大樹のダンジョン其の三(地底湖編)
モンスター牛肉等を使った、異世界肉のメンチカツの昼食と仮眠を終え、片付けと装備の見直しやトイレ等を済ませ、宝箱の部屋からゆっくりと出てまたのんびりと進むが、今回はグレイが先頭を歩く…………暴走したら、おやつ抜きの夜は夕食抜きのペナルティ付きで。
まあ普通に夕食は出すが、こう脅しとけばブレーキには成るし真面目に先頭を歩いてくれる、魚が出ない夕食に絶望したくないだろうし。
「夕食抜きを回避だ」
「やらかさ無ければ、良いだけだろうがよグレイ、まあ俺にはまったく影響はないけどな」
涼しい顔でマイケルが、ルーシアさんの後ろからグレイに言う、今回はマイケルは後方警戒だ…………一応派手な武器は使用禁止に制限してるし、マイケルはガトリングやロケットランチーが、遠距離支援火力のメインウエポンらしい。
因みに魔法弓のサブウエポンも在るらしい、一回で四本の光の矢を撃てるが追尾機能の無い前方に放つ位しか、使えないらしい…………がマイケルよ、一射一射狙って放ってでも良くない?
そしてあの人面樹らしきのは、いつの間にか居なく成ってたが警戒は怠らない、ダンジョン中腹辺りまで来ると二手に別れた道に辿り着いた、右は更に奥に行くルートで際奥に違う道が在る様だ、左のルートは地底湖だがこの分岐の柱の根元に、実はあの財宝の地図が使える。
「マイケル、財宝レベルの鑑定結果は?」
「レベル4ですね、七段階の財宝レベルですが」
一応財宝レベルは1~7の七段階有り、レベル1~2は普通には手に入らないがそれ程価値は高くない、主に古いポーション系の錬金術レシピや骨董品のクリスタルソード、宝飾されたバックラーや大盾と金持ちが欲しがりそうな武防具が多いらしい。
レベル3は鉄武器では強力な部類の、特殊なサーベルや剣等が出始める、一応ルーシアさんはショートソードなら扱えるらしいので、護身用の耐久性が高いディフェンスソード辺りが欲しい、小刀ではルーシアさんが扱えないからだ。
「あのスコップで、グレイここ掘れニャン」
「・・・・・ハイハイと……………」
今のはギャグかな? マイケル。
そして今グレイがマイケルのスキルで、地面がふんわり光る場所を掘り始めた、マイケルも財宝発掘スキルを使いながら、スコップをルーシアさんから借りて財宝の宝箱の頭を探し掘る。
カン………カン
何かスコップが硬い何かに当たったらしい、一応粗方見えるまで掘ってからでないと掘削魔法を使えない、掘削した土は何処に行くかは知らないが財宝の宝箱が現れたので、掘削したが土の山は何処にも無い。
「グレイ、ワナ感知を頼んだ」
「任せてよ、マイケルさん」
一応スキルでワナ感知を発動したが…………。
「無いね、ワナとか」
「良し開けるぞ!」
「お宝♪ お宝♪」
「マサさん……………」
何で私を変な目で見る、グレイよ。
豪奢な長方形の青い財宝の宝箱を開く、中は真っ赤な豪華なシルクの布張りで、中には長剣型ソードとアラビアン的な長い曲刀に、大剣クレイモア系にある左右の唾先がクローバーの葉型の三連の輪が在る、特長的だが此方は四連の輪が在り普通の大剣クレイモアよりも大型、此は有名なあのクロスクレイモアらしく、鞘から抜き見ると剣身のブレード辺りが広く、刃のカッティングは剣の重さ殴り斬るよりも鋭い角度のカッティング部位で、どんな堅いモンスターも切り裂けそうな刀身だ。
日本刀の古刀とはまた違った、切れ味を持つ大剣だろう…………まあマイケルが気に入り、背中に背負う様に装備した……………まあ刀身が身長位は有るからな。
「シャムシェールて、何かカッコ良くないですか?」
「さあな、曲刀は良く分からん」
「このソード、刀身が綺麗ですね」
ルーシアさんが手にし、鞘から抜いた刃は氷の様に澄んだ刀身で、ルーシアさんが扱えるかは分からないな、欲しいなら装備すれば良いが扱えるかは本人次第だろう。
まあ最悪ルーシアさんに秘匿してる、力を使いルーシアさん専用武器を作っても構わないが、与えて良いか迷う所だ。
私は死の商人ではないから、武器や防具の作るのは必要性が無ければ成らない、それにそう簡単にイメージして作れる程、簡単ではないし自分のやマイケル達なら何となくイメージが固まり易い。
「まあ、考えとくか」
「?」
ルーシアさんが、何故か私の顔を不思議そうに見てたが、何故かどんどん顔が赤くなる、私は面白い顔では無い筈だがな?
