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空の空  作者: lycoris
空の空の下
82/115

朱音と綺音

最後に死ぬ時は醜く死んでいくんだと思っていた。

積み重なった死体(にく)の上で無様に腐っていく。

だけど違った。

最愛の妹に見守られながら、最愛の人の腕の中で死んだ。

痛みは壮絶だった。

それでもなお笑って死んでいけた。

なら満足の筈だった。


サンタクロースは言った。

後悔はないのかと。

無い。と言い切る自信はあった。

満たされて死んでいった。

散々、人の都合など知らずに殺して来たのに。

だからだろうか、欲が出た。

欲が満たされれば、次の欲が出る。

それは叶えられないと思っていた。

だからそれは叶わないと思っていた。

だが、だからこそ、

願ってしまった。

それは真逆の願いだが、矛盾はしていない。


最愛の彼の腕の中で死ねたのだ、

その次の欲望はただ、彼の側でもっと生きたかった。




そうして、

醜い魂は、運命の娘の中へと宿った。

その手から







{(解説)

暴走する朱音はこれ以上真斗と居られない。

真斗を守るために知られずに死ぬはずだった。

最初の願いが叶わないから、後の願いが叶ったか

ら望んでしまった。}


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