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人類に恋した地球外非生命体(AI)  作者: シャル・シャナ
プロローグ ようこそ地球へ
6/30

人生最大の事件

今回は前回に比べて読み応えあります!

「県警の方からまいりました、太田と申します。」

「はい。」

別に何も悪いことしてないし捕まらないと分かっていても心臓がバクバクする。

「昨日午後6時35分頃この近くに小さい隕石が落下したことが確認されたのでそちらを回収にまいりました。」

予想通りの質問。しかし、こんな所で宇宙からAIが来たなんて俺は言わない。そもそも、言ったって信じてくれないだろうけどな。

「そうですか。」

「あちらの山に落ちたのですがこの家の方の土地ですよね?」

「はい。」

やはり緊張してしまう。しかし、これは怖がりとはなんの関係もない。ただただ緊張するのだ。太田さんの顔怖い。

「でしたら、捜索をさせていただきたいのですが……。

「全然いいですよ。」

「ご協力ありがとうございます。」

「いえいえ。じゃあもう家に入ってもよろしいですか?」

「直ぐに見つかるとは思うので見つかり次第またお知らせと挨拶に来ます。」

「頑張ってください。」

僕の放ったその言葉を合図にしたかのように止まっていた5台ほどのパトカーから太田さん含め10人の警察が列をなして山の方へと向かいだした。

太田さんはパトカーの周りで見張りをするようで、みんなとは違う方向へ行った。

やっと緊張から開放された俺もトイレに行きたかったことを思い出してスタコラサッサと踵を返した。

すると後ろから、低い声で

「あなた、落下物回収してないでしょうね?」

と太田さんが俺の背中に語りかけた。俺がビクッとして固まっていると再びさっきよりさらに1オクターブ低い声で

「どうなんですか?」と。

その脅すような低い声が登りだした朝日に照らされる山々に響いて俺の耳元に届く。

俺は咄嗟に我に戻り、自然な感じを意識して

「回収してないです。どこに落ちたかも正確には分かりませんし。隕石とかあまり興味がないので。」

と言い切った。これは大嘘である。隕石は昔から宇宙が好きな関係で憧れてたものだ。

「そうですよね。疑ってすいません。実は宇宙からの落下物はたとえ自分の敷地に落ちたとしても、自分のものにしたら罰金が課せられるので、国に渡さなければならないという法律がありまして、過去に何人もの人が罰金を払う羽目になっているのです。」

それを聞いて俺は正直びびったが、別に俺は所持してない。所詮あいつが勝手に入ってきただけなので大丈夫。法律には触れてないから罰金の対象にもなりえない。そして何より俺の良心はチクリとも痛まなかった。なぜなら、アルファを助けることが出来た誇りが法律に触れているかどうかの心配に勝ったからだった。

しかし俺は太田がまだこっちを睨んでることも、疑いをかけられてることも気づいている。とても怖い。さっきの緊張とはなんだか違うのだった。家の玄関を見ると、父と母がパジャマ姿のまま並んで立つていた。俺は力が抜けた。

“アルファの存在を知られてしまった”

今、警察に「泥棒だ」などと言われてしまったら終わりだ。

アルファの存在がバレていないことを願いながら俺は急いで手に汗握って走った。

鼓動が絶頂に達し、抑えられない不安。猛烈な勢いで回転し、何かを考え出す頭。

朝4時トイレのために起きてきた俺はこの人生最大の事件の真っ只中にいるきがした。


太田さん怖い

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