大樹のダンジョン其の四(地底湖編)
「お前もビームライフルの、餌食にしてやるよ!」
「・・・・・・・(なに言ってんだ? 小さき餌よ)」
グレイは翌朝、河童狩りに行ったら巨大な地底湖から湖龍に遭遇した、体表面はドラゴンや龍に近い鱗に覆われ、硬い鱗は下級竜と変わらない鉄の武器では簡単に倒せないモンスター。
龍の様な長い髭に、爬虫類系のドラゴンや龍の様な頭部に青い鱗は、水属性であり炎や水の攻撃を保々無効化する、一撃必殺の攻撃以外はこのレイクサーペントには無駄な攻撃である。
「お前、意外に美味そうだな…………魚だし」
「・・・・・(何を言ってんだ? 小さき餌よ)」
グレイはレイクサーペントを、食料として強く認識した。
「まあ、直ぐに倒してやんよ」
「・・・・・・(何言ってるか判らんが、馬鹿にされてる気がするな………)」
グレイとレイクサーペントは、お互いに対峙しながら遠距離攻撃体勢に入った。
「貰った!」
「・・・・・・! (喰らうが良い!)」
グレイの、ビームライフルのトリガーを引くのと同時に、レイクサーペントは口を大きく開きエーテル水魔力をレーザーに変え、お互い同時にビームの閃光と水魔力のエネルギーレーザーブレスが放たれた。
「当たらんよ」
「・・・・・(何!)」
グレイはアクロバティックに、レイクサーペントのブレスを回避しビームライフルの閃光は、レイクサーペントの左目を貫く。
「・・・・・・・(バカな!)」
レイクサーペントの、怒りと痛みの雄叫びが空気を振るわせ響く、だが疲れた三人は無視をし現状確認をしない、疲労困憊のルーシアは特に空腹だが筋肉痛や魔法枯渇疲労の反動で、気になるがトイレ以外出歩く気力が出ない。
「アレ? 何時もなら、マイケルさん辺りがクレーム言うが、今日は静かだな」
マイケルは、昨日激しく動いたせいで今日は動きたく無い気分だった。
「まあ、僕が美味しいモンスターを狩って、マサさんに料理して貰おう、マイケルさんには負けられないからね」
間合いを測りつつ、グレイは左に回り込み左頭部側面を狙い、再びビームライフルで撃つが頭を低く下げられ躱される。
「まだ、終わらんよ!」
少しキザな台詞を、グレイは言いながら少し威力を落として、連続で同じ場所に向け連続射撃したが一部鱗に弾かれたが、何とか数発が着弾したが鱗を焦がすか、一部鱗が剥がれただけで直ぐに剥がれた鱗は回復した。
「再生能力か…………だけど目は、回復しないみたいだね」
ニヤリとするグレイ、グレイの気配を追い攻撃を続けるレイクサーペント、だが戦いの終わりは突然に起きる、一番鱗の弱い部分にグレイのビームライフルの閃光が、ラッキーパンチに入り貫き頭から血が流れ出す。
「・・・・・・倒せた……………」
水柱を立てレイクサーペントは、地底湖に沈み始めるのを見て慌てグレイは回収する。
「どんな美味しい魚かな?」
グレイはレイクサーペントを収納し、一旦戻り解体場に行きレイクサーペントを解体した、料理が食べたいグレイは雅史を呼びに部屋に駆け込んだ。
「マサさん、起きてご飯作って下さい」
「・・・・・・疲れてるから、もう少し…………もう少し寝かせて…………」
「嫌です、あの長い魚が食べたい!」
「・・・・・長い魚?」
私はグレイが戦ってた、何かウミヘビの様な物体を思い出す…………が。
「あと少し……………」
「絶対に起きたくない、言い訳ですよね?」
布団ごと私を揺すり、テコでも起こそうとグレイは揺する……………ウッ、揺れが気持ち悪く成って来た。
「起きる、起きるから、揺するのや~め~てぇ~く~れぇ~」
「本当に起きますか?」
疑問符付きで、揺れが収まる…………ぐったりとした私を見なかった様に、布団を剥がし手を掴み引き摺って布団から離す。
「早く早く…………お腹ペコペコです」
「私は疲労がまだ抜けんよ…………、後でまた風呂に入るか…………」
パジャマ作務衣から、部屋着作務衣に着替え何か不思議な飲み物が、ラインナップしてたので買って飲んだら、疲労があっさり回復した…………しかも瓶は日本製、何だか分からないが疲労回復したし美味しいし、数本買ってマイケルとルーシアさんに渡したら、二人揃って回復した……………ルーシアさんにはジト目で睨まれたが、まあ女の子の部屋に慌てて入ったらアカンな。
