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元おっさん,猫と異世界ライフと旅に出る。  作者: 猫を愛でる会
第三話 迷宮とレベル上げ修行
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大樹のダンジョン其の五 (蟹鍋成ならぬ蜘蛛鍋)

 私達は大樹のダンジョンの最深部に向け、分かれ道右側を進むが何故か前方に巨大な蜘蛛が、道を塞いで居た。

 

「何だ? あのモンスターは?」

「蜘蛛ですよ、マイケルさん」

「見れば分かるが、何で俺達の前に立ち塞がってるかだ」

 

 何故かマイケルが、シリアスな探偵の様に言う。


「何か、固まってないか? あの蜘蛛モンスター」


 何となくだが、蜘蛛のモンスターは何故か攻撃をして来ない、何故か此方を無数の目で見ながら動揺してる様な、まさか漫画や小説で在るまいし転生したら蜘蛛でしたとか、無いよな……………無いよね?


「一応グレイ、鑑定してくれ」

「了解」


 グレイが鑑定スキルで鑑定すると、何故かグレイから「ゴクリ」と音が聞こえた。


「グレイ?」

「食材に成るモンスターらしいですよ、しかも蟹よりも濃厚なうま味…………」


 蜘蛛が何故か自分の脚を確認してた、色は確かに焦げ茶色だが確かに良く見ると蜘蛛の脚てより、蟹の脚て感じだ……………そうだなたまには鍋を振る舞うか。


「カニ鍋…………いやこの場合は蜘蛛鍋かな?」


 何故か焦げ茶色の蜘蛛が、脚を待て待てしてるがグレイとマイケルとルーシアさんは、獲物をロックオンした狩人に成ってた…………まあ私は見なかった事にした。


「・・・・・・(マテマテマテェ~)」

「何かモンスターが、命乞いしてますどうしますか?」

「・・・・・・・(ゲーム風に言うなぁ~!!)」

「・・・・・・勿論倒す」

「・・・・・・食料に慈悲はない」

「カニナベとは何か知りたいので、サクサクと倒しましょう」

「・・・・・・(そこの私と同じ日本人デブ、助けなさいよぉ~)」


 何故か無数の目から、何か液体が出てるような……………まあ良いか。


「カニ鍋だ!」

「蜘蛛のカニ鍋だぁ!」

「カニナベですね」

「・・・・・・(私がカニ鍋食べたいけど、何で私が蜘蛛に転生してカニ鍋にされるのよぉー)」


 こうしてゆう……………蜘蛛は、他の世界で神のうっかりで死んだ人間は、本来とは少し違う時間軸に来る世界で転生したが、残念ながら食いしん坊に倒されたのだった。


 他の時間軸では、釜飯食べてたり店を開いたりしたが、不運にも出会った相手が悪く倒されてしまったのだった。

 本来は悪人の魂がモンスターに成るが、彼女が何故に高級蟹よりクリーミーで美味しい絶品の蜘蛛に成ったかは、彼女のせいではない並行世界の彼女の業(ごう)かも知れない。


「イエイカニ鍋」

「イエイカニ鍋」

「イエイですカニナベぇ~」


 三人は何故かハイテンションで、ハイタッチを交わしてた…………食い気で、しかも何故か一瞬の三人連携の剣撃コンボで、もうルーシアさんも前衛出来るよね?


「後で解体ですね」

「カニナベ楽しみです」

「天国では食べたが、此処では初のカニ鍋だぜ」


 ルーシアさんはテンション高く、マイケルのうっかり発言をスルーした、良かった変な追求される心配無さそうだ。


「さて進んで、また居たら狩らないとな、マイケルとグレイ」

「狩れる時に………」

「狩らないとな」


 グレイとマイケルが、仲良く台詞を言うが……………食欲にテンションが上がっての言葉の連携だよな?


