新婚旅行編陸・海・空網羅
離水し湾を越え一路西に向かって、空の旅をするが今度はスピードを下げ、空から景色を眺める。
ジャングルの様な熱帯林を見ながら進む、北には大きな山脈が連なりアルプスの様だ、南は穏やかな海にハイビスカスの様な大輪過ぎる花も見え、南国風なコテージが合いそうな場所だ。
この星独特の白く美しいラフレシアの様な、巨大な花が咲いていたが蜜蜂らしき蜂も居た、ラフレシアらしき花から櫁を回収してるみたいだ。
「なかなか興味深いな」
雅史はイメージ画面の地図にマーキングをした、更に進むと大蜥蜴らしき群れが居た、そして群れに囲まれた海鳥が食べられて行く惨劇を見る、グロ過ぎて雅史は見なかった事にした。
更に進むと巨大な生き物が土ホコリを上げ走る、グリーンの迷彩色に背中に背びれらしき物がある、どう見ても肉食恐竜らしき巨大蜥蜴ポイ。
だがその後ろから猛追する茶色の、頭にコブの様な突起のまた巨大な蜥蜴らしき恐竜ぽいのが、ぎゃー!!と騒ぎながら追い掛けて居た。
肉食が肉食を追い掛ける不思議な光景、頭を前屈みにしてスピードを上げる、グリーンの迷彩色巨大蜥蜴らしき物。
茶色の巨大蜥蜴との差を広げて行く、そしてそのままその先の熱帯林に突入して二頭は、熱帯林の中に消えて行った。
雅史は危険地帯としてマッピングした、昼に成りエトワールを停め甲板で昼食、特製魔物から作ったデミグラスソースのステーキと、深海魚の刺身と煮物を出した。
牛系の魔物やモンスターは、牛に近いのでフォンドボーが作れる。
「マサ、このステーキのソース前とはまた違って美味しい」
シャロが笑顔で感想を言えば、アリシアは。
「どれも美味しいよまーくん」
美味しそうに食べながら言うアリシア。
「妻の胃袋は我が手の中に在り」
雅史は手を伸ばし、空を握り締めた。
「潰さないでよまーくん」
「また言うと思ってたけど、何時かマサの胃袋は私が握るわ」
その発言に静かに笑う雅史だった。
『シャロのあの絶品ハーブクッキに、胃袋は落とされてるけどね』
シャロは雅史の顔を見てぐぬぬと、何故か悔しそうにして居たが、それは仕方ないのだった。
そして再びエトワールは出発する、北の山脈はまだ続いていてたまに噴煙上がって居る、もしかしたら近くに温泉も在るかもだが、それは後にして三人で風景を満喫………出来ない。
「食物連鎖が激しいわね」
肉食恐竜らしきのが肉食恐竜を追い回して、更に巨大な肉食恐竜らしきのが追い回していた、何故か解説に来ないキャナル。
『邪魔してはいけないかと?』
いきなり言って来るキャナルだった。
「アレは恐竜なの? キャナル」
いつの間にか近くに来たキャナルは、解説を始めるがシャロアリシアはびっくりして、何処から現れたのか辺りを見渡して居た。
「この熱帯林一帯だけでしか生息しない、モンスターではない肉食恐竜達ですが彼等が狩ってた、草食恐竜達は寒い地域に逃げ進化し毛深い……」
雅史はまさかと思ってると。
「毛深い恐竜に進化してます、しかも天敵とは言えない肉食動物しか居ませんが、マスターの知ってる草食恐竜とは違いますね」
何か嫌な予感がする雅史だったまた、あのマンモス牛が脳裏を過る、熱帯林地帯を抜け更に進む先に湾が在り、今日はここまでにして、着水して周りを見渡すが何もないので一応、スキルで確認しても脅威に成る動物は居ない、そう動物界最強の恐竜すら居ない。
いつの間にかまたトムが釣りを始めて居た、雅史はエアーウイングで北上し見回ったが、霊長類最強ゴリラらしきの虎が対峙してた以外、脅威は余り無かった。
エトワールに戻る頃には夕方を過ぎ、トムはいつの間にか居なかったが三人での夕飯は美味しかった。
色々将来の事を喋っていたら寝落ちし、翌朝まで爆睡した三人は気持ち良く目覚めなかった、やや寝違いとかし身体が痛かったのだった。
再び朝食後にエトワールを発進させて、海路で更に西に進むと鯨の群れの潮吹きを見る、だが鯨ではなく伝説の海王生物の、リヴァイアサン・メルビレイの様な姿の巨大最強哺乳類最強にそっくりで、エトワールを尾びれで威嚇してる気がした。
エトワールの速度を上げ進むと流石に追い付けない様だ、大陸を離れ大海原を航行し次の大陸に向かう。
弧を描く様に進み数時間で次の大陸に到着、エトワールにはこの先の湖に先回りして貰い、未来デロリアン的な車に成った愛車に乗ると、何故かトムが助手席に座って居た。
「………この頃先回りしてるなトム」
「僕の特等席ですからね、ここは元々」
ジト目で妻がトムを睨む。
「マサさんレッツゴー!」
「私の傑作GO!!」
何故か最後尾に座ってるエルビー博士、あと改造しただけで傑作とか言わないで欲しいと、雅史思うのだった。
浮遊する車を走らせ湖に向けて走る、富士山のより裾野が広い山に向け走る。
草原は車が傷付かない様に草の丈より高く飛び、不思議そうな顔をする草原の動物達、たまにライオンぽい動物が追い掛けて来たが来たが、豹やチータークラスの速さだった……アレは怖かった。
