リヒトの目覚め〜魔王Side〜
ブックマークしてくださった方々、ほんとにありがとうございます。モチベ上がります!
今後ともよろしくお願いします。
さっきまで爆睡していた魔王は、一気に跳ね起きた。まだ寝巻きから着替えていないにも関わらず、魔王は寝室を飛び出す。
「じい! じいはどこにいるか!」
「どうなさいました、魔王様」
「着替え次第すぐに出かける! 人間の国との国境近くだ、なるべく急ぐ!」
「魔王様、お話が読めませんが……」
「道中話す! 治癒術師と、移動用の魔物を準備しておいてくれ!」
「は、はぁ……」
早朝から魔王に振り回される、執事の姿があった。
ーーーーー
魔王は様々な力を持っている。膨大な魔力、魔物を従える能力など、多種多様な能力を持っているが、その一つに『魔族の国の、魔力の量を感知できる』というものがあるのだ。
例えば、魔力をたくさん持った子供が生まれれば、魔王の頭の中に『○○地方に、巨大な魔力反応あり』と知らされるのだ。これは、魔王が強大な魔物や敵を察知し、事前に倒して争いを防ぐことに、大変役立っているのだ。
そして、今朝魔王の頭の中に入ってきたのは……
魔王自身を超える魔力の持ち主が現れたというものだった。そして、それが突如として現れたことを考えるに、おそらく強大な魔物か魔王を打倒できるほどの力を持った子供の誕生かのどちらかだろうと魔王は踏んだ。それで、自らが偵察に向かうことにしたのだ。
ーーーーー
「じいは知っているかもしれないが、魔王の力の中に『魔族の国の、魔力量を感知できる』というものがある」
「「存じ上げております」」
「今朝私の感覚が『南方、人間の国との国境付近に、魔王を超えるほどの魔力あり』と告げたのだ。強大な魔物か未来の宝の子供の誕生か、いずれにせよ私が出向く必要があると考えたため、この行動をとった」
空を飛ぶ魔王たち一行は、そんなことを話しながら人間の国との国境付近に到着した。
「あそこだ……」
そう呟き魔王が飛び降りた先には、今にも魔物に殺されそうな、人間……いや、魔人の姿があった。
読んで頂きありがとうございました!
「面白い」「続きが気になる」と思って頂けたら嬉しいです。
星評価、ブックマークよろしくお願いします。感想も、待ってます。