Re∶元オッサン、異世界へ
新たな下沢雅史の物語がスタート、忘れられた相棒を連れ新たな旅に出る。
今回はその前の話です。
私は雅史……………、江戸時代では初老の四十路だ。
私は防塵も劇物対応のマスクも支給されない、中小企業の鍍金工場の硝酸で製品を洗う部署と、指定日の昼からトラックで配達と、昼休みが他の作業社員とは違うハードスケジュール。
それでも土日休みがあるだけマシ、残業するとネチネチと陰口を言う人が居る位、人間関係がこの会社は良くはない。
私以外にも、陰口を言われ離職するので高い方だ、毎年六人は辞めて行くブラックな精神を病む会社だ、社長は改善する気はあるらしいが幹部がハラスメントの塊な為、社長が会社内部のハラスメントを改善するには難しい会社だ。
何故かって?
幹部二人が、次期社長候補と言われてるからだ。
そして今私は、その会社を退職する為に、次の転職の会社を探す為にたまに半休の溜まった有給を使い、次の転職先を見付けてから退職する気だった。
私は何時もの様に仕事を終え、トラックのロックと一人だけの部署の確認をし、帰り途中で長野県では一部地域以外には在る、スーパーに寄る。
地元は物価の高い某スーパーと、農○が在るが高くて地方の中小企業の安月給では、お金が足りなく成るし親父は、定年後少しはバイトをしてたが県の建築の年金基金が、横領だかをして定年退職年金が国以外の組織だから、天引きの積立年金は、貰えないらしい。
まあ高い建築業の給料から、年期基金として天引きされた給料がまったく払われなく成った訳だ、しかも親父は建築業のバイトをしても、高い鍋の食材やタバコに挙げ句にアルコール依存と、元々ろくでもない父だったが誰かにそそのかされたのか、定年後は子供の金は自分の物とか拭き込まれ、馬鹿な発言が増えていた。
食費を安くするには、結局私が働いた金が自分の服や生活必需品に使えず、母は基本バイトを年齢を盾に行かないし、妹は親父がキライなので帰省する気はまったく無い。
その妹がアパート暮らしな為、家に預けた猫も私の給料から引かれる、まあ猫だから良いけど親父て言うグータラ魔王をどうにかして欲しい。
ある程度スーパーで買い物リストを買い終わり、地元と職場の地域を繋ぐ連絡道に向かい車で走る、土砂崩れ復帰の工事は片側通行まで回復し、三十分追加移動時間の大迂回通勤の辛さから開放された、そうこの日までは・・・・・・・
連絡道の峠坂を上がり、私は停車が全く誰も居ない工事の信号待ちをしてた。
更に激しくなる雨、ワイパーは休みなく雨を弾く。
誘導の信号が青に成り、ゆっくりとトンネル前の橋に向かいアクセルを揺ったり踏み、走り出す・・・・・そして何故か橋を渡る前に真っ暗な視界が広がる。
雅史の低い男の声が、暗闇に響く。
「・・・・・・何が起きたんだ」
身体の感覚がしない、私は何故か慌ても混乱もしない、普通だったらしてる筈だが何故か冷静だ、この状態が私の全ての存在と違う人生を歩む事に成るとは、そして強敵モンスターは居るが魔王や邪神等の、よくあるラスボスは何故か居ない世界。
「ハンドルの掴む感覚も無い・・・・・」
「まさか此れが死の感覚なのかな?」
「居眠り運転なんてしてないし、まあ死んでたら異世界に行ったりしてね」
私はファンタジー小説、まあアニメ化したりこの頃は無料の色々な作者さんが書く世界の、異世界ファンタジーを読んでるが・・・・・読み過ぎかもね。
不思議に暖かな女性の様な、哀れみ染みた男の子の様な声が発せられる。
「承認了解、異世界に御案内します」
「? 何か聞こえた様な、まあ妄想だろうな・・・・」
