please kill me at the last
人の心は壊れにくい
だからこそ直りにくい
彼はあの時既に壊れていた。
彼女が壊れたあの時から。
彼女の世界が色めいた。
彼の世界が色褪せていくから。
彼女は笑った。
彼が泣くから。
彼は泣いた。
彼女が笑うから。
彼と彼女らは
背中に温もりを感じた。
この暖かさは綺音の
この懐かしさは朱音の
なら、今俺を抱きしめている者は_
「さよなら、真斗」
「…」
「もうあなたには届かない。」
「…」
「だから、今度こそは私があなたを終わらせる。」
「…」
「あの時あなたが私を終わらせられなかったから。」
「…」
「それが私の罪。」
「…」
「そしてこれがあなたの罰。」
「!」
「さようなら」
「あ…ぁ… ………」
「さようなら。」
『なんで?』
「これが私の罰だから」
『なんで?』
「なんで?』
『なんで?」
「どうして、私は、どうして一人なの?
「答えてよ、ねぇ…」
「誰か答えてよぉ…!!」
「お願いだから、一人にしないで、
置いてかないで、」
「私は」
「君が特別だからだよ。」
「なんで?」
「それは彼女を倒してからだよ。」
「ねぇ、なんで?」
「大丈夫、今の君なら、
そこの男を食べれば勝てるはずだから。」
「ねぇ?」
「だから言ってるだろ、早く食って早く殺せよ。」
「うぐっ!!?」
「あーあ、早くしないから…
もう一人ですら無くなるよ?
それをむしろ望んでいるのか。」
「くっ」
「早く起きないと、怖〜い先生が来るよー」
「あがっ!!」
「しょうがないなー。」
「っは!はっ、っはっ」
「ほら最後のチャンスだ。
食え。」
「はぁ…、はぁ…」
「いいよ、じゃあ死ねば」
「はぁ…!はぁ…!は_うぁあああああ!!!」
「根性論は嫌いじゃないけど、相手が違うだろ
そもそも私とじゃ相手にならないんだから。」
「ぐっぁ」
「ほら」
痛い!
痛い!!
なんで?!
こんなに痛いのに!
目の前の女二人が殺せない
こんなに必死なのに
死にたくなんてないのに
全て諦めてる
腕は折られ、足は砕かれ、
それでも立ち上がる理由が分からない
もうなにも残っていないのに
この体が動くのが
「そんなに死にたいなら
おやすみ」
胸を貫かれた
それからは
_分からない_
これで綺音の物語は終わりです




