癖
後悔はない。
ただただ罪悪感に押しつぶされそうになる。
いますぐ逃げ出したい。
ここに居たくない。
ここから逃げ出したい。
今すぐに。
気がつけば駅で電車を待っていた。
今更になって帰る場所を思い出したような気がした。
最初から忘れていなかった。
覚えていないフリをしていた。
そんなはずはないのに。
帰れる場所なんてない。
そう思いながら電車に揺られ、
帰る場所はどこにもない。
どこを目指しているのだろう。
ただ逃げたい。
どこへ、
誰の元へ、
何から、
分からない。
分からないフリをしてみるだけ。
着いた。
何処に。
止まってはいられないから。
駅には誰もいない。
向こうのホームに電車が止まった。
誰も乗らないし、誰も降りない。
扉が閉まって発車する。
その頃にはもう改札を出ていた。
改札を出て、待っていた。
今すぐに逃げ出さなければ。
そこからただ知ってる道だけを歩いた。
家には誰もいなかった。
歩いた。
学校の前を通った。
何も変わっていなかった。
歩いた。
後はどこがあるだろうか。
駄菓子屋や、
公園や、
後はどこがあるだろうか。
歩いた。
止まった。
もうここから先は何もなかった。
もうこれ以上は何もなかった。
駅に着いた。
逃げなければならないのに。
死にたくないのに。
生きたいのに。
もうこれ以上はどこにも逃げ場がなかった。
「おかえり。」
「…」
「帰って来てたんだ。」
「。」
「そこで何してるの?」
「…電車を待ってる。」
「ホームはあっちだよ。」
「うん。」
「遮断機は下りてないよ?」
「知ってる。」
「そういえばさ、
翔太にあった?」
「会ってない。」
「そっか。
また、どこかに行くの?」
「分からない。
行く先も帰る場所もないから。」
「何言ってんだよ。
ここに『帰って来た』だろ?
ここが俺たちの帰る場所じゃないのか?」
「…分からないよ、そんなの。」
また逃げ出した。
今度はどこへ行けばいいだろうか。
大貴は追いかけてはこなかった。
結局、何から逃げてるかも分からずフラフラと歩き出した。
彷徨いながら森に入った。
今日はここで眠ろうかと辺りを見回すと知っている2人が居た。
高崎と委員長。
因縁はある、が今はそんな事はどうでもいい。
関わりたくない。
見なかった事にして今日はもう眠った。