一応ノックして返事を待ってから、入ったからその辺りのデリカシーはちゃんと手順を踏んでるよ、返事を聞いて速攻で入って捲し立てて飲み物の説明はしたが。
「・・・・・・(雅史さん、異常にテンション高過ぎです)」
「・・・・・・何が始まるやら」
何故かマイケルまで、私とグレイをジト目で見る…………待て、グレイは分かるが私をジト目で見るなマイケル。
「長い魚を解体したんで、マサさんに料理を作って貰おうと」
それを聞いて、腹ペコ二人は私に向け目を光らせる…………怖いよ、目が血走り過ぎだろうよ二人とも。
「早く食事にしましょう」
「腹ペッコラーだぜ」
何か何処かのキャラみたいな風に、腹ペコを言うなよマイケル…………人参食うのか? マイケル。
因みに長い魚は、レイクサーペントて海竜の仲間らしい、まあ亜竜の仲間だがドラゴンより龍の方に近いモンスターらしい、漢字にすると湖龍に成るし…………湖龍は毒が無く肉質も柔らかい、一応鰻やウミヘビの様な滋養が高い肉であり、血はやや毒気が在るが鰻も血やら毒だし変わらないだろう、一応強酸の胃液やら劇物も含まれてるが、水のエーテル魔石ゲットは一番大きい、一応売りに出したら売れたよ…………水エーテル魔石用の水道と一緒に。
「美味しいですよ!」
「おかわり!」
「おかわり!」
一応白焼きにして出したら、箸とフォークが止まらない三人…………私は何時、休憩が取れるのだろうか?
「私も…………おかわり下さい」
赤い顔をしハニカムルーシアさん、モジモジした姿は可愛いが小さい身体の何処に、栄養は向かってるのかな?
結局ルーシアさんは白焼き三枚を食べ、満足して食後のティータイ…………もう昼過ぎたけどね、マイケルとグレイには八枚目で強制ストップのチョップを食らわせた。
「・・・・・もう少し食べたかった……………」
「────まだ足りない、足りないヨォ~」
「・・・・・知らん、自分で作れグレイ」
何故か私の言葉にガッカリする、マイケルとグレイだが私はまだ昼を食べて無いぞ二人とも、疲れたし牛丼のレトルトをお湯で温め丼にご飯を盛り、温まった牛丼をぶっかけ食う。
「牛丼、高いが美味い…………」
「一人だけズルい」
「だよなグレイ」
何か文句を言ってるが、グレイとマイケルの食べた量は普通のひとの7倍は食べてるからね、大きな皿にカットし食べ易くしておかわり八皿は食べてるからな。
因みにルーシアさんは、マイケルとグレイの半分を二皿出してる…………結構食べるねルーシアさん、ロールパンも一袋分食べてたし。
昼休み後から、マイケルとグレイとルーシアさんは釣りに行き、私はレイクサーペントの肉を切り分け竜田揚げの準備、鶏肉に近い肉質からブロック切りしタレに漬け込み寝かせる、タレは本みりんと市販みりんをブレンドし、醤油は山梨と東海地方の醤油と市販の、鰹ダシやカキダシ醤油を使ったタイプと分けて目印もし、生姜のブレンドや使ったのは記載せず適当にした、魔法で結界を展開し竜田揚げの防御は完成した。
だが一時間経過し、一部をインベントリに入れ新しくタイマーをセットし、またブロック切りを繰り返す…………大量に作れる時に作らないと、後が楽ができないからだ。
調理開始から三時間後、やっとブロック切りを終えた…………長かった…………本当に長かった、タレは漬け込みはまだ終わらないがステンレスボウルを買い過ぎてるし、一旦要らないレイクサーペントの鱗や革をショッピングの売却で売り、資金を増やし大量の片栗粉を安売りから買い占め、ステンレスボウルを買い足し片栗粉を洗って水分が無い、綺麗にしたステンレスボウルに入れ手袋をして漬け込み終わった、レイクサーペントの肉に片栗粉をまぶして行く…………。
片栗粉をまぶし終わったのから、ステンレスボウルに置き流れ作業を繰り返す、揚げるのはまだ先だ…………何かグレイが解体場に向かう途中、何かロックオンされた気がするが我が防衛ラインは最強である。
「おやつにひと……ぐふぇ!?」
結界に盛大にぶつかるグレイ、さて無視をして見なかった事にして、少し揚げる準備を始める……………もう夕方の四時を過ぎた辺りらしいが、地底湖に居るから時間感覚がイマイチ分からん。
