じが
「待ってよ。」
「…」
「待ってよ、委員長。」
「…」
「戻らないから、理由だけでも教えてよ。」
引きずるように私の手を引く委員長がやっと立ち止まった。
「…絶対?」
「うん。
それに考えてみれば、ここの場所は良く分かってないからへたに戻れないし。」
「分かった。」
「ありがとう。」
「じゃあ進みながら話すから。」
このままここに居たら危ないからと、逃げるように委員長は進んで行った。
「どうして先生を助けなかったの?」
「分かるでしょ、手遅れだから。」
「…手遅れになると、どうなるの?」
「簡単に言うと自分が自分で無くなる。」
「え?どうして?」
「それに関しては手紙を預かってるから。」
「それって先生からの?」
「うん。
後、伝言で、次に先生に会ったら何が何でも逃げろって。君たちにはまだやる事があるからって。」
「もし、逃げなかったら…?」
「先生の食料になる。
逆に、現状の私達に勝ち目は無い。」
「だから、逃げろ、か…」
「そう。生きたければね。」
「じゃあ、死にたくなったら先生に会いに行けばいいんだ…」
「!?」
委員長は突然ブレーキをかけた。
「どうかしたの?」
それなりに離れたとは思うけど、まだ私では帰り道が分からない所にいた。
「高崎さんは、死にたいの?」
委員長は私の手を離した。
「え?なんで?」
「…」
委員長は真剣な眼差しで答えを待っている。
そうか、さっきのが口に出てたのかな。
「死にたい、って訳じゃないけど…
ただ、もう、生きててもしょうがないんじゃないかな、って。」
委員長から目を逸らして答える。
「なんでそう思うの?」
「…だってさ、私はもう天涯孤独なんだよ。」
「…」
「そりゃあ、今は真斗の家にお邪魔してるけど、たぶん本当に邪魔なんだと思う。
それでも私は、私のワガママでしがみついてる。」
「…」
誰かが歩み寄る音がする。
「っ、それに、こんな化け物になって!
私、もう何人か、殺しちゃった。」
気が高まって声が震える。
「お母さんを殺した!
まだまともに親孝行もした事なかったのに!
あまつさえその死体を食べた!!
このままじゃ、真斗達や、委員長だって殺して食べちゃうかもしれない…
それならいっそ!いっそ!!」
委員長はキツく私に抱き着いた。
「私、自信が無いんだ 、本当に自分が自分じゃなくなるような。
自分が本当に自分なのか、何も分からない…!」
「大丈夫。大丈夫だから。」
「私は!私はぁ…!」
「高崎さんも見たでしょ。私の家。」
「うん…」
「私はもう10年間あそこで1人で生きてるの。
とっくに、生きてる理由も生きて行く理由も忘れたのに。」
「うん…」
「でもね、私は私である為に生きてるの。
誰にも、自分にも否定させない為に、抗って生きてる。
こんなにも苦しいのに、死ねない。
だから、生きる事にした。」
「そう、だったんだ…」
「理由は何でもいい。自分を見失わないで。
あなたは高崎綾音、私の親友。」
「っ、ありが、とう!」
「こちらこそ。」
今の所この作品の1番の被害者は綺音ちゃんの実家のご近所さんです。
お父さんはお母さんが食べました。
委員長の1人暮らしは約10年です、9年とちょっとくらいの。
後半は、なんか会話文に説明を挟むのは野暮かなぁとアホな事考えて会話文だけになったので、脳内補完でお願いします。
最後の方はもちろん泣いてます。




