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бホール① 任せる
「じゃあホールが聞いてきて、私ここで待ってるから」
「ああ」
ホールがリーダーにたずねにいき、すぐに戻って来た。
「よし、行くか」
「うん」
一応は周りに警戒しつつ、ビスキュイの屋敷のドアベルを揺らして鳴らす。
「今時の金持ちは電気式なのに、ずいぶん古風なだな」
「そうだね」
たぶん悪魔は神様の裁きの雷を嫌うから電気も嫌いなんだろう。
「入れ」
ガチャリと鍵の音がしてドアがあく。ビスキュイは玄関に待ち構えている。
「え、今どうやって!?」
ホールは手を触れずに開かれたそれにあいた口が塞がらない。
「そいつは仲間か?」
ビスキュイが冷ややかな目でホールを見ている。警戒というよりは余裕たっぷりで、悪魔だから人間が来たこと対する嫌気だろう。
「うん、幼馴染のホール」
「おい貴族相手にタメ口なんて……」
ホールは焦って肩を掴む。
「あ、ごめんなさい」
この前の出会いからして、なんかもう気を使わなくてもいいかなと思っていた。
「かまわん」