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幽霊界も大変です...  作者: 遠回 鈍
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こんにちは、幽霊界

「早く死んで楽になりたい」そうして身を投げた先に待っていたのは余りにも激しいノルマ社会だった…


大学を中退し、うつ病を罹患しうつ病ニートを送っていた京子はいつも死ぬことばかり考えていた。


「死んで楽になりた〜い」そう呟いてばかりの京子は今日も家族が出かけた後、誰も居なくなった居間で母親が作ったシュガートーストを齧りつつTwitterの病み垢で承認欲求満載のツイートばかりしていた。


藤崎 京子 小中高はクラスでも目立たず大人しく、志望した大学もなんとなくで進み結果勉強に身が入らず中退。当時付き合っていた恋人の浮気が原因でうつ病を発症、以降定職に就けずにアルバイトをしては辞めてを繰り返していた。


21才 女 無職 この三つの十字架を背負いながら京子は現在まで生きている。


「楽に死ねる方法は無いかな〜」そう呟きながら京子はいつも通り楽に死ねる方法をGoogleで検索していた…


検索して出てくるのは親の顔より見た「こころの相談ダイヤル」日本という国は生きる事を強いて国の労働力になるよういつも働きかけてくる。

きっとあの世はこの世界より楽で、無意味で、無意識で、それでいて何もないに違いない。そう根拠も無い妄想を信じ込みとうとう自殺を決行するのだった。


ホームセンターで買った麻縄をリュックに詰め、電車とバスを使い、地元で有名な自殺スポット兼心霊スポットに一時間半かけて赴いた。

うつ病を罹患して約一年、治りかけてアルバイト等色々挑戦して見たこともあったが結局続かずもう一人の自分から「お前は何をやってもダメだ」と言われているようでもう何もする気が起きないのだ。

もう楽になって存在を抹消してもいい時期だろう。

「○○峠」と書かれたバス停を降り、徒歩30分。目的のトンネルにたどり着いた。


ここは昔から有名な心霊スポットでトンネル内で停車し、クラクションを三回鳴らすと白い服を着た女が追いかけてくるとか色々な噂がある。

それに有名な自殺スポットでもあり、付近の雑木林では年に数回首吊り遺体や凍死体などが見つかるそうだ。


なので警察や自治体の関係職員が定期的にパトロールをするみたいで永久に見つからずに白骨化する心配はなさそうだ。


死んだら親は悲しむだろうか…昔の友人は葬儀に参列するだろうか…死ぬ直前になっても承認欲求の波が止まらない。

すぐに見つかる首吊り遺体の気持ちがわかった気がする。


「まぁこの世に思い残す事は無い、死ねばきっとそこは無だ。」そう言って京子は自分の首に縄をかけた———。


気がつくと京子は何もない白い空間に立っていた。


てっきり死んだ後の自分の死体や葬儀ぐらい見れるもんだと思っていた京子には拍子抜けな展開だった。


白い空間からどこからともなく胡散臭いスーツ姿の男が現れた。

「死後の世界へようこそ」

そう言って彼はペンと契約書らしき紙を渡してきた———。


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