無能と呼ばれた姫 幼少期編
時はドラルーラ王国のプリンセス、ルーシア・ドラクネスが十歳を迎えた年の話しから始まる。
ルーシアは王妃カテリーナ譲りの長く美しい青髪と、父である王ガラハルドの碧眼譲りの美しい眼をし、両親共に高い魔力量を保有し家臣からもルーシア派閥と、弟の第一王子のジェラルド派閥に別れては居るが期待は、努力を怠らないルーシア姫に集まって居た。
ドラルーラ王国の王城にて、まだ子供ながら魔力の鍛練に余念を余さず、王族の責務の為に勉学に勤しみ次期国王を継ぐ者の一人として、プリンセスであるルーシア・ドラクネスは天才の魔道師よりも努力し、王の資格の試練にルーシアは向かうのだった。
歴代の王は有事や勇者召喚等、王は必ず高い魔力容量が必要であり、異世界の地球から勇者召喚は出来なく成ったが、民を守る責務に魔力ハンコによる書類処理等結構魔力が必要であり、次期王は十歳で古くから使われてる魔力測定の、貴重な古代アーテファクトの水晶エーテル魔力測定器を使う習わしであり、不思議な台座に鎮座する水晶球は古びた様な年季が入り過ぎて居た。
台座近くには、魔力測定の不思議な砂時計型の脱着式の部品が在るが、それを悪用されると測定が出来なく成るが水晶の方は、厳重に女神の一柱の女神アイリスの神殿に、保管され王が取りに来る以外誰にも渡せない仕様であり、それは大司教だろうとも入る事も手にする事も禁じられし、王しか入れない聖域の倉庫に眠る。
そしてこのアーテファクトに似た、古代アーテファクトの簡易装置が改良された物が、今は冒険者ギルドので魔力測定や、冒険者カードを作る為の測定器として魔改造を繰り返されている。
そして歴代の王に女王も数少ないが健在する、それは王族の魔力容量による選定結果であり、それは生まれた順では決定されない魔力の才能によるが、魔力が高いからと言っても品性を欠く振る舞いをすれば、結局次期王としての器無しと王冠に判断されると、王に成れないと言うまた違う試練が在ったりする。
歴代その好い人の皮を被った者が、死にそうな程の痛みを王冠から受け王位を剥奪された者も居た、ある者は何故か悪事を働いて無いが王として相応しくないと、感電の様な痺れる痛みを食らった。
それは未来で何かを、王として品位やその格式を汚す何かをやらかす予知と、王冠が判断したとか言われてるが実際は、王冠もアーテファクトであり未来予測や世界線演算等ラプラスの箱と呼ばれる、時空演算領域魔法と全ての事象にアクセスし、アカシックレコードから未来の予測がされるが、実際は誰も王冠がとんでもアーテファクトとは知らない、世界を創った神と国の名の由来に成ったドラゴン以外。
そしてルーシアは謁見の間で、かつて父であるガラハルド王が通った一つ目の試練に対峙する、仰々(ぎょうぎょう)しく大臣の一人がアーテファクトを運ぶ、此は王族しか開けられない宝物庫から、厳重な見張り付きで早朝に取り出し盗まれない様にし、一部の関係者と見届ける王族に連なる者達と、その家臣である貴族が見守る中儀式は始まる。
全員固唾を飲み、ルーシアが水晶に触れるのを待ちどんな結果を出すのか、全員注目をする中でルーシアは胸を張り、落ち着いた雰囲気で挑んだのだった…………。
☆
私はルーシア、ドラルーラの第一王女で腹違いの妹も居るけど、私は母が違えど妹は妹と普通に姉妹として、可愛い…………本当に可愛いフランシスカに私は夢中よ、私が男だったら絶対にフランシスカは誰にも渡さない、たまに弟に「ルー姉様はロリコン過ぎる」と、何か嫉妬心剥き出しに私に言うわ、あと転生者語は禁止よ、ジェラルド…………。
*注意∶ジェラルド王子も重度のシスコンです、しかも努力家の姉であるルーシアに憧れと、腹違いの妹には可愛がられてる嫉妬は在るが、基本ジェラルドもフランシスカには甘いのである、砂糖菓子よりも濃厚に甘いのである。
まったく素直で無いジェラルドも可愛いわ、第二王妃のクラーラお母様も優しい方ですが、何故か公務で外に出ると顔を隠すベールをします、耳を真っ赤にして後でこう言います、「恥ずかし死ぬ」と……………クラーラお母様、王族に嫁いでるのですからしっかりして下さい。
二歳下のジェラルドは優秀です、「えっへん」どうですか? 家の優秀な…………何、知らないのですか? 私の可愛い弟を。
ジェラルドは八歳ですが、剣の才能と私に張り合いちゃんと勉強をしてますよ、何故か八歳の時の私より記憶力と学力が高いので、何時かジェラルドが私を追い越して行くのは分かるので、何か悲しさを感じます…………しんみり……………。
そして私は今日、王であるお父様も通った試練に挑みます、試練と言っても王位継承に相応しいかの魔力測定です、私は家庭教師のルーデウス様から魔法を学び毎度何故か、私のスカートを凝視してました……………変態さんて噂は本当だったのかしら?
