寺院最奥へ
久々に現れた異形の魔族は………
着物姿の二人と袴に幾何学模様の着物に変えた雅史と,忍び姿のトムは通路を戻り,地下へと向かうと煙は出でない不思議な松明の地下に降り立つ,普通の地下建造物の遺跡やダンジョンと変わらず,松明だけが不思議に照明として存在する。
更に進むとゴーストやエルフのゾンビ死体の口から出る,黒いゴーストらしモンスターに,黒尽くめのコートやズボンの黒髪エルフゾンビが,剣を背中に背負い二振りと腰に一振持ち徘徊して居る。
『アレ,絶対転生した日本人だよな。』
その先には全身が腐ったゾンビや,変な角の曲がりをした全身紫に翼内側が赤いガーゴイル,人魂の様な赤や青や紫の炎が飛び回り,カオスな地下一階の生活居住区だったらしい場所,ダンジョンマップには複数の部屋が在り,地下2階までは居住区と生活備蓄倉庫が有ったみたいだ,三階は修行場所か儀式場所らしき区画に四階から,共同墓地や高位僧侶の墓が在るらしいが,何か嫌な予感が地下六階からする。
「腕が鳴るな。」
ヤル気満々な鬼丸さん。
「急ぐでない,先ずは一体一体敵を倒そうぞ。」
千石さんが言うが,何か余り説得力が無い気がする,二人は新しい刀を使いたくてウズウズしている。
「分身達が出て来ないな?」
不思議そうにするトム。
「さて二手に別れて倒しますが,千石さんは鬼丸さんと一緒に,私はトムとモンスターを減らします,では行きますよ。」
雅史達が先行し雅史は新たな剣,天照の剣を抜き先ずはゴーストを切り裂く。
「ハッ!」
一応全力で斬るとあとさり倒せ,エルフゾンビが剣を抜きやって来るが,脇差しを抜き受け止め払うと同時に,十字に素早く斬り倒す。
エルフゾンビは倒れ朽ち果て,ただの遺骨に成った,千石達も新たな刀で立ち回りゴーストやゾンビの攻撃を躱し,敵を切り捨てて行く。
「やりますね千石殿。」
「お主もな鬼丸殿。」
二人は息を併せ更に来る敵を立ち回りながら倒す,トムは壁を足場に変幻自在に忍刀らしき刀で,ガーゴイルやゾンビをアッと言う間に倒し更にスピードを上げ,一瞬で10体のゴーストを倒す。
不思議装備な忍び服なのでゾンビを倒す時に飛ぶ,肉片や汚い物は付く前に珍しく弾く。
「更にスピードが増してる気がしますよ,神速すら使わずにスピーディーに倒せますね。」
更に巨大なハサミを持つシザーゾンビや,鬼丸さんに当て付けか?邪鬼てグリンや,3mの身長の赤の肌の角鬼の悪魔が現れるが金棒で,鬼丸さんと千石さんを襲うが簡単に倒されて居た。
「未熟なモンスターだ。」
「雑魚でしたね千石殿。」
更に来ると思ったらいつの間にかモンスターが来ず,更に通路を進み地下2階に下る,地下2階にはぼろぼろな僧侶服のミイラや,目が溶けぶら下がってるゾンビや廊下を這い,腰より下が無いゾンビとかも徘徊し,悪夢としか言えない。
「さて行くか鬼丸殿。」
「行きますか千石殿。」
ニヤリと笑い先に行ってしまった,新しい不思議装備はステータス50%上昇に,何時もの汚れずそして汚れを弾くのと装着者の快適性,全ての攻撃に対し95%防御力に魔王魔法無効化に,アビス瘴気防御力90%だけど,判定が分からない為何とも言えない,ルリの様に女の子特有の防御力の隙を見破られ,襲われる事も在るし全身全てをカバーしてる訳ではないが,今回は全身に薄い被膜の様な感じがする,一応毒等の異常攻撃は無効化されてるらしく,問題はアビス瘴気の毒の様な瘴気だけだ,アビス瘴気はまだ試しては無いが試したくも無い,食らって生きてるか分からない攻撃にね。
一応三度笠は持ってるが無敵に近いこの装備,何時か来る敵に対抗出来るだろうかと雅史は思う。
「さて行くかトム。」
「今回は魔法使わないのですね。」
トムに言われ忘れていた雅史だったが,鬼丸さんの修行の修行も含まれてるので,刀で対象困難な時まで使わずに居る事にした。
「トム左。」
「アイサー。」
左から高速ほふく前進の様に来たゾンビを迎撃,トムは素早く動きゾンビの口から吐かれる液体を回避し,視界外から一撃で頭を叩き斬る。
「此方も行くか。」
天照の剣を抜き軽く感じるフットワークと,何処を最短で進み敵を倒せるかが何故か分かり,ゾンビや悪魔の隙を通りながら立ち回り斬り伏せる。
今までに無い感覚で更に早く更に足運びを軽く,更に立ち回りの動きを速くし気が付けば何体倒したか分からないが,結構な距離を進んで居た。
グゴオォォォー!!
