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短篇集50  作者: SOUYA.(シメジ)
18/37

(⑱)こねこの家族

今回はハートフルな家族愛のお話です

 赤い橋の上。茶色の子猫が歩きます。

 手足は短くて少しポッチャリしています。

 メスなのかオスなのかそれは誰にもわかりません

 何だか不細工なのにちょっぴりキュート。そんな子猫のお話です。


 子猫は赤い橋の下で産まれました。

 兄弟はみんな白くて綺麗でした。

 茶色い子猫は兄弟の白い毛並みが羨ましくて毎日体を洗いました。

 でも茶色の毛は白くなりませんでした。

 子猫はお母さんに聞きました。


『どうしてこの毛は白くならないの?』


 そんな子猫に母猫は不思議そうに笑いました。


『みんなと一緒が良かったのかい?』


 子猫は少し考えて


『毛の色が違うと家族じゃないみたいだから』


 と不器用に答えました。

 母猫はクスリと笑いました。


『でもお兄ちゃんと仕草が似ているよ。

声もまるきり一緒じゃないか』


 子猫はまた少し考えて


『でも母さんも白いのに自分だけこんなに茶色いのは嫌だ』


 と体を洗いました。

 母猫は少し真剣になって言いました。


『お前は気付かないかい?

お姉ちゃんのお腹には茶色の斑点があるんだよ』


 子猫は体を洗うのをやめて母猫の前で座りました。


『みんな模様は違うんだよ。でもみんな繋がってる。家族なんだ。だから大丈夫だよ。誰に何を言われたってお前はあたしの大事な子供さ』


 母猫は最後に、にんまりと笑いました。







 子猫は茶色い毛並みの少し不細工な猫です。

 子猫の兄は白い綺麗な毛並みの小さな猫です。

 子猫の姉はお腹に茶色の斑点がある目付きの悪い猫です。

 子猫の弟は白い毛並みの運動音痴な猫です。


 子猫の兄弟はみんな白いです。

 だけど子猫はそんな事気にしなくなりました。

 体を洗うこともなくなりました。


 子猫は一度伸びをして赤い橋の上を歩きます。

 その向こうでは兄弟の毛の色に似た白い雲が魚の形を作って空を泳いでいました。


 これは家族と見た目が違ってもそれが嬉しく思う子猫のお話です。



END

当人が幸せならば周りは何も言えませんね。


閲覧ありがとうございました

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