*注意∶普通に変態であるが、ルーデウスはこの時には冒険者ギルドのトップだったが、王族の姫の魔法家庭教師と言う肩書きにより、本部ではなく王都のオスローホルム冒険者ギルドで、書類仕事以外は平和にこなして居た…………色々やらかす為、妻達の監視付きのルーデウス…………主に女性関係の類い、家族を大切にするが好みの女性に対し手が早い悪癖も持つ、もう新しい妻を増やして欲しくない妻連合である。
ルーデウス様からは、「筋が良い、一流の魔道師にだって成れるぞ、必殺技はファイヤーボールだ!」と言われました、他にも「ドラグ○レーブが撃てれば、完璧だが」とか言われました、私は少しこの人が苦手に成りました…………本当は凄い人ですが、たまに何を言ってるか判りません。
それでも感謝はしてますよ、たまに変態さんな視線でスカートを見なければ、もっと尊敬出来ましたよ。
私は昨日までの思い出を振り返りながら、大臣が持つ結構古いアーテファクトの水晶球に触れました、一瞬の目映い光が水晶球から光ると水晶球は少しひび割れた場所から、真っ二つに砕けました………………砕け……………私悪く無いですよね?
私は泣きそうに成りました、お父様はあたふたしてました……………助けてよお父様。
「どおしてぇ~!?」
私は咄嗟でしたが、思った事を口に出しました、ざわつく回りの大人……………怖い、誰か助けて……………でも助けてくれる人は居ません。
「割れたぞ、水晶球が…………」
「此は一大事、直ぐに新しい装置を…………」
だがこの時一人の大臣と、数人の貴族の口が『ニヤリ』としてたのだが、誰もそれを見逃しそして新しい貴族の高い魔力を持つ者を測る、近年開発された水晶球が都合良く運び込まれルーシアは測定を何故か、他の大臣の独断により計測した結果ルーシアは、魔力が平民並と測定された…………普通なら独断暴挙は許されないが、王のスケジュールや新しい測定用の水晶球を取りに行く、王のスケジュール調整が難しい為に、許されたが王としては独断暴挙が許せなかったが、政務では優秀な王の左腕の一人ではある為に、何も言えずに居たガラハルド王は後に悔やむ事に成る、それは娘好き過ぎる父親にして王としての責務に対する、生真面目さが色々後に仇に成る。
だがその大臣ドアルダンは、後に自分が犯した罪を精算する事に成る、共謀者の貴族と共に十七歳のルーシアが旅立った数ヶ月後、ルーシアと雅史にドアルダンと繋がりある裏工作をした貴族は、二人に逆襲され後に何家かも巻き添えに成り、ルーシアを計った貴族とドアルダンは、御家断絶に成りその成果も名声も国の闇へ消え去るのだが、それは語られるかは謎である。
意気消沈したルーシアは、部屋に引き籠りルーデウスは転生前の自分が過る、助けられなかった自殺した親友、親友の自殺を自分だと罪を擦り付ける主犯と教師、そして唯一信じてくれると信じてた家族は……………、ルーデウスの前世は人間不信に成ったがそれを救ってくれた身内が居た、たまに様子を見に来る弟と両親とは違い救いをくれた父方の祖父母だった、ルーデウスの前世はまだ味方が居た。
ルーデウスの前世を信じたのは、彼が犯人ではないと言い続けた親友の家族だった、そして親友の遺書が見つかったが結局教育委員会が揉み消したが、再び親友の家族が報道機関に真実を話したが、教育委員会は校長に揉み消した罪を押し付け、教師は何故か失職せずに他の土地に教師として働き、主犯格は軽い罪で終わりそしてルーデウスの前世は、高卒後もう親を信じれずに唯一理解してくれた父方の祖父母と暮らしながら、社会人の道を選び就職したまに親友の墓参りをし、普通に暮らすとある日の会社帰りに主犯格に何故か闇討ちされ、殺されてしまう。
後にその主犯格は、更生の余地無しと厳しい厳罰とまだ犯罪が出て来た為、その家族と主犯格のグループと人脈全員が警察同行を求められる事態に成る、後に色々とホコリが出て罪が増える主犯格のグループと、その人脈は世の中を少しざわつかせたが、結局数人の一家は空中分裂し一家離散し塀から出れても、もう家族に再開できない人生に成り、そして塀から出れても犯した罪は慰謝料と借金として背後にやって来る。
