暖かい風そよげ寒いぞ異世界
何か身体が寒く、鬱陶しく身体を揺する二つの気配、風は寒く更に私の体温を奪う。
グモォ~オ
グモォ~オ
グオォ~ン
「煩いぞ、牛モンスター畜生!」
「マイケル………さん、アイツらに言っても通じないと思うよ」
「うっさいわ、グレイ」
グモォ~オ
グェグェェ~!!
グモォ~オ
グモォーオ!!
「うっさいぞ! ソコの、オスモンスター畜生!」
「だから、アイツらに言っても・・・・・あと、あの鳥美味しそう」
「そんな事分かってるよ、だけどアイツらスゲーうっさいんだよ! 」
何かモンスターとか聞こえるが、一体私は何処に居るのだろうか?
あと寒い・・・・・起きないと、低温症死ぬ。
「うっ………………」
「気が付きましたか? ご主人」
「ヤッタァー!」
私は徐々に意識を覚醒させる、寒く通り抜ける緑の香りを運ぶ風と何か、家畜のあの匂いと非常に臭い濡れた土砂の匂い。
「・・・・・」
ふと身体を無意識に起こすと、自分と同じ位だろうか?
巨大な二足歩行する猫が居た、一部ネット民はネッコさんとか言ってるが、何だそれ誰のネタかは知らんが、また変な猫の用語を作れるもんやと意外に頭は動いてる、だが二足直立し此方を見る二人に…………二人であってるよね、に視線を送ると何故か口を開き人間の言葉を放つ。
「マサご主人、お久し振りです」
「ご主人、お久しぶり」
ミルクに溶かしたインスタントコーヒー色の、茶トラは何故か私を知ってる様だが、隣の白とグレイ色トラは何故か軽く親しみ易い感じがするが、何か二匹共に見覚えが在る気がするし、トムなら兎の様に短い尻尾だから簡単だが、この二匹は毛の色意外に特長が無い。
「最初に家で生まれた、マイケルとココアならあの茶トラは居たな、人間の言葉は話さないが」
薄茶のトラが、右肉球を上げ宣言する。
「マイケルですよ、マサご主人」
「・・・・・・エッ!?」
「因みに僕はグレイですよ」
「あの悪戯して、板をずらして金魚の水槽に自滅落下して、その後にたぶん肺に入った水槽の水で体調崩して死んだ」
それを聞きマイケルが、グレイを訝しげに見ていた。
(グレイから聞いてた死因と、違うじゃあねぇーかぁ!)
(何で僕の死因を、あっさりバラしたんですか! ご主人ぃ~ん)
そして、そのマイケルとグレイを見た先に広がる景色に、私は凍り付く様に固まった、そして私は思った事を叫んだ。
「なんじゃ、この光景わぁ~!?」
私は頭痛を感じおでこに手を当て、頭を整理する。
確か車で帰宅中で、雨の中トンネルに向け土砂崩れ復旧中の、片道通行の道を青信号で走ってた筈だ、決して前方から信号無視したトラックや、高齢者の車にぶつかった記憶はない、だが橋を渡った記憶はない…………ヤバい………私は死んだのだろうか?
「────だよな、死んで無いよな……………記憶は途絶えてるが、死ぬ程の痛みを感じた覚えはない…………筈」
雅史は言葉にしながら一人現実逃避を始める、まあ魂が肉体から大半抜け異世界に魂だけ来てるので、死んでるに等しい状態では在る、そしてそれを見てマイケルとグレイは言う。
「何かマサご主人が、錯乱したようにブツブツ言い始めたぞ」
「何かご主人が、壊れ始めましたよマイケルさん」
マイケルはグレイに言う。
「グレイ」
「なんですか?」
グレイはマイケルに、不思議そうな顔で頭を傾げながら返事をする。
「マサご主人アレだし、此から俺たちどうすれば良いんだ?」
「僕に聞かれても・・・・・・」
そして数分後、雅史は寒さで思考が出来なくなって居た、慌てたマイケルとグレイはずぶ濡れ泥の作業着を脱がせ、雅史の∞インベントリから適当に服を出したが、何故か二着も同じ作業着がありタオルを出し、雅史の身体を拭いたが泥がタオルを汚す、何故マイケルとグレイが雅史の権能を何故知ってるのか、何故扱えるかは秘密である。
「服や下着は確保したが、汚れは仕方ない………グレイぬるま湯だ!」
「了解にゃ!」
トムと違い、二人は火も水の魔法も使える。
「ご主人行くにゃ!」
「俺も準備だな…………あとグレイ、いきなり語尾に「にゃ」て言ってアピールするな!」
「テヘッ」
あざとく舌を出しながら、グレイは水を空中に出しコントロールしながら、人間の適温の温いお湯を沸かして雅史の頭からぬるま湯をぶっかける。
「ブォッ! ぐふぇ!」
水を暖めるコントロールは成功したが、頭上から掛ける水量を間違えたグレイは、雅史を少しぬるま湯と共に滝のような水量で少し流した。
「なにやって・・・・・あっ!?」
「アッつう!?」
マイケルはよそ見により、熱風のコントロールを失敗した。
「熱い上昇気流が、地面から結構熱々な熱さやで!」
長野県出身者が、名古屋弁を言うな!