「五月蝿い!」
いつの間にか居たうるさい,悪魔らしき世紀末なカッコした鬼の様なガーゴイルの様なのを,一撃で斬り伏せる。
「全くいきなり出て来るなよ,驚くだろうが。」
倒した後に言っても仕方ないのである。
「もう居ないのか?」
「そうみたいですね千石殿。」
今のセリフを聞かなかった事にした雅史,トムも合流し地下三階へ向かう。
地下三階降りると地下四階に向かう階段が続けて在り,一応三階を見るとミイラ僧侶が座禅を組み動かない,襲って来ないので一番展示が広くそして広大な面積の四階に向かう,四階は墓地が広がり地下五階も墓地だが,地下に向かう階段が二つ在り地下六階を選び長い階段を進む,灯りの不思議な松明は五階を過ぎた辺りで青い炎に変わり,階段を下りきり鉄の観音開き扉を開き,地下六階に足を踏み入れると洞窟の様に成った居た,疲れたのでエルビー博士に一言言って,ダンジョンハウスを出し一休みする。
古代鮪の刺し身を出し,トムと千石さんに鬼丸さんはマイペースに,酔いながら刺し身を食べ客間に行き大爆睡するのだった。
雅史は隙を見てルリスティーナを慰めに行ったり,精霊の街に行き麻婆豆腐を食べに行ったり,ハルモニアを何となく見に行くと見慣れない女性が,派手な格好で何人か歩いて居たがセフィール家に寄ると,パウエルギルマスとゲルダーさんが頭を抱えて居た。
「冒険者時代しか知らない俺には,分からんよ。」
「あの頃は更正されてたからな。」
何か疲れた声の2人,まあこんな場所で喋ってるしたいした事で無いだろうと,雅史は2人に近付き。
「お久しぶりです,珍しいモンスターお土産持って来ましたよ。」
雅史を見て二人は驚く顔をする。
「何か来ちゃあまずかったですか?」
何か複雑な顔をする二人と,家を飛び出し目を輝かせるフィーネ。
「また置いとくからモンスター解体頑張れ。」
「また新しいモンスター,私色々勉強出来てうれしいよ。」
そしてパウエルギルマスとゲルダーさんは,フィーネの無邪気な笑顔に癒されてる顔をして居た,後にローリエさんが離婚を早めるきっかけがある日に起きるとは,誰も知らずに居るのだった,そう派手な格好の女性がやらかしてくれたお陰で,ハウゼンの女癖の悪さが民に知られてしまう,だが本人は優秀なので代わりが出なかった為,領主責任交代は起きなかったが少し住人が減ったのだった。
「またデカイモンスターだろう。」
「今回はやや普通かな?」
やれやれとパウエルと言いながらゲルダーは,新しいモンスターを3人で見てパウエルだけ驚き,驚き疲れた親子はどう解体してお金にするか考えて居た。
「この牛モンスターは美味い肉ですよ。」
やや大型の牛モンスターに対し,親子の目付きが変わり美味い肉に血走る目,親子は着替えに迎いパウエルと共に雅史はラボを出て,その内招待すると言って日が高いハルモニアを去り,ダンジョンハウスに戻り風呂で疲れを取り,自室に向かい爆睡したのだった。
翌朝目覚めると黄色のフリルがあるパジャマ姿で,シャロが抱き付きながら居た。
「おはよシャロ。」
「もう少し寝てなさいよ,今マサ成分補給してたのに,それにまだ夜よ予習終わってマサに逢いたくて来たのよ。」
向こうは夜らしい,私はそんな成分出した覚えは無いと,シャロに思った雅史だった,新しい装備を着たら何か素敵とか言われた。
「シャロは眼科が必要だな。」
「私視力良いわよ。」
『本気で言ったのにマサたらもう……』
何かむくれた顔をされたが,ステータスによる魅力アップ効果だとしても,あり得ないと雅史は自虐した。
シャロに行ってきますのキスをし,シャロを見送り台所に向かい卵焼きと秋刀魚を焼いた皿を三つ置き,匂いでやって来た3人はご飯と豚汁に秋刀魚を食べ,腹ごしらえをしお茶を飲み一息入れて着替え,ダンジョンハウスを仕舞いそして,4人は地下六階の洞窟の様な場所を進むと,モンスターと遭遇し戦いになる。
『腐蝕竜と,下級ドラゴンゾンビですマスター。』
腐蝕竜は全身が腐蝕し腐り,異臭と黒い全身皮の爬虫類の様な………いや爬虫類のドラゴン擬き,空は飛べないが何か口から吐き撒いて居た。
『アシッドスプレーですマスター』
毒のブレススプレーらしいが,毒液で吐くのかよと思った。