「どんな美味しさか、楽しみ過ぎます」


 ルーシアさんは、何かマイケル達に感化(かんか)されて来てる様な……………。


 そして再び先へ進むが、この蟹脚の蜘蛛…………タカアシ蜘蛛は宝箱が在る部屋で、宝箱を何故か守ってたがさっきと違い泡を掛けて来たり、ハサミは無いが太い腕を振り上げで潰すかの様に、マイケルやグレイを狙って居た。


 因みに今回は流石に、ルーシアさんは魔法で援護に徹してた、流石に太い腕で殴ってきたりヌメヌメした泡を食らうのは、嫌らしく抵抗して来なかったから攻撃しただけだったらしい。


「今回のタカアシ蜘蛛は、攻撃して来たな…………まあカニ鍋に最終的には成るが」

「今回は攻撃して来たけど、カニ鍋に成る運命は変わらないのに、攻撃して来るなんて無駄な事を」

「まだ居るのですかね?」


 このルーシアさんの発言が、この後直ぐフラグがビンビンに立ってしまった。

 宝箱無くともタカアシ蜘蛛、何故かダンジョン通路の壁の空間歪みに嵌まった情けないタカアシ蜘蛛、天井からうっかり落下して自滅したタカアシ蜘蛛、何故か蟹脚なのに前進してしかもキモく素早い脚運びのタカアシ蜘蛛。


「何かギャグ蜘蛛が居たな」


 キモく素早いて、ギャグしかない。


「蹴り倒したら起きれませんでしたね」


 そのタカアシ蜘蛛を、サッカーボールの様に蹴ったグレイが言い。


「哀れな奴だったぜ、蹴られて腹を晒すなんてな」


 ルーシアさんに、トドメを任せ呑気にカニカマを咥えてたマイケル。


「私的には、倒し易くて助かりました」


 タカアシ蜘蛛の胸辺りに、剣を突き刺し一仕事終えた様な爽やかな笑顔のルーシアさん、何故に爽やかな笑顔で居るのルーシアさん。

 皆食べ物に成るとやる気が違うな、後で芋煮とかで使う様な巨大鍋でも買っとくかな、この蜘蛛結構巨大だし…………4m位は有るよな。


「さて、もうそろそろ最深部だな」

「もう居ないのかな?」

「沢山狩って、食い放題を目指すぜ」


 そんな食い放題を目指すなマイケルよ、私が疲れでダウンするわ。

 最深部に行くに連れ、足元に霧の様な物が現れる…………しかも何かひんやりした、空気が最深部方向から吹いて来た。


「何かひんやりするぜ」

「コタツが欲しく成りますね」


 そんなに寒くはないないぞ、グレイ。


「そこまで寒くはない」


 ・・・・て待て、グレイが何故にコタツを知ってる、確か毛布の隙間に潜り込んでる記憶が在るが、コタツに入ってた記憶は無いぞグレイ。


「コタツは分かりませんが、そんなには寒く無いですよ、グレイさん」


 意気揚々と歩くルーシアさん、何故か私の隣を寄り添うように歩いてるが、どうせボスに遭遇したら背後にまた隠れるに決まってる、私は隠れる為の柱とかではないぞ。


「さて着いたみたいだな」

「まあ着いたな、マイケル…………何故に中に入らない」


 何故か誰もボスの部屋に入らない、部屋の入り口の先に何かヤドカリと蜘蛛を合体した様な、赤黒い蜘蛛? が居るからだ…………何故か待ち構えて居るかの様だ。


「何か上に閉じ込める門が、在りますよ」

「確かに、逃げれない様にする様な感じの門だな」


 全員入ったら、上から一瞬で落ちて来て退路を塞ぐタイプだろう、まあ良くゲームのボス部屋の入口を塞ぐタイプだ。


「さて行くか」

「準備万端だぜ」


 不敵に笑うマイケルと、何故か目がギラギラのグレイは言う。


「イカよりは弱そうだね」

「イカて何ですか? グレイさん」


 イカはあのゴーストシップの事だろう、ルーシアさんを連れて行くかな、そろそろゴーストシップの食材が居るかも知れない。

 ゆっくりと歩き向かい、最後ルーシアさんがボス部屋に入ればやはり閉じ込められた。


 ガゴン


 重く響く落下音と、大地を揺らす様な勢いで閉められたので、少し足元が揺れたが大した事はない、地震に比べれば、野球ドームの様な空間の真ん中に赤い瞳を光らせ、ヤドカリと蜘蛛を合わせた様なボスは、ゆっくりと動き始めたまでは油断はなかった。

 だが意外に動きが良く、戦いは先手をボス蜘蛛に取られた、タカアシ蜘蛛は蜘蛛の割に糸を吐かなかったが、この巨体ボス…………ヤドカリ蜘蛛らしきのは口から糸の塊を放つ、広がった糸の塊はクモの巣状のネットぽいのが広がる。


「先手を取られた」

「グレイ回避だ!」

「何か狙われてるの、ルーシアさんの様な……………」


 確かに吐かれたクモの巣状の糸は、ルーシアさんを捕まえるかの様に放たれてる、何故に後方に一人居るルーシアさん狙い何だ?


