王国、レーゲン家
ちょっと忙しくて、短めの更新です。よろしくお願いします。
「それで、しっかりやったのか」
王国辺境伯リューゲル・レーゲンは、目の前に跪いている男に対して問う。
「はい。逃げられないよう、『捕縛の紐』を使い、魔族の国の木に縛り付けておきました」
「そうか。良くやった。これで、無能な跡取りから有能な跡取りからにかえられるな」
「はっ!」
「下がっていいぞ」
男は部屋を出て行った。
「リヒトは無能だったが、ライトのほうは有能だと決定している。彼奴のことなど、忘れることにしよう」
リヒトの双子の弟、ライトは、兄と違って四属性魔法に適性がある。そのためリヒトを追放した今、リューゲルの期待はライトに向けられていた。
「どうせそろそろ魔物に食われるか、飢え死にするかしているのだ。もうリヒトのことなど考える必要はないな」
リューゲルはそう呟く。が、彼は知らない。リヒトがいずれ、リューゲルの命を容易く奪えるだけの力を身につける素質があることを。
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ライト視点
リヒト兄さんが追放されて、2日経った。俺がすることは普段とあまり変わらない。が、なんとなく寂しい。双子の兄がある日、『魔法が使えないから』という理由だけで追放されたのだから、当然なのかもしれない。
「リヒト兄さん、今頃どうしてるかな」
どこにリヒトが追放されたのか知らないライトは、リヒトが元気なことを願っていた。
(何も悪いことをしてないのに、無能だから追放って……頭おかしいんじゃないのか?)
ライトは、リューゲルへの不満を持ち始めていた。
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