「何をしてるのじゃろうな。」
「毒を吐いてる様ですが,何がしたいのでしょう?」
不思議そうに見る千石さんと鬼丸さん。
下級ドラゴンゾンビはトムにブレスを仕掛けてたが,一瞬で下級ドラゴンゾンビを倒して居たが,更に2体下級でないドラゴンゾンビが現れた,地を這いながら腐蝕液を流し此方にやって来る,地竜の類いか翼は無いが土色の竜燐は硬く一部身体の肉が腐り落ち,骨が見えて居る。
「歯応え在りそうなヤツだ,俺に一体倒させてくれ。」
トムが今あっさりと腐蝕竜を倒したせいか?鬼丸さんは,無謀にも一人で行こうとする,ドラゴンゾンビはレベル4200が2体,しかも鬼丸さんはレベル2889で千石さんがレベル3009,ちなみにトムはレベル4999いや5003にレベルアップしたようだ,ちなみに私はレベル3622でステータスが相当上がり,HP見てなかったが見たら2万を超えて居た。あとスキルも増え天翔と言う,空を走る事が出来るらしいが,空中でスキルを使い踏ん張りの居る,技や攻撃無効化の技が発動出来るか分からない。
「鬼丸殿過信は良くない,拙者も一緒に戦おう。」
千石さんに言われ,過信した自分を勇める鬼丸。
「まだ俺は未熟で周りが見えてなかったですね。」
深呼吸をし鬼丸は千石と目を合わせ,同時にドラゴンゾンビに向かう。
「さて相棒行くぞ。」
「待ってましたよ主。」
不動剣を抜き神速で二人が狙ってる,ドラゴンゾンビの残りに向かい後方を取り。
「居合水平斬り一文字!」
❪居合水平斬り一文字とは❫
居合の構えから放たれる水平斬りは,更に斬撃を放ち一文字に進み切り裂き貫く。
居合から一気に解き放たれた斬撃は水平に,ドラゴンゾンビの胴体を切り裂き斬撃は階段上の天井の岩場を破壊した。
「マサさん手加減しましょうよ。」
トムに溜め息されながら言われてしまった,千石さん達も倒し終わったみたいで,此方に来た。
「なかなかの強者モンスターだった。」
「あの変な液体何だったんだ?」
どうやら溶解液を食らった鬼丸さん,普通の装備なら死んでますよと,雅史は鬼丸に思った。
「…………先に進みましょう。」
4人は更に奥を目指し歩くと,次は黒い骨のデッドダーク・ボーンドラゴンが現れた。
「子供のドラゴンだよね?」
それでも大きく2階建て位の高さのあるドラゴン,心臓らしき核に宝石が見えるが面倒なので魔法を使う。
「祝福の吐息!」
❪祝福の吐息とは。❫
光魔法の対アンデッド魔法。
広範囲に巨体な敵程,ダメージを与える魔法。
雅史を起点に光の粒子が広がり,デッドダーク・ボーンドラゴンを光で覆い,魂を浄化し骨がバラバラに成り只の黒いドラゴンの骨に成る,核らしい宝石が砕け消える。
骨は回収されまた前に進むが何も居ない,暫く歩き続けると祭壇らしき物が見え,ダークパープルなミイラが居た。
『マスターご注意下さい,異形の魔族の気配があのミイラから増してます。』
骸骨騎士以来出なかった敵が,まさか他の星に居るとは思わなかった雅史は。
「アレは危険な敵です,カシム達が戦ってた奴らより更に強く厄介ですよ。」
それを聞いて千石さんは気を引き締め,鬼丸さんは千石さんに話を聞き顔が青ざめる。
たぶん祐奈が一回死んだ攻撃の話をしたのかも,トムは何かミイラを見て不思議な顔をしてたと思ったら。
「僕達より弱い気がしますよ。」
雅史は敵のレベルを見たら,レベル600と前なら苦戦した高レベルの敵,そうたぶん間違えてこの星に来たのだろう。
だがあのゴブルリンてゴブリンが,倒した途端レベルが上がったし警戒は必要だ。
「また倒した途端にレベル上がったら困る,だけど見逃すわけには行かない……………絶対何か仕込んでるはず。」
部下無しに居る敵は居ない,しかも今まで異形の魔族と交戦はしてない。
「皆いきますよ。」
「任せろ。」
「微力ながら共に行きますぞ。」
雅史に付いて走り出す,トムは先行し様子を伺うが敵のトラップは,反応しないので周りを警戒しつつ雅史を待つ。
4人が揃い祭壇を駆け上がり到着すると,異形の魔族ミイラが動き出す。
「何故辿り着けた,ゴブルリンて言う闇に汚れた魂をゴブリンに移植し……………反応が……」
何か驚いてるが,あのゴブリンはこの異形の魔族の仕業らしい。