「何か嫌です!?」


 涙目に成りながら叫ぶルーシアさん、何故に逃げないんだ!


「チィ……………」


 急いでルーシアさんに向かい、余裕が無いので脇に抱えてその場を大地を蹴る様に前方にジャンプ離脱し、危うくベッタリと少し粘り気が有る糸からが、コンマ数秒差でルーシアさんがクモの巣状の攻撃に、捕まる所だった。


「何かあれベタベタして、キツイ攻撃だなグレイ」


 マイケルが嫌そうな顔をしながら言う。


「まあ、あの位のスピードなら避けれますよ、何故かルーシアさんが狙われてますが」


 呑気に言うグレイだが、マイケルと顔を見合せ何かを示し合わせた様に、同時に走りボスに向け走り向かう。


「余り本気を出すなよ、グレイ」

「マイケルさん、それは禁句だよ」

「そうだったな」


 何か意味深な会話が聞こえたが、まさか今まで本気出さずに戦ってるて事はないよね? あとルーシアさん、何か不満な気配を出さないでくれないかな、あと結構食べてる割に軽いね。


「とりゃあ!」

「あらよっと!」


 何か軽く二人は蟹脚や蜘蛛腕を切り落とし、左右から目を蹴り潰す…………うわぁ~脚の裏の感触気持ち悪そう、まあ全く気にしてない二人だが。


「マサさん」

「トドメを」

「・・・・・いや、二人どやって良いぞ」


 何で私を指名したんだ?

 そもそも何時もなら、マイケルかグレイが隙有れば倒してるだろうに。


「良いらしいよ、マイケルさん」

「ならグレイやれ」

「嫌だよ、何か」


 お前らが倒したく無いだけかよ、ルーシアさんを降ろしてたら何故か赤らめた顔で、ジト目で睨まれる。


「・・・・・マサシさん………」

「はい?」

「私は荷物では、在りませんよ」


 ルーシアさんよ、それ今言う必要ある? 私は溜め息混じりに言う。


「・・・・・緊急時の為、救出手段は選びません」

「・・・・・(ソコは抱っこして、私を助けて雰囲気盛り上げてくださいよぉ~)」


 ルーシアよ、雅史にそんな甲斐性を求めるな。


「早く倒して下さい、マサさん」

「そうだぜ、早く倒して料理にして」

「それ賛成!」

「・・・・・・君もかよ、ルーシアさん」


 結局私が魔法を使って倒した、美味そうには全く見えないのだが。


「じゃあ倒したし、宝箱は出ないし帰るか……………」

「だね」

「白鯨で打ち上げだな」

「カニナベ、楽しみです」


 一応目印をしてから、大樹のダンジョンから帰るが…………何かテンプレが現れた。


「見掛けない奴だな」

「近くのダンジョンで手に入れた、アイテムとそこの上玉の女をおぐぇ~」


 何か汚い息を吐いてたので、問答無用で鶏冠頭の顔面を足裏蹴りして吹っ飛ばした、いかにも悪党の台詞を言うし何かイラッとした、マイケルとグレイも怯んだ世紀末服装のチンピラを殴り倒し終えた。


「悪が栄えた試し無しだな」

「何かテンプレな雑魚でしたね」

「グレイロープくれ」

「ハイよ、マイケルさん」

「・・・・・・・(問答無用ですね、3人共………………それにしても世の中には、こんな風体(ふうてい)の方々がいらっしゃるのですね、人生勉に成りますね)」


 こうしてゴロツキは、聖條京の役人に渡され少し冒険者達の治安が少し良くなったが、それはまだ氷山の一角にも満たない悪党の一端に過ぎなかった。


 そして大和神国に忍び寄る闇の足音、それはドラルーラからゆっくりと流れ込もうとして居たのだった。


 そして雅史達は、商業ギルドでダメ元で河童をだした、下半身の一部がイキりだったりするのは、ルーシアさんを狙ってた河童達だが何故に河童がルーシアさんを狙ってたかは?


