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あの子の黒い影  作者: apricot
1/1

黒い影の子供

こんなことになるなんて思ってなかった...


とあるマンションには、一つの噂があった。


夜が明ける前の時間帯、いわゆる彼は誰時(かたはれどき)、その時間にマンションの9階の904号室の前を通ると事は起きる。


壁の中に潜む真っ黒な子供の影に追いかけられ、マンションの下に落とされてしまう...そういう噂があった。


ーーーーーーーーーーー







バンッ‼︎


「邪魔なんだから出て行けよ‼︎‼︎‼︎」


「ごめんな、さ、ごめんなさい‼︎‼︎お母さん‼︎」


バンッ ! ガチャ.


「痛いよ..お母さん...何にもしてないのに、どうして..?」



溢れる涙を拭う。

いつもは、叩かれて部屋から追い出されるくらいだったが、締め出されたのは初めてだった。しかも今から暗くなるっていう時間に。


「どうしてお母さんは叩くんだろう...もう嫌だよ..」


上を向くと涙で滲んだ空に広がるのは真っ赤な空だった。


「血みたい...」



気味が悪くなり考えごとをして時間を潰そうと考えていたら、小さい頃に聞いた噂を思い出した。

「黒い子供の話...」


思い出したら少しゾクリッとした。


「考えるのやめておこう...」


そう言えども、一度頭に浮かんでしまったことは中々消し去ることはできない。

もうすぐ中学生になるからと行っても、怖い話は怖いのだ。




自分の頭の中に浮かんでしまったものを振り切るために、マンションの廊下を行ったり来たりしている。



曲がり角のところで自分の影は途切れるのだが、曲がった後に角の奥から伸びる自分の影にドキリとする。


伸びた影が私のものではない様に感じ、少し早足になる。「そんなわけないのに...」



そんなわけない...はずなのだが私は足を止めることができ無くなっていた。


(...ない、待って、ない。私の影がないの。)



自分の足から伸びるはずの"黒い物"がないのだ。

いつもなら私の歩くそばを片時も離れないはずなのに。


「ない、ない...ないないないない‼︎」


今にも発狂してしまいそう...!!と、その瞬間目の前に気配を感じとっさに顔を上げた。











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