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夏のホラー体験 「 峠道」

作者: 柚娜

実体験です。短いので、お気軽にどうぞ。

これはある峠での出来事。


友達の若田と、食事をした後に、彼は何故か


「ここを曲がった先に、峠があるんだけどそこを通りたい」


と言い出したのだ。



時刻は間もなく深夜の2時。丑三つ時と言われる時刻だ。

ちょっと気が進まないけれど、途中までは、母の実家があるので

知っている道だが、その先を走ったことは一度もない。


まだ、彼は若いのだが、数年前までは、バイクで峠を走るのが

好きな、所謂走り屋に近いバイク好きの青年だった。


「懐かしいなぁ、オレ、ここで事故ってバイクダメにしちゃったんっすよね」


事故が多く、死亡事故もおきている場所だという。

そんな話をしていると、バックミラーにやけにライトの暗いバイクが

ピッタリとくっついて走っている。

サイドミラーには角度的なのか、そのバイクは写っていない。

カーブが多いので、それほどのスピードは出していなかったのもあり、

助手席の彼に、そのライダーのことを告げる。


「今さ、バックミラーにバイクがいるんだけど、どうも、私には

首から上がないように見えるだけど、そのバイク、振り返って

確認出来る?てか、してもらえる?」


彼はものすごく明るい声で


「いいよw」


と答えると、シートベルトを外して、大きく背後を振り返る。

そして、彼から予想通りの答えが返ってきた。


「後ろ、何もいないよ?」


けれど、ミラーには、薄暗いライトをつけたままの

首なしライダーは、距離を変えずにピッタリと車の背後を

走っている。


ーーーどうしよう……


私は除霊出来るタイプの見える人ではない。


どこまでも、ついて来られるのは厄介だ、と

思いながら、車を走らせていた。


止まってしまったら、都市伝説みたいになっても

面白くもなんともない。


彼を先に行かせるべきか、私が峠を抜けるのが先か……


万が一、ライダーが、私の車の横をする抜けるか、

車の窓を叩いて、窓を開けさせる、

そういった都市伝説は数多く存在している。


仮に、彼が横を通り抜けていったとしても、

首なしライダーの後ろを走るのも嫌だったので、

選択肢は後者しか、あり得なかった。


そのまま、走り続けると、峠の終わりが見えた。



街灯も煌々としていて、信号が赤だったのもあり、

バックミラーを改めて、見直すと、彼は峠だけを

走りたいライダーだったらしく、すでに後ろには

彼の姿はなかった。


その後、私はその峠には一切近づいていない。

心霊スポットだと知っていたら、近づかなかったのに!!


と若田を責めたが、彼も心霊スポットだとは知らなかったようだ。


事故がで亡くなったことに気づかないまま、

彼はきっと、あの峠道をずっと走っているのだろう。


地元がら遠い場所にではなく、友達には便利な道だと言われています。

もう、夜中に走るのはこりごりですが、なにかのきっかけで

また、その道を通ることがあるかもしれません。


その時には、お祓い用の塩か、お花を添えてあげた方がいいのかな?

と思ったりしています。

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