悪(キノコ頭)はいつの間にか滅びていた
私はシャロ=ローデンス、田舎街トロンペンに住む学園を卒業したばかりの十八歳よ、街は普通の片田舎の街よ。
私が生まれ育ち、私の弟ルーファスが来月私が通ってた学園に入るわ、少し私に対して『お姉ちゃん大好き』が終わる気配が無いのが怖いけど。
昔は有名だった、今は普通ギリギリの陶芸家のゼノンお父さんとそれを支える、トロンペンの街の商業ギルドマスターの代理をする、ルキアお母さんは前のギルドマスターがお金を横領して、今は次のギルドマスターが来るまで代理をしてます。
昔商業ギルドの本部で、働いてた実績から一時的に抜擢されたみたいよ、私は本当ならベルフリーデンのお嬢様学園に、国内学力推薦枠で行けるはずでしたが、お母さんの仕事の多忙と家事が出来るのが私しか居なかったから、私は渋々諦めて地元の学園に入りそして卒業しました。
学園在学中には隣国の貴族、エルサレンの街の領主の孫娘のフリージアお嬢様の家庭教師よ、貴族の授業は王都で長期休みの時に私が一般的な教養を教えてるわ、普通貴族の家庭教師て貴族の教養を教える筈で、一般人に一般的な計算やドラルーラの読み書き何て教えてるのは、普通に無いと思ってましたが。
現領主のガブリエフ様は、国境近くと国境を通じ両国の文字を操る凄い人らしいです、しかも筋肉隆々の筋肉ゴリ……………マッチョで凄いですよ。
昔は冒険者も経験したとか、私は冒険よりも安全で安定した暮らしが一番、だけどその孫のフリージアお嬢様は一癖も二癖もあり、お嬢様なのに趣味は散歩よ。
手芸や乗馬や魔法とかでなく、散歩よ……………重要だからもう一度言いますよ、趣味は散歩よ…………まあ人の事をとやかくは言えないけど、私も森に行ってハーブを採取して、趣味を生かしてハーブを使いウルフモンスター避けのポプリや、お茶にするハーブの内職とかをしてるわ、まったく呆れる程。
唯一実家に居て、家計に貢献はしてるけど………お父さんがたまに無駄遣いして、陶芸の高い粘土を買うから困るわ…………材料費と売れた額が釣り合わないわ、たまにお母さんにビンタされて一方的に、お父さんが基本敗北してるわ…………でも毎回懲りる気配が無いわ。
そして決まった日に家庭教師だった筈が、何故か今日はフリージアお嬢様が来てます、しかも一人で…………また屋敷を抜け出して来ましたね。
「ご卒業おめでとう御座います、シャロお姉さま」
「有り難う、フリージアお嬢様」
「・・・・・・・」
「・・・・・・・」
何でお嬢様は、何も言わないのかしら?
「・・・・・・・」
「・・・・・・・それで、フリージアお嬢様、なにか私に御用ですか?」
私は疑問を聞くと、フリージアお嬢様は言います。
「トロンペンの森で、妖精を捕まえたとの話を聞いたので、散歩のついでに行ってみようと」
「フリージアお嬢様」
「何ですか? お姉さま」
私は思った事をいう。
「エルサレンからトロンペンまで、普通散歩て距離で無いですよね」
フリージアお嬢様は、涼しげに言う。
「勿論、街の前まで馬車出来たに決まってますわ」
どや顔で言うフリージアお嬢様、私はそれを見て軽く頭痛を覚える……………。
「私は今日趣味で、ハーブ採取に行きたいのだけど…………」
「散歩ですね」
「だから、森にハーブ摘みに……………」
「散歩ですよね?」
何でこんなに粘るのかしら?
私はため息をしながら、仕方なくフリージアお嬢様と馬車を停めてる使用人さんに、少し話をしてから「我が儘なお嬢様をお願いします」と逆に気を遣われたわ。
「私は我が儘では無いわ!」
自覚が無いらしい、フリージアお嬢様……………勉強以外は結構我が儘を言ってますよ。
私は比較的安全な、北のトロンペンの森に行きました、南は最近モンスターが出たと噂が広がった為です、南の方はハーブの種類豊富だけど仕方なく、北側の森に行き私達は向かいました。
「此方に、妖精さんが居るのかしら?」
一応言っとくけど、フリージアお嬢様は十六歳で半年後には十七歳ですよ、こんな発言してるけど……………。
「私は、妖精が出た場所は知りませんよ」
「えぇぇ~!」
私に文句を言われても、知らないものは知らないわ。
私は森に入り茶葉に出来るハーブの花や、少し酸っぱい野ベリーを採り後で少し高いけど、砂糖と煮詰めてジャムにしましょう。
「・・・・此が野ベリーですか…………、ベリーより少し酸っぱいですね」
それはそうよ、野生に生えたベリーですもの、農家が育てたベリーと違って当たり前よ、前に教えた筈だけど……………それに、少し熟すのに早かったかもね。
私は前に来た時よりも奥に行き、此がまさかあの人に出会うきっかけに成るなんて、私の運命の相手は彼かも知れないです。
※運命とは限りません。
私とフリージアお嬢様は、変な男達に出会してしまいました。
シャロとフリージアの視線の先に、金髪マッシュルーム頭の下卑た笑い顔の貴族と、その取り巻きのゴロツキ護衛八人がイヤらしく下卑た笑い顔で、シャロとフリージアを値踏みしていた。