「あと五千アイリス在ったぜ」
「マイケル二千で、千アイリス三人で分配だな」
「そうだね」
「私何もしてませんよ?」
「旅の仲間だから、良いんだよ」
「・・・・・・(一応、城からそれなりに持って来ましたが、貰えるなら貰いましょう…………雅史さんからの初めての…………)」
何かに顔を赤らめながら、ルーシアさんは千アイリスを受け取った、マイケルとグレイはどうせ後で此買いたいとか言って来るだろう。
財宝の宝箱をの蓋を閉じたら、何故か光に成って消えて行った…………流石ファンタジーだな、そして私達は左に向け進み途中魔法で行き先を照らし、ゆっくり下りに成った坂道をゆっくり歩き行く。
「結構静かだな、もしかして初心者冒険者が行く場所では無かったかな?」
「・・・・・今頃気付きましたか」
「まあ、マイケルさん指摘しなかったし」
「・・・・・・道理でモンスターが、何となく強い訳ですね」
ルーシアさんは納得した様に言う、何時間歩いたか分からないが通路の先が青く輝いて居た、どうやら着いたらしいが私達はヘトヘトだ、休める場所を先に探してから地底湖を見よう、変なモンスターが居なければ良いな。
通路から出て広がる地下の光景、不思議に光る天井の月の様な青い円形に光を反射する巨大な地底湖、遥か奥に滝の音らしき小さな音がする……………どんだけ広いねん。
近くの岩の隙間に光る水晶、他にもダイヤモンドやブルールビーの原石、初めて知る淡い青い色のブルームーンクリスタルて、月のブルームーンやウォータームーンの様な色の、珍しい宝石の原石らしい。
他にもピンクの淡い色をした、フルムーンピンクや地底湖には氷や水のエーテル魔石の反応が在る、湖畔は砂金やプラチナが混ざる砂浜で砂浜には座り易い岩や、砂浜の部分は少ないが岩が何ヵ所も防壁に成って居て、モンスターから隠れながら戦える利点が此方が有利だが、さてどんなモンスターが居るやら。
悪霊の妖怪系の類いの餓鬼が、モンスターとして居るし何か居そう何だよね、水場に居るあの妖怪とか…………あの妖怪、味方だったりするには良いが敵だと厄介な存在何だよな…………特に、ジャンプ力が異常とか水辺に居ると水中に引きずり込まれたり、力が異常で捕まったらルーシアさんも私も勝てないだろう、何となくマイケルとグレイは返り討ちにしそうな気がする。
「広いですね、地底なのに雅史さん」
「そうだねルーシアさん、まあ地底だが地下数十メートル位かな、山の地下水とかが集まる場所みたいだ」
ルーシアさんと話してたら、グレイが聞いて来る。
「魚居ますかね?」
「モンスターは、居そうだよな…………」
「美味いのなら、うエルカムだ」
マイケルよ、不味いモンスターだったらどうする気だよ。
何て思ってたら、何やら水面に波紋が起こり水中から何かが来る、モンスター反応が八体位反応する。
「警戒だ、モンスターが来る」
「うっかり忘れてたよ」
頼むからグレイ、警戒してくれよ。
「まったくグレイは、またかよ!」
「またて言わないで、またて!」
ルーシアさんは新しい長剣型のソードを抜く、一応扱えるには扱えるらしいが貴族のお嬢様だから、扱えるのかな?
