝ろよ熱有るぞ。」
ズッコケる祐奈だった。
数分後ハルモニアには,雪の護衛と千石さんを抜いたメンバーで向かう事に。
「何でヘクターも?」
「ハルモニアのギルマスと知り合いで,少し野暮用も……」
「ルーシーですわね。」
「それと黒騎士が動かぬ様にと。」
「…………何か寒気を感じましたわ。」
青ざめるルーシエだった。
祐奈が出した何処かの家?アパート?のドアをくぐり抜け,雅史の旅は新しい場所に向かう。
次回に続く。
祐奈「やっと私が合流よ」
ルーシエ「そして終了よ」
祐奈「え?ルーシエとエリーの事?」
雪「私以外の三人よ」
エリー〘不毛ですわね,私が一番よ〙
祐奈&雪&ルーシエ「「「まあエリーは次回終了だけど」」」
エリー「………え?」
雪&祐奈&ルーシエ「「「次回エリー死す」」」
エリー「勝手に殺さないで」
雅史「次回特訓に悲鳴を上げ、燃え尽きるロリをお送り……」
ロリ四人「「「「しないわよ」」」」
次回に続く。
次回は通常の予定。