再会
次の日の朝
昨日の事が嘘だったかの様に振る舞っている真斗と夏七子ちゃん。
いつも、こんな感じだったのかな。
この家の事情、私の知らない事を昨日知った。
そう思うと今までのが嘘だったかのように見える。
夏七子ちゃんの笑顔が無理しているように見えた。
真斗が微笑むだけで余り笑っていないように見えた。
こんなに息苦しい空間だったろうか。
私の箸が進まない中、2人はいつも通りに朝食を済ませそれぞれ家を出る。
2人が居なくなった後、他人事のはずなのに泣けてきた。
あの男は何がしたいのか、私は何が出来るか、どうすればいいのか、
気付くと食器を片付け家の鍵を閉めてフラフラと当てもなく彷徨っていた。
「あら、高崎ちゃん?」
「…?」
「見間違いじゃないみたいだね。」
知らないおばちゃんに声をかけられた。
向こうは私の事を知っている見たいだ。
「帰って来てたのね。」
「はい。」
「…何かあったの?」
心配そうに聞いてくる。
「いえ、」
きっと話してもしょうがない。
今までの私がそうだったのだから。
「そう…
ねぇ、ところで山本さん家の穂花ちゃん見なかった?」
山本…
「見てないですね、どうかしたんですか?」
なんとなく、嘘をついた。
「なんか家出したみたいで、みんなで探してるのよ。」
どうやらこの人は山本の母親じゃないが探しているらしい。
「そうなんですか。何で家出したんですか?」
「さぁ〜?でも、反抗期みたいだし、そのうち帰ってくるかもしれないけど…」
「待ってればそのうちに戻ってくるんじゃないですか?」
「そうなんだけどね、でもここまま帰って来なかったら…
万が一この町を出て行ったとしたら…」
「そしたら何かあるんですか?」
「あ、いや、ちょっと心配だねぇって。
他人事みたいだけどね。」
あはは と濁した。
「それじゃあ見かけたら教えてね。
出来れば捕まえてくれると嬉しいかな。」
「はい。」
そう言っておばちゃんと私は別れた。
やはりこの町はおかしい。
真斗の言うことが正しいなら町ぐるみで何かを隠している。
考え出すと何もかもが噛み合わない。
考えたくなかったが真斗が嘘をついているかもしれない。
どうして真斗を疑わないのか。
真斗はまだ何かを隠しているかもしれない。
それを探るために、真斗が度々訪れる森の中に来た。
切り株に座って周りを見渡す。
日陰に居ても暑さを感じる。
のに、体が震えそうなほど寒気を感じる。
近くに何かの気配を感じた。
「あ、高崎さん発見〜!」
「!久しぶり。」
「そうだね。」
挨拶が終わる。
「委員長、ここで何してるの?」
間を置いて尋ねた。
「お互い様だよ。高崎さんはどうして学校に来ないの?」
「…行きづらいって言うか、行く意味がない、のかな?」
「分からないんだ、学校に行く理由も、これから生きていく理由も。」
「…そんなとこ。委員長こそ、サボって何やってんの?」
「ふふ、探し物だよ。」
「探し物?」
「うん。でももう見つかったんだ。」
「それって、私?」
「あー、そうだけど、そうじゃない、みたいな。」
「あやふやだね。」
「そうだよ、そうなんだよ。」
なんだか今日の委員長はいつもより別人に見えた。
「じゃあ、私に何か出来ることはある?」
「ないよ。でも、ひとつだけ聞いていい?」
「何?」
山本の事かな?
「秋月朱音、って知ってる?」