「マサさん来たよ」
「まさかかよ!」
一番恐れてたモンスターが、水から水柱を立て高く跳躍し岩の天辺に着地したり、ルーシアさんを囲む様に着地する、深緑の肌に頭の皿に河童の口ばしと甲羅、水掻きは昔話に出る河童のそれだ、あと身長は私と変わらない、意外に身長あるな。
「・・・・・・・(人間の雌だぜ)」
「・・・・・・・(久々の人間の雌)」
「・・・・・・・(俺が先だぜ)」
何を言ってるのか分からんが、ルーシアさんがピンチなのは変わらない。
「ルーシアさんを助けるの優先事項だ!」
「了解だぜ」
「了解、河童の尻にブチ込むよ」
何を河童のケツに、ブチ込む気だグレイよ。
「河童狩りの、パーティーの始まりだぜ!」
「やりますよ、ビームをブチ込んでやりますよ!」
────ビームライフルのビームかよ、まったく何をやらかすかと思ったわ。
「ルーシアさんは魔法で防御」
「分かりました、マジック・イージスフィールド展開」
見えない精神・魔系の防御魔法だ、魔力の構成や強度により物理や魔法攻撃を防ぐドームフィールド、岩場だから地面から敵は現れないだろう、砂場なら分からんが……………砂場に隠れる水棲生物、居たような気がするな。
息を腹の底まで行き渡る様に吸い、気合いを入れ私は声を出し言う。
「さあイクゾー!!」
「おう!」
「ガッテン!」
私はモーニングスターをハンマーにした、ハイパーハ○マー擬きの鉄球を放つ、何か馬鹿にしてたらしく笑ってる河童の一体に、顔面に鋭く早くブチ当たったイガグリ鉄球がクリーンヒットし、頭の皿まで粉々に砕き遥か遠くに吹っ飛ぶ河童。
何が起きたか分からない、河童とルーシアさん……………ルーシアさん何故に此方を見て、両手を繋ぎ囚われの姫の様な顔をしながら此方を見てるが、ルーシアさんてお嬢様だよね?
「油断したな、河童野郎がぁぁぁぁ!」
「尻にビームを食らいな!」
何かグレイがキャラ変わってるが、気のせいにしとこう。
「何か役得ですね」
何か楽しんでない、ルーシアさん?
「オラオラオラ、みじん切りの刑だ」
「逃がさないよ、ケツにビームを食らわせる……………外しはしない」
何でグレイは、河童の尻に固執するんだ? しかも、何故かシリアスな声で次々に河童の尻にビームライフルでビームを撃ち込む、まあ甲羅で防御するが撃ち貫くビームライフルの閃光、私も二撃目を新たな標的の岩の天辺で高みの見物をしてる河童に放つ。
「お前がボスかよ!」
「・・・・・・・(邪魔な人間だな、人間の雌を食えないではないか!)」
「くたばれ、河童野郎」
「・・・・・・・(人間ごときに我は倒されんよ…………グェ!?)」
「逃がさんよ、河童野郎が!」
逃げようとしたのか、それとも躱せると思ったかは不明たが、股にイガの先端がハンマーの加速噴射の威力も相乗し、男のアレ辺りに命中し悶絶の河童顔で泡を吹きながら落下して来た。
「・・・・・・・(無念……………)」
だがまだ現れる、河童のボス倒したのではないのか?
