秋の畑仕事
紫や白の花が咲きジャガイモは養分を蓄える、夏に成りジャガイモは花を散らし青かった茎も枯れて行く、新ジャガは茎が枯れ始めたジャガイモか完全に枯れた茎のジャガイモに別れる、私は後者の方が多いが結局はどちらも新しいジャガイモだ。
シャロとルリと何故かやる気満々のジェラールさんと、何かジャガイモ取ったら直ぐ食べそうな勢いのフローラと、興味津々だが見てるだけのセーラとエル、何故かパラソルを用意周到に立ててるし、シアとネモは子供と此方を見ながらわんぱくな子供達を見張って居た。
「今回こそ沢山たべるぞー!!」
「毎年毎回言うけど、収穫よフローラ!」
「畑を手伝わないなら帰ってフローラさん」
「今回はぎっくり腰に成らずに参加したいが、フローラは毎回困った孫じゃ・・・」
「私も入れてくれ・・・」
「何でいますの? お父様は帰って仕事して下さい!」
「セーラ、たまには面白い事に私も混ぜてくれ」
「またワガママ言うと、マサさんにゲートを封印して貰いますよ」
「仕事に戻るから、セーラそれだけは勘弁してくれ」
「また来ましたわねアリシアさん」
「懲りないよねセーラのお父さん」
アリシアとネモフィラは冷めた目でキャスビル義父を見てた、トラクターを動かし後ろの掘り出し機でジャガイモを掘り出す、地球だったら天地返し以外全部肉体労働でジャガイモを植え草むしり、枯れた茎を引き抜き取って鍬で掘って土の中のジャガイモを掘り出してた。
「楽だな・・・トラクター」
キタアカリとか品種別に箱に入れ新ジャガは、義両親にも配るのは恒例に成ったが大抵はフローラが大量に食べるので、最初より更にジャガイモの畑を増やし雑貨屋で頼み込んで、ジャガイモの種を売って貰ってるがたぶん高い。
二期二年ジャガイモで土壌を使ったので数年は、ジャガイモを作る土壌には出来ないしトマトやナスも作れない、連作障害を避けるためだ。
「次は大豆か麦かな・・・」
ジャガイモを2日間掛けて大収穫したが、キタアカリはもう初日に20kgフローラの胃袋に消えた・・・ポテトサラダにポテトフライに、最後はコロッケだ。
「シャロ・・・」
「フローラの食欲、年々増してる件ね」
「アレだけ食べてるのに体型維持してるの異常なんだが・・・」
「私に言わないでよ!!」
何故かめっちゃ怒られた、理不尽過ぎる。
数週間経ち稲の籾殻やスライム肥料を、トラクターで混ぜ混んで寝かせた土を天地返しして、畝を作りながらおでん大根と総太り大根の種を畝が出来るのと同時に埋め、アースドールが畝に水を撒く。
数日後嵐が来て少し畝は崩れたが、自然には逆らわないのが鉄則だ露地栽培だけたが。
気温も下がりキュウリが枯れた夏の終わり、モンスター焼き肉で残暑の残る夕方皆で騒ぎ楽しんだ、フローラとトムと肉の争奪戦は負けられないので毎回本気だす、まあ異世界だから本気を出すわけではない、肉の奪い合いは戦いだ!!
更に残暑が弱くなるとナスの実が割れ成長しなく成り、ナスの収穫ピークが終わりを迎える晩秋に大きくなった大根を収穫、人参とおでん大根を入れたオオイノシシの肉汁はなかなか美味い、豚汁とは違った味だがそれが良い。
カボチャも収穫して、カボチャのスープをシャロが作りカボチャのお菓子やカボチャのサラダやら、色々作りたまに収穫祭りの様に成るがキャスビル義父は出禁である。
結婚間近のバナージ王子達を招待し、前祝いの様に何故かフローラ姫に捕まったクロイツさん、何故かバナージ王子の後に結婚が確定して追い込まれたクロイツさん。
「何故? 僕はフローラ姫に好かれたのでしょうか?」
「私に聞かないでくれないかな?」
「では王子・・・」
「俺に聞かないでくれ、帰ってきて驚いたのは俺なんだから!!」
フローラ姫の行動は誰にも読めないのだった。