「逃げる旅路に、人質と夜の奉仕は必要だな、捕まえろお前達」
「グヘヘヘ」
「今日から夜は、女体を久々に楽しめるぜ」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
シャロは反射的に、フリージアの手を掴み走り出したが直ぐに捕まる、瞬動のスキル持ち四人に捕まり近くの木の幹にロープで縛り、身動き出来ない二人に近付く途中で、四人が四回の何かの爆発音轟音と共に倒れる。
「お前達、追っ手が来たのか?」
「分かりません、ゴイロスティンティン様」
何故か慌て出す、悪人らしき貴族達…………貴族に見えるのは服装だけだけど、何か変な膨らみのある長袖とズボンよね。
「俺の名前を、いかがわしく増やすなドエムルス!」
「そうだぞ、ゴイロスチンチン様だぞ」
「オイ貴様、俺の名前をいかがわしい名前にするな! ケツドヘンル!」
何か分からないけど、変態と私はこの男達に対し思った。
その時再び乾いた爆発音が、更に近くから聞こえるけど姿は見えない、木や雑木林の障害物で助けてくれてるか分からない。
「グェ!!」
「グオッ!!」
更に二人が倒れる、そして残り三人は誰かを見付けたらしく叫ぶ。
「アイツを殺れ!」
「良くも仲間を!」
「お前は追っ手か!?」
私達から見えない方に向かい、厳つい男二人が走るけど再び乾いた爆発音に、二人は吹き飛び倒れるのと同時に私達に向けて走り来る、ダサい格好のゴイロス何とかて貴族は私ではなく、フリージアお嬢様を人質にした。
「いやぁー!!」
「お前をひん剥いて、裸にして肉盾に成ってもら……………グェ!!」
ゴイロス何とかのお腹に、何か黒い物が当たりゴイロス何とかが地面に倒れる、そしてうるさいイビキが響き渡る…………。
「やれやれ、反応あると来たらキノコ頭とゴロツキに、可愛らしい女の子とは異世界は物騒だが小説みたいだな」
低い男性の声と共に現れたのは、やや太った二十代位の陽に当たる場所が赤毛に見える黒髪の、何故か不思議に視線が離せないのは分からない、胸がざわめく男性が此方に向かい来るけど、今異世界とか聞こえた気がしたのだけど。
私は男性に助けられた、変な筒をした武器を空中で消え、私のロープから切り助けてくれた…………私は一瞬で恋に堕ちた、此が運命の出会いで恋の始まりの予感がした。
「貴方のお名前は?」
シャロは助けて貰った男から名前を聞き、そしてシャロ=ローデンスとフリージアは、異世界の男にちょろく惚れたのだった。
◆
発砲音がしたので来たら、何故か追ってた奴等はイビキをし寝て居た、手間が省けたので残念眼帯とエロジジイに、身柄を引き渡し私達は一路何故か途中の国に行くのを嫌がったので、ルーシアと海岸沿いを東に進み次の国に向かった。
「…………何で雨の中で、全裸で居るのかしら?」
「それは此方の台詞よ、何で雨雲しかない空から、ルーシアと何か微妙に素敵な殿方と居るのかしら?」
雅史は思った、『私は微妙に素敵な殿方ではないが』と、確かに最初より結構痩せたがモンスターと戦って、レベル上がっても容姿や体型に変化はまったく無いよ、そもそも変わる理由を知りたいもんだ。
だが後に、ルーシアと合体から始まった、本人はまったく思って無いがダイエットに成功し、ルーシアを更に喜ばせるのだった………色々な意味で。
「貴女が、そんなに破廉恥女とは、知りませんでしたよ」
「身体が臭いよりマシですわ、それに貴女が降りて来なければ、誰にも裸は見られませんでしたわ!」
何かまだ痴話喧嘩してるのだが………それにしても、貧乳でなかなか良い全裸だったな…………ド真ん中のストライクゾーンだぜて、ルーさんやいきなり鼻をつまんでて………イテテテテ!!
「イテテテテ!!」
「しーくんは、鼻を伸ばすのは、私だけで良いの!」
だがルーシアの胸中的には、『私が雅史を好きに成ったのだから、絶対セーラやルーシエとか、雅史に惚れるに決まってるから、会わない様にしてたのにぃ~』と、内心穏やかではなかった。
「私の裸に興味持つなんて、素晴らしい殿方ですわ…………ぽっ!」
「私より小さい残念なのを、全部私が魔法で削いであげるわ」
「・・・・あの……冗談よね? ルーシアさん」
「・・・・・・・」
ルーシアの目は据わり、ルーシエに向け無言の圧と、片手に風を纏わせ始めた。
「ヒイィィィ!!」
「待ちなさい、私のダージリンにみすぼらしいぜい肉を見せた罪、私が裁いてあげるわ!」
こうしてモンスターにリベンジする前に、ルーシエは命の危機に遭遇したのだった、果たしてルーシエは生き残る事が出来るだろうか?
たぶん次回に続く………と思う。
「素敵な殿方、私を助けてよぉ~!」
「させるかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
「ヒィィィ!!」
涙を流し全力で、ルーシアから逃げるルーシエだった、全裸で………。
次回ルーシエ全裸で散るをお送り………
ルーシエ「不吉ですわ!」