狼みたいな犬みたいなのが尻尾を振りながら、好奇心で併走したり木の上で眠そうに此方を見る、猫ぽい動物が居たり一回り大きなウサギが何故か、ボクシングの様に殴り合ってたり割り込む狼? が、ボコボコに一方的なキックボクシングの様な光景が展開されて居た、勿論狼が兎にリンチされ逃げ出してたが、その光景にミラー越しに妻やエルビー博士は、開いた口が塞がらないで居た、草原を進むと草丈は低くなり剥げた場所が増える、そして車を追い走る馬の身体にロバの顔の動物、スタミナが無いのか直ぐバテて追って来なかった。
「アレは何だったんだろ?」
シャロがロバ顔の馬の感想を言う。
「顔はロバなのに身体は馬だったよね、力がある方の……」
サラブレッドではない方の、農業とか牛と同じく体格の良い馬の馬体だからだろう。
緑は生い茂る草原は草食動物が増えて行く、角が四つ有る普通の牛の2倍の体格の黒毛牛に、キリンなのにゼブラな模様だったり、シマウマは筋肉隆々のマッチョな肉体で走って居る。
「あの白黒の不思議な馬速いね………」
アリシアが眼を輝かせ見てるがシャロは、色々な動物に脳が遂にフリーズしたらしく、固まっていた。
湧き水の在る場所には動物が集まり喉を潤し、白き鳶? は空を旋回し鳴く。
「…………トンビだよねまーくん?」
「色以外は鳶だな……」
運転しながら見てるが、トムは舌舐りして居たが猫の本能だろうか?
更に進むと草原は終わり岩や土がのオフロード化する、タイヤだったらパンクしてる大地を進み、木が生い茂る場所を避け進み行くと、前方に巨大な湖が見えて来た。
「広くて海みたいだね」
アリシアが眼を輝かせ雅史に言う。
「向こう岸が見えない湖だわね」
シャロはそう言って何か疲れた顔をして居た、驚き疲れたかもしれない。
エトワールは湖に見えないので岸近くで停め、見てた方向の反対を見たらかなり向こうの奥に小さく見える、エルビー博士頼み此方まで移動を頼んだ。
湖は変形した落花生の様な形の湖だが、この星で最大級の湖でもある。
車から降りエーテル自動スライドドアから、三人は降りアリシアは雅史に抱き付き、伸びをしてたがそれを見てシャロは嫉妬のオーラを解き放つ。
エルビー博士は体をほぐしエトワールが来るのを待つ、湖の水は冷たく湖の中は澄み渡りエメラルドグリーンの湖は、岩の成分と巨大な裾の山が関係有るかは不明、トムは釣りをする気満々で釣竿を出す。
水も冷たいし釣竿セットからとある竿と、仕掛けを取り出し疑似餌付きで垂らすと、直ぐにヒット! し竿を上げ釣り針に掛かって居る、ワカサギを湖の水を入れたバケツに入れる。
「小さい魚可哀想………」
アリシアがそう言うとシャロは。
「まだ子供よね?」
と言うがワカサギはこんなもんである。
「さて私は食べないが、ワカサギ釣れたし調理開始だ」
火エーテルコンロと食用油と魚用の衣を出し、ワカサギを衣を付け揚げる。
じゅるり
「トムまだだぞ」
トムのバケツに渓流に居るイワナや鮎の様な魚が、何匹か泳いで居る、
「先ずは誰が………」
トムが真っ先に食べ、熱いの分かってて頬張るから大惨事に。
「トムさんたら………」
「トムさんだね……」
シラけた眼でトムを見るシャロとアリシア、二人は皿からフォークを使い冷ましながら、塩を付けゆっくり食べた。
「「!?」」
美味しかったらしい、二人は初めての味を噛み締めたが、いつの間にかポン太もとい白夜とクロも来て食べてた。
近くを散策してたら風が強く成って来たので、着いたばかりのエトワールに、荷物搬入口から入り車はカバンに収納し艦首に行き、周りの景色を見渡すが向こう岸はうっすら見えなかった。
あとここは子供を育てるには危険、理由は水難事故の可能性が高いし水は結構冷たいので、魚の生態を調べ尽くしたら此処に最後の隠れ家を造る事にする。
檜や松等豊富な環境だし木材製は困らなそうだ、問題は鉄とモルタルと砂と小さな砂利等、他の建材確保だけ。
まあ魔法で土を堅めたり石化するのも有効だが、中に骨組みが無いので耐震性とかが気になる。
まあコンクリートを使わなくても、硬化する土に杭を仕込む手でも可能かも知れないが、耐震性建築基礎工事魔法を使えば楽だが、一軒家くらいなら可能だがまだ色々試してないしが、一応近い魔法はつい最近使ったには使ったが、納得出来ない出来映え。
後で白鯨禁書図書館最奥で、建築魔法関係を漁ろうとメモをして、この日は此処で一泊する事にした。
「次回に続くけど、弟可愛い……」
産まれたばかりの弟を見て、イレイナは益々雅史との子が欲しく成ってしまった。
セーラ「この頃出番が在りませんわ」
セーラは不貞腐れながら言い。
エルリーナ「私も出番が少ないのは、あの父のせいですわよね?」
疑問系で問いかけるエルリーナに、誰も答えなかった……次回に続く。
年末年始長期休み連載最終日