私は死んではないが、まさか魂が抜けて脱け殻の肉体は記憶喪失扱いの、肉体が目を醒ますのは数ヵ月とも数年後との話しらしい、そんな事を私が知る術がある筈はない。
そして何も知らず私は願ってしまった。
「でも異世界は色々大変らしいし、何か特別なチートスキル欲しいな」
私は知らなかった、魔王や邪神以外の魔王以上のラスボスが居るとは、それは他の並行したこの異世界でまだマシな方の世界らしい、他にも平和な世界線も在るらしいが。
だが私は、戦闘スキルを貰えなかった…………何故かと私も問たい。
「戦闘スキル申請……………並行世界で使用確認、受諾不可」
「非戦闘スキル許可申請、高次元体様より許可範囲了承」
「続いて魂の再構成、権能───は魂が抜けた肉体に残留、肉体が滅びるまで地球とのアクセス権限可能」
「だが、次に魂の入った肉体が死んだ場合、転生が不可能に成ります」
「肉体より先に死なない様に、二柱の高次元体よりこの世界のみ権能を授ける」
下沢雅史の魂が、青いプラチナ色に光る。
だが全く気付いて無い雅史は、異世界妄想をする。
「異世界は大変そうだし、何かお助け仲間やお助け機能欲しいな具体的には…………」
「承諾、貴方の飼ってた猫を猫精霊として召喚致します」
承認されたが雅史には届いていない。
「───具体的には、イメージで拠点の家や武器を造りたい、あと食糧とかもネットスーパーとか通販使えたらな、まあ何か色々ツッコが来そうだが」
「確認完了、権能万物創造と権能、メニュー画面が及び能力確認システム・∞インベントリ・ショピングシステム、及び次元トンネル設置機能及び惑星航り及び、ワールドマップ・惑星マップの表記を追加しました」
だが全く雅史は聞いてない、大丈夫か? 今回の雅史は。
「異世界て、中世ヨーロッパや食事が美味しくなかったり、あと色々な主人公とか馴れたように料理を何個もしてるが、そんなに私はレパートリー無いぞ」
「了承、スキル万能シェフ獲得しました」
ふと雅史は、何か聞こえたのだが、やはり視界は暗く何も見えない。
「? 気のせいかな」
「それにしても、何で真っ暗なんだろうな、肉体の感覚も無ければ視覚も嗅覚すら感覚が無い、夢にしても異常だな・・・・・まあ目覚めない夢は無いし、何時か明るく成るだろうし、暫くは『もし異世界』でもイメージするか」
意外にお気楽な、今回の雅史だった。
「それにしても、異世界だろうが現実日本だろうが、喧嘩に弱い私がさて異世界で生きて行ける程優しい世界だろうか?」
雅史はいきなり、現実感ある事をぶっ込んで来た。
「了承、アイテム「ドロップリング」を、∞インベントリに収納しました」
ドロップリングとは、モンスター等の戦闘修了時に、経験値二倍ドロップやアイテムドロップするが、Lv.100に成ると経験値がドロップしなく成る、因みに宝箱のアイテムはドロップリングでは増えない。
「まあ、異世界に死んで行けるとは思わんが」
残念ながら魂が抜けて、もう死んだ様な状態で、閻魔大王の裁きを通り不法通過で異世界の虚無の空間に居るのだが、この事は雅史は次に死んでも知る事は無い。
「まあ、色々異世界のスキルとか使ってはみたい」
「了承、スキルコンプリート本とスキルを覚え易い肉体に構成、地球の肉体構成情報から、万能適応肉体構成に変更しました」
「新たに権能────と権能─────を付与完了、魂の中に眠りし権能を覚醒させ、この世界で次は完全覚醒する事を望む」
さて、どの世界の雅史が覚醒出来なかった、次元転移をした魂が宿した権能はある条件下で、人間誰しもあり誰しも無いとある方法で手に入る。