「まったく、ひどい目にあったぜよ」
マイケルとグレイは逃げ出した、雅史から何やら怒りの気配を感じた為だ。
「この借りは、マイケルとグレイをメチャ洗ってお礼参りだな」
前世のマイケルとグレイは、お風呂嫌いだがグレイはお風呂を覗き見だけは普通にしてた、タバコ臭い約一名だけは近付かなかったが。
「昔の弱点を言われてますよ、マイケルさん」
「今や無意味な弱点だな」
この二人の意味深な言葉は、トムが温泉に入ってるのとはまた別の意味を持つ、濡れるのが基本嫌いなトムと、とある事により火や水魔法を使え濡れるの嫌がるのを克服した二人、だが基本食に関してはトムと変わらない二人であるが、トムとは違い普通に人間の料理も食べれるが、基本二人もサラダは食わなくてもなんの障害もない。
猫に草食は居ないからである、だがトムと同じく海鮮が大好物は変わらない。
そして数分後、着替え終わり雅史は色々説明を聞いたが、まったく理解はしてないてより異世界に来た意味も、何故にマイケルとグレイが異世界の旅のお供かまったく理解出来なかった、指名した訳ではないがマイケルとグレイが来たのは、雅史の願いに答えた結果だ。
「さっぱりしたが、ぬるま湯で流されるのは売れない芸人と、自称アイドルとほざく音痴野郎にしてくれ」
誰の事かは言わないが。
「芸人て、あのピコピコハンマーで殴られてる人かな?」
グレイが考え込みながら言うと、マイケルは思い出したかの様に言う。
「前に天国に来た、髪の薄い面白い人間のおっちゃんかな?」
何か、昭和の大物芸人な気がするぞ、特にマイケルその人は。
「マサご主人、メニュー画面を呼び出すと、ステータスや∞インベントリの現在入ってる中身が見れますよ」
「メニュー画面ね、ゲーム的な機能だな」
一応何か視界の端に、小さくメニュー画面て在るが小さいにも程…………サイズが見易くなった、状況によってサイズが変わるみたいだな……………必要無い時は、視界から見えなく成るのかな?
一応タッチパネル的な感じで扱うが、先ず最初に∞インベントリだが此は色々便利な物で、取説には無限に広がる物が朽ちたり腐ったりはしない倉庫であり、一応生き物も入ったり入れたりするが所有者は、∞インベントリには入れないらしい。
何か私だけの権能による機能らしいが、権能て何かの権利とかそう言う意味だった気がするが、まあ使える物は使おう…………何か、帰りに買った食材の一部が入ってるな、カレーとシチューのルーと玉ねぎと人参、何故か買ってないが収穫覚えがあるジャガイモや、松本一本ネギとかトマトが入ってるが…………季節感が合わないな、いつ頃のだろうか?
あとドロップリングて、装備アイテムは経験値やアイテムドロップが二倍らしい、だけど自信のレベルより弱いモンスターは、ドロップ率が低下すらしいが何故に経験値もドロップなんだ?