ルーデウスは過去を思う、味方でなかった両親の事を…………味方をしてくれた祖父母と親友両親に、たまにこっそり会いに来たゆい何時の家族の事を、親友の死と自分を親が信じなかった絶望に、自室で引き籠った日々を…………辛かったあの日、唯一の心からバカをやれた心から親友と呼べる相棒を失った、心の渇きと助けられなかった悔しさがルーデウスを動かす。
コンコン
「居ません、帰ってください……………変態先生」
ルーデウスは思った、『誰が変態先生だ!』と、だがルーシアは出て来る気配はない、下手に姫の部屋に入ったら最悪ギロチンだからだ、妻を残し死ぬ事は出来ない、異世界で人生最高の家族を残しては…………。
「変態ではないぞ、私は先生だぞ」
一応言うべき事は言う、近くにうろうろしてるガラハルド王や王妃二人が、どうしたら良いか分からずに困り果てての行動に、ルーデウスはルーシアは家族に愛されてるなと思うが、「変態先生」は酷くねぇかと思っていた。
「一人にして!」
「ルーシアたん」
「ルーちゃん」
「ルーちゃん、甘いお菓子よぉ~」
「要らないわ、クラーラお母様」
「バ…………バカな、ルーちゃんが私に冷たいなんて…………しくしく………………」
本当に落ち込み泣く泣く、クラーラ第二王妃……………この人色々メンタル弱く無いだろうか? 一応、王妃なのに。
あといい大人の王様が、「ルーシアたん」呼びは色々キツいぞ。
そして後にルーシアは、最終兵器四歳の妹のフランシスカの登場に我を忘れ、引き籠りは強制的に終了させられた、フランシスカの姉殺しの涙によりフランシスカの「はい、おねぇたま………あ~ん」に逆らえず、ルーシアは強制的に美味しい食事を詰め込まれたのだった。
ルーシアが幼い日々に、同世代の様に遊ぶ事もせずに生真面目で涙脆さもある、身内だけ知る優しい父と厳しくも民の為に王の責務を果たす、父の背中を追って積み重ねた努力は泡に成ったが、それでも民衆レベルの魔力容量だとしても出来る事があると、色々悩んだ末に二人の母親の愛情と一緒に悩んでくれた日々を過ごしながら、ルーシアは今の自分に何が出来るかを探す事にした。
「それで、裏は取れたか?」
「残念ながら…………姫を計った証拠が、少な過ぎます」
尻尾を掴み掛けては消える、長年近くで王を支えた者故に王の行動を読んでる様に、決定的な証拠が掴めない。
「シュウ・グラッドレスよ、敵は一筋縄では行かん様だな」
「御意に、ですが悪は長くは続かぬのも世の摂理で御座います、陛下」
ガラハルド王に対し、癖毛の紫色のワカメ頭に容姿端麗なニヒル系なガラハルド王の懐刀が、ニヤリと王に目を合わせ何やら動く様だが、しかし事態が動いたのはルーシア達が暴れた後に成り、そして捕まえる筈だった色々な国の闇まで姫に退治され、後にシュウ・グラッドレスは自信が揺らぎ少しの間休みを貰い、ルーシアを探す旅には王に止められ断念したのだった。
因みに尻尾を出した貴族は、漏れ無くシュウ・グラッドレスに捕まり凄くキツイ拷問を受けたが、雑魚しか掛からずに苛立ちガラハルド王も参戦し、ルーシアを見守る会は静かに怒り殺意を込め、全ての怒りを込め雑魚達に振るわれるのだった。
そしてルーシアは新たな壁にぶち当たる、それは十五歳の四月の王都オスローホルムの貴族学園が次の舞台に成る。
ネモフィラ∶遂に私の出番ですわ!
ルーシア∶一応ネモフィラは遠い、親戚ですよね?
ネモフィラ∶そうですわ、姫様
ルーシア∶私は只のルーシアですよ…………ネモフィラ様。
ネモフィラ∶私、姫様に「ネモフィラ様」なんて言わせたとか、王様に聞かれたら私わ不敬罪にされますからお止めに成って下さい。
ルーシアはニヤリとすると、ネモフィラに言う。
ルーシア∶面白そう。
ネモフィラ∶面白く無いですわ!
大臣ドアルダンは、基本優秀ですが息子が絡んだり利権が絡むと、裏の顔が出るタイプですが用心深く普通に悪事が出ない。
大臣ドアルダンは王子派であるが、それは誰も知らないスキルが関係してる。
大臣ドアルダンはルーシアに女王に成られると、その特殊なスキルが通用しない為不都合な事に成るのも理由の一つ、そしてその特殊スキルを与えたのは神ではない。
大臣ドアルダンの魂が保有してた、転生しても在る条件下でのみ使えたりします。
まあ後に、ルーシアと雅史にボコられますが。