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空の空  作者: lycoris
空の空
46/115

明日の世界

「約束、守ったよ。」

委員長が私の前に立った。

「さすが、『きみ』は真面目だねぇ。」

「これって」

「待った。

答えるのが面倒だ。

委員長、代わりに、簡単に。」

委員長は振り返らずに私に語った。

「この人は、この町の人間を誰一人出してはいけない、と言う掟を破った。」

「掟?」

「まぁ、自業自得って奴だよ。

だから、同情は要らないよ。

助けは絶賛欲しいが、どうやら希望は(とぼ)しいようだ。」

先生は私を見ながら言った。

「先生、約束を。」

「そうだったそうだった。」

委員長の雰囲気がいつもより冷徹に感じられた。

「いやぁ、今日は機嫌がいい、から2人の質問に答えてあげよう。

もう会えないと思ってた生徒との再会だからね。」

この状況にも関わらず先生は余裕そうだ。

「まずはどっちからだ?」

「…」

「…あの、約束って?」

委員長が黙っているので私が質問する事にした。

「いいのか?ちなみに質問は1人ひとつまでだぞ?

最初のはサービスだ。」

私の勘が間違ってなければ、私をここに連れてくる事を条件に、先生が委員長の質問にひとつ答える。

そんなところだと思う。

「じゃあ、あの、やっぱり無しで。」

「了解。」


「それで、聞きたいことはなんだ?」

「いえ、じゃあ…」

委員長が私の方を向いた。

「この実験は一体何に繋がるんですか?目的を教えて下さい。」

「ほう?それでいいんだな?」

「はい。

他は…きっと、私にとっては何の意味もない事でしょうから。

どうせなら真実を知りたいんです。」

「ごもっともだ。」

先生は鎖に繋がれたまま恐らく、一番楽な体勢になって話し出した。

「ふぅ。

さて、じゃあまず、何にも知らない子もいるから、きみの分かっている事を教えてくれ。」

「私達は人形人食種(ヒューマノイド・ヒューマンイーター)

接触だけでは感染せず、薬か何かが必要。

でも、この町の全員は感染している。

共食いが(たま)に起きる。

これぐらいです。」

「えっ?」

この町の全員が!?

「まあそんな所か。

では結論から言おうか、これは人類の進化を目指した

その名も【狂 進化 作戦】だ。

つい最近までは『(仮)』が付いていたんだがな。」

驚く私達の顔を見て先生は満足気に続けた。

「我々は常に食人衝動に駆られている。

理由は簡単、人肉が美味しいと覚えさせられてるから。

最初に人形人食種のウィルスと超強力な麻薬を塗り込んだ人肉一度食べさせる。

たった一度食べただけで強烈な禁断症状に襲われる。

たった一度だけ経験した快楽を求めて、ただの人肉を貪る。

人肉を喰らえば体中の人形人食種(HHE)ウィルスが満たされる。

HHEウィルスは人肉を食べると脳にダメージを与えて体のリミッターを外していく。

そして、人形人食種は(おさま)らない禁断症状を誤魔化すために人肉を喰らい続ける。」

「そんなのって!」

「ふふ、全てが狂ってるのさ。」

思わず言葉が出てしまった。

先生は口端を釣り上げながら続ける。

「食物連鎖の頂上、人間。

人が人を喰らえば人は減る。

人間の上に我々が立つのだ、進化した人類として。

増えすぎた人口を減らす名目にもなる。

そうして人類を滅ぼした後、やがて我々は共食いを始め、なおも優れたものだけが生き残り進化する。

もはやこの地球は選ばれた者しか生を許されない。」

まさに狂ってる。

それしか言葉が出ない。

「進化したその先で、こんな間違いは二度と起こさないほどに、

そんな 夢物語さ。」

現実味がなく、途方も無い話。

だが、これは今目の前で起こっている事は確かだった。























ほ そ く


私達は普段から肉を食してますよね。

でもそれは大抵:牛、豚、鶏、魚、

その他も多々ありますが、人肉はまず無いはずです。

特殊な場合を除いて、初めて食べたそれも麻薬たっぷりの絶品ものを間違えるはずはなく、

人形人食種は人肉を好んで食べるようになります。

破壊されていく理性(のう)と欲望の誘惑。

それに打ち勝って初めて人形人食種は進化をとげるのです。



人形人食種の後ろに(HHE)って付けてもルビにはならないんですねー、知らなかった。

そんなわけで、ウィルスの時は表記が長くなるのでHHEにします。

なんかHIVみたい。

それとは別に何か良い略称を考えねば。

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