「・・・・・・(人間の雌の匂いだ!)」
「・・・・・・(俺の子を産ませてやんよ!)」
「・・・・・・・(人間の雄ばかり増えやがって、人間の雌が来ないから此方に来たら幸運だぜ)」
まだ現れる河童だが、グレイとマイケルは獲物が増えて逆に喜ぶ、マイケルはクロスクレイモアを鞘から抜き、ニヤリと笑みを河童に向ける。
「新しい俺の剣が、お前達を地獄に誘(いざな)ってやるぜ」
大地を蹴りマイケルは、河童に向け突貫するが河童も水掻きの手の平から水を放つが、俊敏に回避するマイケルには当たりはしない。
「さて、私達も頑張ろうか……………」
モーニングスターハンマーを仕舞い、太刀に換装し雪月花光月(せつげっかこうげつ)を鞘からゆっくりと抜く、一つ息を整え長くも重い古刀の雪月花光月を上段に構え、スキルの神速を使い走りつつ加速し素早く河童に斬り込む。
「先ずは一体!」
「四体目!」
「六体目!」
マイケルとグレイが割り込んで来る、あと前にマイケルに渡した剣はどうしたんだ? アレ、さっき手に入れたクロスクレイモアよりも攻撃力高い筈だぞマイケルよ。
「まあ良いか、太刀の感覚に成れたいしどんどん斬るぞ」
「ケツ、ソコー!」
グレイは何故か、まだ河童のケツを狙いビームライフルを放つ、そしてルーシアさんは暇そうに安全な場所で一人戦いを観戦、水中からやって来るヤラレ役の河童達と、河童を真っ二つにしたり貫いたりと河童の骸が増えて行った。
「・・・・・・河童の緑の血で、滑り易いな……………足場が悪い」
「何か寂しそうに、ルーシアさんが此方見てるよ」
「・・・・・「仲間にしますか?」 てか?」
そしてルーシアさんを見たら、何か釈然としない顔とジト目で睨んでいた。
「・・・・・・何か分かりませんが、馬鹿にされてる気がします」
マイケルも、ルーシアさんを見て言う。
「何をやってるやら、隙を見て反撃しないなんて、ルーシアさんは色々大丈夫か?」
喋りながらノールックで、河童を斬るのはヤメレ。
「私待機だった気がしますよ?」
「倒さないと、色々成長しないぞ…………攻撃魔法の熟練とか」
「そうよね、成長しないわよね(胸とか胸とか)」
何か違う事考えて無い、ルーシアさん?
「何か煩悩を感じるぜ」
「ケツに食らいな!」
何故かマイケルは、「煩悩を感じるぜ」と言ってルーシアさんを見るし、グレイは今居る河童のケツにビームライフルで狙撃、グレイの河童のケツに固執するのは何故だろうか?
「水の事故は、全てお前達のせいだな」
違うと思うぞグレイ、そもそもその河童は地球の河童とは違うぞ。
「尻をビームで、貫き焦がしてやる」
もうグレイは、逆怨みが過ぎるな…………まあ大量の河童を迎撃は助かるが、その内冷静に戻るだろう……………たぶん。
そして何時間経ったか、戦いは終わりを迎えた…………河童の骸が転がる風景と、疲れ果てた私とマイケルと魔力を撃ち尽くしたらしきルーシアさん、ソードは途中疲れて魔法に変えたからだ、岩場の一番高い場所で勝ち誇るグレイ、お前は何処の映画の主人公だよ!
こうして大量の河童の骸を回収し、奥まった場所にインベントリから家を出して、インスタント食品で食事を済ませ風呂から直行で、泥の様に布団に倒れて眠った。
翌朝グレイ以外、疲労で寝坊したがグレイの姿は無かった、まさかと思い外を見たら何か、龍の様な生き物と湖畔で戦ってたので、見なかった事にして朝食後に二度寝を私はしたのだった、マイケルとルーシアさんは居なかったが。
次回も続く。
グレイ∶お前もビームライフルの、餌食にしてやるよ!
モンスター∶・・・・・・・(なに言ってんだ? 小さき餌よ)
グレイの戦いは、まだ続く。
異世界肉には、他の世界のモンスター肉や日本の地方の豚肉が使われてたりしますよ。