泣いたって怒ったって
二話目です
意識が戻ると、俺は目の前の光景に目を疑った。
そこには、俺と同様に困惑した様子の人々が大勢いた。
いや、その事実にも目を疑ったが、俺が驚いたのは
俺がいる場所に関してだ。
ここは、《《何もないのだ》》。何もない場所なのだ
壁もなければ床もない。ただ永遠と真っ白い光景だけが
広がっている。
「一体ここはどこなんだ、、、」
そうつぶやいたとき、どこかから。
声が聞こえた。
『こんにちは諸君。私が神だ。私が諸君らをここへ呼んだのだ。』
この声の主が、神。
だが、あたりを見回しても、それらしい姿はなかった。
『早速だが、このゲームの説明をしよう。いまから諸君ら総勢1000名には、生き残りを賭けて・・《《殺しあってもらう》》。』
周りがざわついた。と同時に俺の心臓も高鳴りし始めた。
『まあ慌てるな、まだ説明は続く。』
『殺しあうと言っても素手でと言わない。諸君らに渡した特殊能力でだ。』
《《諸君らに渡した特殊能力》》?
そんなものいつ渡されたんだ?第一そんなもの存在するのか?
と、思考をめぐらせていると神は続きを話し出した。
『右腕を見てみろ、そこにボタンのようなものがあるはずだ。』
右腕を見てみると確かにボタンのような痣のようなものがあった。
『そこを押すと自分の能力、所持金、等々が表示されるはずだ。』
『そこにルールと、勝利条件が書いてある。それを各々読んでおけ。』
『いまからお前らを《《殺しあってもらうフィールド》》に送る。』
神が言い終わると同時に10秒のカウントダウンが俺らがいる場所の中央に表示された。
『では、健闘を祈る。』
そして、周りからは神の声は消え、悲鳴やら奇声が聞こえ始めた。
カウントダウンはもう5の数字を指していた。
心臓がバクバクと鳴り、目の前が真っ白になった。
真っ白になったというのは脳が思考停止したのではなく、《《殺しあってもらうフィールド》》に送られているのだ。
こちらの世界に来た時と同様に、意識はそこで途絶えた。
◇◆◇◆
気が付くとそこにはまるでRPGのような景色が広がっていた。
周りには神話に出てくるような動物やらモンスターがそこらかしこで歩いていた。
「本当に異世界に飛ばされちまったのか・・そうだ!たしか右腕のボタンを押したら自分の能力が見れるはず。」
右腕のボタンを押したら、そこにはソードアートオ〇ラインを思い出させられるような画面が表示された。
「えっと、なになに、俺の能力は・・」
とボソボソと独り言を呟いてると、どこかからバキバキという轟音が鳴り響いた。
「なんだ!?」
言うが早いか、目の前にいたのはゴブリンのようなモンスターと、それに襲われている同級生の彩華だった。
「彩華ッ!」
彩華がこちらを向いた。
「司ッ!助けてッ!」
助けようと走ったが、モンスターが先に彩華に襲い掛かった。
「キャアアアア!!」
俺は彩華を助けるために《《画面に書いてあった言葉を叫んだ》》。
「アビリティ発動!!」
叫ぶと同時に前に踏み込んだ俺の体は一瞬にしてモンスターの眼前に迫り
モンスターに拳を食らわせた。モンスターは遥か後ろに吹っ飛び、木にぶつかり激しく臓器やら血やらを撒き散らしながら動かなくなった。
「危なかったな、彩華・・って気絶してるし・・」
彩華は情けない顔をしてそのばに倒れていた。
「まあ、助かってよかったよ。・・しかし、今の動き、これが俺の能力。《《超人的な身体能力》》・・」
「最強な能力じゃねえのか?これ」
俺は不適に笑いながらそう呟いた。
絶望的なこの状況に、すこしばかり希望の光が見えてきた。
絶対に生き残ってやる。
泣いたって怒ったって状況は変わらない。
だからこの能力で生き残って、神の野郎をぶっ殺す。




