コロナを疑い始めた時
私の一番身近な人に異変を感じたところから話をしよう。
最初におかしいと感じたのは倦怠感と嘔気だっただろうか。
その日は夕方から1日中倦怠感と気持ち悪さを訴えていた。
吐くほどではないにしても、気持ち悪いと何度も訴えていた。
次の日も、1日中その体調は続いた。熱は7度前後の微熱。
7度5分を超えることはなかったが、平熱よりは高いという。
この日を「コロナ疑い1日目」と名付けてもいいかもしれない。
1日目、2日目は、まぁ倦怠感と吐き気なら単純に仕事の疲れがたまってきたんだろうと思った。
しかし3日目、味覚嗅覚異常を訴えだした。
職場で食べた定食の味がとても薄味だとのこと。
(いやいやたまたまだよ。そんな1日じゃわからないって。)
と思って日中連絡を取っていた。内心すごく不安だった。
私も信じたくなかったんだろう。身近なところでそんなことが起きるわけがないと。
疲れてるのと、このコロナストレスのせいの一時的なものだろうと。
仕事がお互いに終わって帰宅して、夕飯を食べていると、やはりおかしいと言う。
もはや薄いというレベルではなく、味がしないと。
もともと職場で何人か熱発で休んでいることを知っていたため、私ももう疑わざるをえなくなった。
その人たちからうつったのではないだろうか。
急に腹の奥底に冷たい感触がはしった。
味覚嗅覚異常なんて、長い人生の中で経験する方が少ないだろう。
ましてこの若い年齢で。
本人も、こんな経験は人生で初めてという。
もちろん私も自分がなったとしたら初めてだろう。
花粉症がひどくても多少は感じるはずだ。
本人は職場に迷惑をかけるから休みたくないと。
私は、上司に相談すべきだと。
本当にコロナだったら迷惑どころの騒ぎではない。
結局言い合いになって終わった。
お互いにこんなことで喧嘩などしたくないのに・・・
新型コロナウイルスは、人との仲も引き裂くものなのだと痛感した。
ニュースでは若い人でも重症化する可能性がある。人工呼吸器をつけることもある。
芸能人のニュースで、味覚嗅覚異常のみでおさまっている報道も多かった。
(どっちになるんだ。)
そんな不安をかかえながらも、もう夜遅くなってしまい、
明日職場に相談するしかないだろうという決断に至った。
もしかしたら明日になれば元通りかもしれないと期待を抱いて。