みちたるわ
別れてすぐ、近くに民家はあったが、
今更盗みに入る度胸もなく。
それでいて手持ち金がある訳でもない。
私はまだお腹は空いていないが、2人はどうだろうか。
さすがに2人も相手には出来ないし、したくない。
どうすれば…
野生の動物に期待はしていなかったが、物音が聞こえたのでそちらに向かった。
地を駆ける音。
荒い呼吸。
人?
近づいてみると、2人の男が闘っていた。
あれは
「はぁ…はぁ…」
「邪魔すんなよ…はぁ…」
「ははっ、こっちの、セリフ、だっての」
1人は刀を振り回し、1人はそれを平然と腕で受け止めている。
あの2人は、
友慈と拓人。
「!?」
空いていた足で蹴り飛ばしこちらに構える友慈。
「誰だ!?」
驚いて、むしろ体を余計に縮こませ隠れる。
それをしてももう無意味だというのに。
「はぁ…やっとお客さんが来たよ。
んで、2人は連れて来てくれた?」
「何のこと?」
観念して出て行く。
それに拓人の言い方が気になった。
「あれ、今は違うのか。」
「! 綺音!」
私だと分かって友慈はすぐに拓人に向き直った。
私はその少し後ろに立つ。
「ねぇ、何のこと」
「気付いてないなら知らない方が幸せだよ。」
「お前…!」
「あの時、覚醒してれば良かったのにね。」
「お前!!」
何故拓人はそんな事を言うのか。
何故友慈はそれに怒っているのか。
「お、やっぱり居るね。」
私の後ろで物音がした。
振り返ると夏七子ちゃんと朝子ちゃんが居た。
「!?」
2人とも私と目を合わせない。
「お利口だね。まだ何もしないからおいで。」
手を差し出す拓人の元へ行こうとする2人。
「ダメ!」
分からない。
「行っちゃダメ!」
どうして?
「お願い、行かないで!」
私の手を振りほどく朝子ちゃん。
「綺音ちゃんは悪くないよ。」
私の手を握り返す夏七子ちゃん。
「ごめんね。」
夏七子ちゃんは悪くない。
悪いのは
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「すぅ…、ふぅ…」
意識がハッキリする。
一呼吸おいて目を開けると、目を閉じる前と変わらない光景。
私を覗き込む少女。
「綺音ちゃんは寝ちゃったみたいだね。」
「え?」
「そりゃ無理ないけどね。」
起き上がって周りを見渡す。
「さてと、ちょうどお腹も減ってたし、いただきますか。」
転がってる3つの死体を順番に食べていく。
ちゃんと骨は残して。
食べられる所だけを。
朝食にしては、少し多かったかな?
「あ、ごめん。あなたの分も食べちゃった。」
困惑の眼差しで私を見つめる少女。
「人を生で食べた事ない?慣れればいけるよ。
大丈夫、あなたは食べないから。」
まだ、ね。
「あなたは?」
血に濡れた手をそこの服で拭き、差し出す。
「私は、『日下部 朝子』、です。」
意外にも応じてくれた。
度胸はあるようだ。
「私は_秋月 朱音。よろしくね。」
今は。
今週も疲れた。
朝子ちゃんの苗字は日下部に決まりました。
よろしく