「彼奴は、高い魔力の人間の女性を狙うねん、繁殖の為にな」

「何人か術者の女性冒険者が、一時期襲われて一部ダンジョンがそれ以来立ち入り禁止成ってますよ」


 ルーシアさんが納得出来ない顔で居た、魔力が平民レベルと言われ差別されてたらしい、ルーシアさんの国の貴族社会は魔力が全て何だろうか?


「余り傷の無い河童は、河童神社に高値で売りゃー」

「剥製魔法で干からびさせてからですね」


 河童を剥製にして、売るんかい!


「河童は不老不死の薬とか、昔は言われてはったが今は、貴族のお世継ぎの精力剤の材料やで」

「オークのアレより希少ですよ、河童のアレは」


 ルーシアさんに配慮してか、睾丸(こうがん)を『アレ』で済ませてる…………河童のナニで野郎のアレを活性化、何か笑えんな……………日本で売ったら、儲かるかも知れんが。


「アレて何ですか? 雅史さん」


 何で私に聞くんだ? そもそも、貴族とか性知識とか知ってそうな気がするが、まあ何となくルーシアさんに河童のナニとは言えんし、なんかセクハラぽくって言えんし。


「やっぱり聞いてくるやん」

「ギルマス、少し悪い顔に成ってますよ」


 扇子で口元隠すギルマス、まあ何となく面白くて笑いを堪えてそうやな、顔はイタズラなちょいワル狐に成ってるが。

 こうしてお金を大量に手に入れた、あと河童は色々餌に成るか試す為一部残した。


 白鯨に戻り巨大鍋を買い、マイケルとグレイに鍋を洗ったり水を入れたり、椅子やテーブルの用意を任せた。

 ルーシアさんには、野菜のカットをして貰う…………働かざる者食うべからずだよ。


「カニナベの為(本音は、雅史さんと二人きりの幸せじ……………コホン、来ないかも知れない未来の……キャ)」


 何かルーシアさんが、もじもじしながら野菜を切ってるが…………器用にも程がなかろうか?


「さてタカアシ蜘蛛の腕を…………斬る、違うな切るだなたぶん」


 身にダシが染み渡る様にし、色々調味料等を爆買いし芋煮用の巨大鍋にドボドボ入れて、ゆっくりとマイケルとグレイが魔力火力調整し、アクを取りながら香りと共に三重奏の音が聞こえる。


 まあ蜘蛛だろうが、蟹だろうがモンスターの殻のままにぶっ込んでない、因みにショップに殻を売ったら何故か売れた、因みに一部殻を焼き粉に出来るか試したが硬すぎて、ダシとして使えないと判断したが後に売った殻が粉に成って売られて居た。


「カニうまうまうー!」

「美味い、もう一杯」

「・・・・・・・」


 無言で一人食べるルーシアさん、なんか古いネタぽい事を言うグレイ、なんか青汁ネタを不味いを美味いに変えて言うマイケル、そして何故か私は一人寂しくキツネうどんを食べる……………甘いお揚げがたまらん。


「お代わりは自分でしろよ」

「はぁ~い」

「あいよ」

「・・・・・・」


 まだ無言ですね、ルーシアさん……………夢中過ぎるやろう。

 暫く私達は、のんびり休むのとレイクサーペントの仕込みや、白鯨でインベントリの整理整頓に要らない鉄武器の安値で売り払いや、何か異世界らしき品が増えてるので食材に買って研究したり、何か油断してたら一ヶ月以上無駄に過ごしたとは言えない、少し変化が有るとしたらやはり側に何時も笑顔で居るルーシアさん、何か春の日溜まりを一緒に居るような感覚をたまに覚える、この気持ちを今は大切にしたい何時か決心する時までは。


 まあ、その時が来るかは分からないが……………。


 追伸、この頃何故か少し痩せて来た様な…………気のせいだな。


 続く……………。





 マイケル∶この頃、何かマサさんぐったりしてないか?

 グレイ∶先週から特にぐったりしてますよ、特にこの頃新しい食材買ったのを僕らが直ぐに食い尽くしてる辺りから。

 マイケル∶・・・・・・。

 グレイ∶・・・・・・・。

 マイケル∶少しは自重するか。

 グレイ∶倒れられたら困りますからね。


 果たして、雅史が痩せた原因は本当にそれかは不明である。

 

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