ある者はその権能により、望まなくても異世界に召喚されたり新たな力を得て、時空と運命を曲げて死を回避したりと、権能によっては酷い世界だが少しマシに成る事や、不条理を何度も死んで巻き戻り終わる世界を生き抜いたり、魔法が無い中世の世界である程度の望みが叶ったりと、千差万別の人の魂が望む場所に誘う。
それは権能の持ち主の望む世界、それは権能の持ち主を無視し神や運命が引き寄せる、権能の持ち主の意思を無視した世界に呼び寄せたりと、様々な可能性が在るがそれでも権能を持てない人間も居る。
それは裕福な暮らしを約束された者、それは悪に染まりし魂の業に消えたり、それを知れるのはステータスのある異世界なら、ステータス表示される人間はこの権能があったりする、他には望んだ異世界だったり色々な形でその人に現れる。
基本権能は失われない限り、新たな世界に旅立っても現れるが、自分を自分で殺した者はその資格を失う、他にも失う条件は在るがその時その人の行動が問われる、お金で失う事を回避等何とか成る事は無い、シビアに判定はされるのだ。
大抵は同じ世界に未練が有れば、同じ世界の場合高確率で赤ちゃんスタートで、前世の記憶が残る人物は、異世界で前世の記憶を覚えてるより少ない。
さてこの雅史の、権能は開花するのかそれとも同じ運命を辿り、幸せなハーレム人生で終わるのか?
それともこの次元の更成る惑星に、行けるかは雅史次第でありこの雅史以降、並行世界の雅史の子供により新たな異界の魂は上がって来ない、この次元の人々の魂がループの様に星々を渡り星の寿命と次元の寿命まで、永遠のループを繰り返す事に成る。
事実上此れが、この世界に置ける下沢雅史のラスト物語である、雅史が繰り返しこの世界に辿り着くか、それとも新たな世界に旅立つかはそれは別の話である。
そして雅史の長く眠る権能は、とある超次元体のとある実験である。
その超次元体は、新たな権能を雅史に与えた、もう一柱は世話に成ったからだがこの雅史には全く関係は無い。
そして雅史は、虚空の暗闇から雅史達が旅した世界だが、一番端の並行世界に送られる。
その並行世界は、少しヒロインの行動や生まれ等が変わってたり、変わってないが容姿が微妙に違ってたり、地球からのヒロインは居ない可能性が高い世界。
優姫や恵理が間違って現れる、可能性が低い世界でありそれをやらかした神が討伐されそうに逃げてる世界、そして某ゲーマー引きこもり野郎は居たりするが、魔獣を倒した以降国を出ないので、彼の出番が在るかは不明であり空飛ぶ白鯨は居るが、何もない誰も辿り着いて無いフロンティアと化していた。
さて空飛ぶ白鯨は、また島として眠ってるのか? はたまた、天空で妖精達の楽園として世界を飛び、世界を見守ってるかは物語で明らかに成れば良いな。
さて、雅史も新たな物語に旅立ち、新たな物語が動き出します、あのインテリ王はやあの天パ騎士はてかあのポンコツエルフや、ストーカー黒騎士はどうなのかはいずれ判ります、それでは忘れられたトムの相棒予定だった猫精霊と、再び奴が現れます。
それではラストランに成るかは不明ですが、雅史の歩む旅は何処に行くかお楽しみ下さい。
では次回へ。
W様∶作者、私を雅史をモルモット扱いしてる様に書かないで!
作者:事実、モルモット扱いでしょうが。
L殿∶それよりアッチの雅史はどうすんだ?
W様:そうよ作者、ルドちゃんの言う通りよ!
L殿:わ…………W様、我の事はLと呼んで下され、名前バレは後にこの後の他の名字の雅史のネタバレに成ります。
W様:知らないわよ、そんなの
L殿:自分も関わってるのに。
W様:うっさいわよ!
さて名字が違う雅史とは一体、長いか短いかは不明な下沢雅史の最後の旅は、何を残すのだろうか?
そしてL殿は何者かは、何時か判明します・・・・・今連載意外で。
次回、再びだが風景が…………