……
権能では∞インベントリの他には、万物創造は早く言えば、錬金術の錬金術の法則を無視した無から有を生み出す錬金術と言える、まあイメージすれば材料や道具のコスト無しに、家や武器や防具や服が作れるらしい。
だけど核や無差別殺戮兵器の、クラスター爆弾や細菌兵器に地雷や取り扱い注意な爆薬は作れないらしい、その代わり安全装置をイメージした爆薬等はセーフらしい。
ニトログリセリンを架空で制御した爆薬とか、マイクロブラックホールを入れた手榴弾的な物とか、まあブラックホールの場合吸い込んだモンスターの経験値は無効判定らしい、因みに魔法で放ったブラックホールは経験値に入るがドロップアイテムや、魔物まあモンスターのコアたる魔石? は無いらしい。
他にはバズーカや連装ロケットランチャーや、ショットガンやマシンガンは色々な制限上、権能で作ることを禁止されてる……………シュワちゃんみたいに、敵のアジとにロケラン発射して吹っ飛ばしたりしたかったな。
「僕、ロケットランチャー持ってますよ、ご主人」
「俺は、エネルギーショットガンだな、拡散エネルギーバズーカも在りますよマサご主人」
私は此を聞いて思った。
「・・・・・・」
(色々解せん)
しかも投擲にも使える、短剣式エネルギーザンバーや、ビームサーベルも自分の四次元空間に所持してる、ド○えもんかよ!
他には∞インベントリ内のショッピング機能だが、此はある意味便利であり不便でしかない、理由は買いたい品の個数が設定出来ない、あと金や鉱石をや魔石を換金出来るが換金金額が表示されない、あと資金が尽きると買えないのでそれで判断しないと成らないらしい。
何ともめんどくさい機能だ、だが惣菜とかお米とか普通に買えるが賞味期限等は表示が無いので、色々怖い……………腹壊さないよね?
電化製品や小型発電とかも買えるが、ガソリンや灯油は買えないらしい…………この異世界のエネルギー事情らしい、そもそも化石エネルギーは石炭と一部で天然ガスが扱われてる程度らしい。
大抵のエネルギーは、火魔石や光魔石等を使ってるし、水は水魔石から魔道具で水が出るらしい、地球より便利だな…………重力の魔石も在るらしいし、色々調べて一儲けも可能かも知れない。
他にはモンスターの食べれる部位の解説書や、地球のどの肉と同じかを解説した本に戦闘スキルのスクロール、非戦闘スキルのスクロールが在るが全部、読んで頭で理解し戦闘で身体が閃かないと使えないらしい、非戦闘スキルは閃きは要らないらしいが、あとスキルコンプリート本は何やら自分以外もスキルが習得可能らしいが、条件がわからない為保留。
∞インベントリ関連は、こんな感じだ。
「僕達の食糧は、ご主人次第だね」
「頼みますよ、マサご主人」
「・・・・・川とか在れば、釣りすれば良くない? 二人はね」
何か不満そうな顔をする、マイケルとグレイだった。
他にはワールドマップと表示されてるので、ポチっと押したがまったく、今何処なのか分からなかった…………だが、近くに山が在るのだけは表示されたが…………背後に振り返れば、地球には絶対無い大きな山脈が遠くに見える…………標高何千メートルなんだろうか?
他には次元トンネルは、ワールドマップ連動式のまあ何処でもドアだ、行きたい国の街に行けるが始めて以外は、何処かに拠点を作り次元トンネルを設置しないと次回からは行けないらしい。
まあ何処でもドアと転移門の様な権能らしい、だがダンジョンに限ってはズルショートカット攻略や、セーフティセーブポイントを作れば途中攻略も可能。
まあズルショートカット攻略はしないが、急ぎで無い限りや必要なアイテムを取りに行くので無い限りね、まあどのみち使ってみないと本当そんな便利な物か分からない。
あとはこの惑星航りて権能、何か条件を満たすと次元トンネルと連動して、他の惑星に行けるらしいが、まあ気長にその条件を探せば良いや。
さて次は・・・・・
「まだ見るのかな?」
「他のに着替えても、何処にも移動しないよな・・・・・俺達、今日のメシ大丈夫かな?」
不安が増すマイケル、それを聞いてグレイも不安に成るがさてどう成る次回。
W様:作者、まったく物語進まないわよ。
L殿:我は出番無いから良いが、我の活躍する物語の執筆をせよ。
作者:物語には順序が在るんだよ!
W様:私も出ないけど、もう一つのルートあの娘がヒロインなの?
作者:一応私のお気に入りのキャラの一人ですし、だいぶ設定を変えましたからね・・・・・魔法が最初ヘボい以外は。
W様:もうそれネタバレ言ってるわよ。
さてW様が何故にこのあとがきに出てるかは秘密です、L殿はおまけですが。
L殿∶我をオマケ扱いするでないわ!
W様:でわ、また次回ね。
L殿:ウインクするな、ババア!
W様:うっさい、滅ぼすわよ!