「ルリを泣かせた責任,親玉の貴様にも払って貰う。」
一気に雅史は闘気とオーラを解き放ち,不動剣を抜くとコバルトブルーの光を解き放つ,不動剣を片手にミイラとの間合いを詰め叩き斬る。
「グオォォォー!……私の身体を………人間ごときガァァァァ!」
真っ二つにされるが,ダークパープルの光で再生されミイラだった身体は,ダークパープルの肉体に変化しあの死の皇帝の鎧に似た,全身鎧がダークパープルの光に形成され装備し,黒い炎の大剣を担ぎ雅史達に対峙する。
「死の皇帝はもう滅んだのか………情けない。」
完全武装し表情は見えない,スキルで敵のステータスを見るとレベル2333とゴブルリンてゴブルリンより低い。
しかも名前は極めし死の騎士王まあ長いからデス・ナイトキングは,死を操る攻撃が得意らしいが,今回の仲間は即死耐性防具で魔王魔法無効化付きで,前のカシム達が死んだ時の過ちはもう,雅史は繰り返させるつもりは無い。
「あのゴブルリンに力を与え過ぎた,我等の神のGiftスキルで大量繁殖すら可能だったが,まあ良い貴様らを倒して骸を使い負のエネルギーを増やし,我等の神に捧げるのだ。」
そしてデス・ナイトキングは雅史に斬りかかる,バックステップで避け躱すと,剣を持ち上げ追って来るが左右から千石さんと鬼丸さんが,同時に仕掛デス・ナイトキングを叩き斬るが,祭壇の床に人形が出来ただけで直ぐ立ち上がるも,トムが後ろからすかさず叩き斬る。
「卑怯な4人で我に立ち向かうとは。」
だが間髪入れずに再び立ち上がる前に,同時に鬼丸さんと千石さんにトムが叩き斬るが,全身鎧にやっとヒビが入った程度,雅史も不動剣に力を込めコバルトブルーの光が更に強く成り,コバルトブルーの刀身を一気に振り下ろすと,頭に一撃を食らわせる,ヘルムは砕け散りミイラのダークパープルな顔が現れる。
「貴様,我のヘルムを壊した報い………」
再び3人同時攻撃を喰らい,鎧の背中部分が壊れる。
「許さ………」
再び雅史が後頭部を叩き斬ると流石に致命傷に成り,砕けた鎧に3人は刀を突き立てると,ダークパープルの光の柱が現れ刀を引き抜き,4人は退避しデス・ナイトキングの最後を見届けた。
「何時もなら苦戦してましたね。」
雅史の横にいつの間にか居たトム。
「まあ寄ってたかって攻撃したら,異形の魔族も形無して事だな。」
身も蓋もない事を言う雅史だった,ダークパープルの光は収まり,異形の魔族は散りすら残さず消え去って居た。
「何か呆気無かったな。」
「そうですね千石殿。」
いつの間にか刀を鞘に収めてた二人,宝箱落ちないので二人を送る。
「また力が必要なら呼んで下され。」
「雅史殿には借りも沢山在るので,俺も呼んで下さい。」
何故か小鬼の里に向かう千石さん,和の国の修行はしないのだろうか?
雅史とトムはエトワールに戻り,エネーブル達に話をしエネーブルは拗ねた………。
「俺も行けば更に強くなってたはずだ。」
雅史は留守番が必要なので艦の守りに,一応エネーブルは必要何時敵が飛んで奇襲するか分からないから。
異形の魔族がこの星にも居たし,まあ当分また出ない事を願うしかない。
「艦長次はどうする?」
目の下に隈を作り言うエルビー博士,雅史はプラネットマップを展開し,次の候補を探す。
「そうですね………」
少し悩み他の星系に行く事にした,名前は無いが数字が在る星系に決めた。
「このH273て星系に行こう。」
「了解しましたマスター。」
エトワールは大気圏を出て,一路星系H273に向かう。
「次回に続くぜ。」
エネーブルの背中は哀愁漂って居た。
そして滅んだもう一つの雅史達の並行世界から,三人の子が母を求め異世界を巡り始めた,分岐したシャロ達を救わないかった雅史は,他の並行世界の雅史達に迷惑を撒いたのだった,そしてその一人は異世界の主人公に倒されたが………
エネーブル「俺の台詞が霞むネタを出すな。」
トム「その主人公僕らしいよ。」
エネーブル「トムさん羨ましいぜ。」
千石「早く酒が飲みたいですな。」
鬼丸「我が里特製の芋焼酎を,夜出しますよ今宵も酔いましょう。」
千石「そうじゃな鬼丸殿。」
後に目当ての飲み会は開かれた,次回に続く。