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前世を思い出した!

 ドテッ


「いった…うっ」


 ぐっすり寝ていた私はベッドから落ちた。しかし、その刹那、大量の情報が頭に流れてくる。


「な、に、これ…」


 知らない人の記憶。あまりの情報量に頭がついていけなくなり、私は意識を飛ばしたのだった。


_________________


 私の前世は日本人で名を松宮理愛という。いたって普通の女子高校生だった。ただ、学校以外は部屋に引きこもってだらだら過ごしていた。そのため友人や家族からは「箱入り娘」と言われていた。そんなある日、学校から帰っている途中、信号無視のトラックにはねられた。そこからの記憶はないのでおそらく即死。享年18歳。


「そうか、私死んじゃったんだ…」


 友人も家族も悲しんでいるのかなぁ。ごめんね。


 そして今世の私はフィリア・ユースエン、18歳。フォルト伯爵の長女でユースエン公爵夫人だ。前世の名前の前に「フィ」がついただけ。なんだその適当設定。ちなみに1週間前に結婚した。1カ月前、たまたま断れずに参加したユースエン公爵邸での舞踏会でいきなりルイド様…あ、旦那様ね、ルイド様に


「私はこの方を妻にする」


 て言われて、あれよあれよという間に結婚式当日になっていた。私の意見はガン無視である。いやまぁ、私の身分じゃ断れなかったけど。アリリスさん、落ち込んでいたなぁ…。


「ん?アリリス?どこかで…あぁ!?」


 え、まって、この世界もしかしたら前世で唯一最後までやった乙女ゲーム「これであなたもプリンセス」じゃない!?ヒロインのアリリスさん、悪役令嬢のマリーナル様、攻略対象の王太子殿下にルイド様その他もろもろ。ヒロインのアリリスさんは王宮で働くメイドで、悪役令嬢のマリーナル様は王太子殿下の婚約者。容姿も設定も舞台も全く同じ…間違いない。


 でも、待って?


「となると、私は誰!?」


 あの乙女ゲームにフィリア・フォルトなんてキャラクターはいなかったはず。つまり、私はモブキャラ。なんでモブキャラが攻略対象のルイド・ユースエン公爵と結婚したの!?


「シナリオ終わってる…?」


 そしてこの世界でアリリスさんはルイド様を狙っていた。でも、私がルイド様と結婚してしまった。つまりはシナリオが終わっているということ。


「どうしよう…」


 まさか前世の知識が蘇ったら、既にシナリオが終わっていて、モブキャラの私が公爵夫人になっているなんて誰が想像できるだろうか。うそでしょ…なんでシナリオ通りに進まなかったの…そしたら私は平穏な日々を送れてたのに…。

 公爵夫人になって1週間だが、これから大変になるのは目に見えてわかっている。ちくしょう。どうして今まで全く絡んだことがなかった私をいきなり妻にしたんですかルイド様。恨みますよ。妻にしたくせにほったらかしだし。まぁいいけど。


「せっかく前世の記憶があるんだから、今世に役立てよう」


 料理とか掃除とか服とかアクセサリーとかいろいろ役に立てられそう。

 あれ、待てよ。


「前世の知識、なくない?」


 「箱入り娘」って友人や家族に言われるくらいには私は常識知らずだった…。そりゃずっと部屋に引きこもってたんだもん、役立てられる知識なくない?


「ま、なんとかなるか。やってみないとわかんないよね!」


 やったことはなくても見たことあるものはあるから、思い出して真似してみればきっといけるはず。まずはやってみないとね!挑戦大事!


 せっかく転生したんだから、前世の小説で読んだ知識チートを目指してみよう!


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