油温度計二つと大きめの揚げ物鍋二つと、大量のクッキングペーパー等を用意し、植物油のサラダ油を安売りから買い揚げ物鍋に入れて油を満たす。
「先ずは一度揚げの低温からだな、二度揚げの温度は180℃だったよな」
温度計をセットし、ガスプロパンを閉じたトルクを開きガステーブルに火を着ける、温度計を見ながら火の火力を調整し低温と高温に分ける。
「さて…………揚げるか…………」
揚げ物用お玉に、肉を載せゆっくりとお玉を油に入れ肉を投入、ゆっくりと揚げ一回目の揚げを終え菜箸で取り上げる、ステンレスパットに入れ次の一度揚げを投入し、一回目の揚げた竜田揚げを二度揚げを開始する。
まあ家の味ではないし、家は一回揚げが主流だったな…………主に母がめんどくさがりだったからだ、揚げる手間は掛けないタイプだ………まあ普通に美味しかったが。
換気扇を回し香りを外に出す、結界にへばり着く何かを無視して更に揚げる、何か抗議の声がするが無視だ無視。
「食べさせろー」
「腹減りましたよー」
「あのぉ~…………少しだけ、食べさせて下さい」
「何だそれは、私にもくれぇー」
? 何か居たような、まあ気のせいだな……………マイケルとグレイにルーシアさんに、何か黒いタヌキらしきのが見えるが無視し、二度揚げしクッキングペーパーで油切りしたのを皿に載せ、インベントリに収納。
揚げてた途中、どんどんと叩く音がうるさいから二皿と小皿を渡し、先に夕食を取らせたが釘は刺しとく。
「夕食はそれだけだから、おかわりはなし」
全員何故か絶望した、仕方ないから一つ生姜の量を失敗したのを一度揚げして渡した、何故か喜ぶ三人と変な物体の黒タヌキ…………後に悶絶してたが………、やはり入れ過ぎてたか生姜と……………少し分量間違えたアレを。
「何か塩強くない?」
「生姜もだぜ」
「だけど美味しいですよ」
「酒くれぇ~!」
何か黒タヌキが騒いでるが無視、全部揚げてから唐揚げ粉をまぶしたのを最後に投入し、立ち食いしながら次のメニューを考えない、まあレイクサーペントの竜田揚げは好評なので、また肉を手に入れたら鶏肉ぽい肉質のからまた作ろう、他は白焼きやら照り焼きにすれば良いや。
水棲モンスターだが、魚臭くないので助かるには助かる、鶏肉に近い食感とあふれでる肉汁は美味しくジューシー、何か視線を感じるが無視をしご飯を食べながら次の唐揚げを食べる。
「チーズやレモン味も、いけるな」
「じゃあ私に、それも頂戴」
「ズルい、ルーシアさん」
「抜け駆けは良くないぜ」
結界の外からあざとく言うルーシアさん、そして暴れながら結界を突破を画策するグレイとマイケル、だが簡単に入れないよ……………一部解放したが竜田揚げ渡したら直ぐに、元に戻したから入れないし私からも解除しないと出れない。
こうして片付けが終わるまで、結界を維持して何も無い事を確認後解除して、風呂に向かった……………疲れたな。
この日まだ何処かに、唐揚げや竜田揚げないか探し回ったらしい三人とタヌキ、翌日黒タヌキは居なかったが疲れた顔をした三人が、ダイニングで燃え尽きて居た……どんだけ竜田揚げ食べたいんだよ。
こうして数日、地底湖で普通の魚を釣ったりもう河童は出ないが、レイクサーペントを狩ったりした…………黄金の鰻は、後で考える事にして低温対策して地底湖に入り、エーテル魔石の水・氷・地の三種類をゲットした。
一部小さいのは売りに出した、代わりに疲労回復グミてのを買ったが、色々な次元世界の物が買えるみたいだ。
「何だか分からんが、良い通販的なショピングシステムをありがとう、何処の神様かは知らないが」
数日間過ごし、地底湖にまた来れる様にしてから雅史達は、元の別れ道まで戻り大樹のダンジョン奥に四人は進むのだった。
まだ次回も続く。
ルーシア∶遂にこの奥には、ダンジョンのボスが居るのですね。
マイケル∶俺達の戦いはこれからだ。
グレイ∶マイケルさん、その台詞物語の最後に言う台詞ですよ。
マイケル∶・・・・・さて、行くぜ!
グレイ∶そ知らぬ顔して誤魔化したよ、マイケルさん。
マイケル∶うっさいグレイ。
グレイ∶痛い。
マイケルに拳骨を食らった、グレイだった。
因みに雅史のレベルは九十台に到達、ルーシアはレベル八十台に到達してます。